彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん。
【園芸植物×短歌トレッキング:ブラッククミン】
ブラッククミン(Elwendia persica , Black cumin)は、古代のエジ
プトから珍重されてきた。スパイスで使うクミンはセリ科ですが、こ
ちらはキンポウゲ科。セリ科クミン属のクミン(学名:Cuminum cym-
inum)は別名をバキン(馬芹)といいます。日本ではウマゼリ(馬芹)
と言った名前が付いており、エジプトが原産地。花色はピンク色、白
色。開花時期は04月。一年草。和名はウマゼリ(馬芹)。漢名は孜然
。フランス語ではキュマン(cumin)、オランダ語ではコミン(komijn)、
インド亜大陸周辺ではジーラ(jeera)。種子(クミン・シード、cumin
seed)に強い芳香とほろ苦み、辛みがあり、香辛料として用いる。花
言葉は「憂鬱をはらう」、誕生花は、12月9日。 ローマン・コリアン
ダー(Roman coriander)、ブラック・セサミ(black sesame)、ブ
ラック・クミン (black cumin)、そしてオニオン・シード(onion
seed)などの様々な名前で呼ばれています。現在最もよく知られてい
る名前は「ブラック・シード」であり、これはその外観的特徴を最も
的確にとらえた名前と言える。種がキャラウェイ(ヒメウイキョウ)
と見た目が同じなので混同されやすいですが、別の品種。砕くとニン
ジンやナツメグのような香りがします。ブラックペッパーの代用にさ
れたりパンやケーキに振りかけたりする。インド料理にはよく利用さ
れ、「ナン」をはじめ、中近東~トルコでもケシの実(ポピーシード)
と同じ様な利用法で幅広く味・香り付けに利用される。地中海沿岸か
ら西アジアに分布する一年草で、16種があります。白や青、紫紅色の
花弁のように見える部分は萼片で、苞と呼ばれる糸状の葉が花を包む
ように覆っている。本当の花弁は退化していて目立たないが、八重咲
きの品種では花弁が萼片のように発達している。一般に親しまれる種
は、南ヨーロッパ原産のクロタネソウ(Nigella damascena)である。
秋まき一年草で、花壇植えや切り花として利用されています。花後に
できる果実は大きく発達し、このころに収穫して風通しのよい日陰に
吊るして乾燥させれば、ドライフラワーになります。また、果実には
多くのタネが入っていて、バニラのような芳香がある。こぼれダネで
もよくふえる。インドでカレーのスパイスとして利用される種はニゲ
ラ・サティバ(Nigella sativa)で、ブラッククミンと呼ばれるが、
日本ではほとんど栽培されていない。栽培および使用の最も古い記録
は、古代エジプトにまで遡ります。ブラックシードのオイルは、エジ
プトのツタンカーメン王の埋葬室でも発見されており、これは約3,300
年前にさかのぼる。
クミンアルデヒドの香りは「クミン」「スパイス」「辛み」等に例え
られるスパイシーな香りがあり、風味(フレーバー)はカレーを連想さ
せる様な辛味や苦味がある。一般に植物ではユーカリやクミン等に含
まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されている。
【琵琶湖の魚は何故おいしいのか 5】
琵琶湖に棲む魚は固有種を筆頭に美味い。淡水魚はクセのある匂いや
寄生虫に対する不安から他の地域ではそのまま生で食べることは希だ
が、琵琶湖の魚は刺身や洗いにして湖魚本来の繊細な味を楽しむ。こ
れは美しく水温もさほど高くない琵琶湖の水の中で魚たちが良質のプ
ランクトンを餌にしてじっくりと時間をかけて育ってきたことによる。
つまり、琵琶湖は大きいけれど小さい。水量はおよそ275億トン。これ
は海に比べると水溜まりのようなもの。この小さな水域の限られた水
産資源を滋賀の人たちは食べ尽くすことなく、つねに再生産を念頭に
湖魚と向かい合って暮らしてきた。この先人たちの知恵と努力を学ぶ
ことは現代に生きる私たちにとっても大きな意味をもつ。
湖魚の代表格は琵琶湖の固有種であるビワマス。季節によっては海の
トロにも引けを取らない脂ののった味が格別。また同じく固有種で岩
礁地帯に棲むイワトコナマズ※2は泥臭さもなくナマズでは珍しく刺身
として食られているイワトコナマズは、体長60センチ前後になる。眼
が左右につき、出ていて腹部からでも見える。鼻孔が筒状に突出して
いる。全体に黒いが、黄色みを帯びる不定形の斑紋が散らばることも。
鯰にはアルビノ※1が出現することがあるが、本種の出現率がもっとも
高い。体型はナマズに似るが、産卵場所や体色で区別できる。体色は
水中では黒ずんでみえるが、黄褐色のブリキ状の斑紋がある。眼はナ
マズ、ビワコオオナマズと異なり、頭部の側面にあり、腹面からも見
ることができる。琵琶湖では、ベンテンナマズといわれる本種の黄変
個体が見られる。北湖、余呉湖、瀬田川に分布する。
Source YouTube
※1.アルビノとは、目と皮膚と毛髪をはじめとした全身(眼皮膚白皮
症)、または目のみ(眼白皮症)が、先天的にメラニン色素をつく
れない、もしくは少ししかつくれない体質をさす。
※2.イワトコナマズの見分け方は?特徴と飼育方法のまとめ、TSURI
HACK[釣りハック]
イワトコナマズの料理法は日本ナマズやオオナマズなども同じレパー
トリーで、じゅんじゅん(すきやき)、蒲焼き、あらだき、天ぷら(
フライ)、刺身、てっさと捨てる部位はほとんどなく、肥料、飼料と
などにも転用できる。世界人口が80億人以上となったいま、良質な蛋
白食品となり「丘水産」資源の第一候補であることはブログ掲載して
きたことであり、日本の食品及び農林水産・商社・土木建築・医療薬
品企業と連携し研究開発を行い、世界にその日本の企業技術を世界に
贈与的事業(支援援助)の展開させることは難しくないだろう。
via 琵琶湖・淀川ふれあい紀行
【完全クローズド太陽光システム事業整備ノート ⑰】
【再エネ革命渦論 73: アフターコロナ時代 272】
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コンパクトでスマートでタフな①光電変換素子と②蓄電池及び③水電
解に④水素系燃料電池、あるいは⑤光触媒由来有機化合物合成と完璧
なシステムが実現し社会に配置されようとしている。誰がこれを具体
的に想定しただろうか。その旗手に常に日本や世界の若者達の活躍が
あった。
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● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
再生可能エネルギー革命 RE100 ➢ 2030 76
● iPS細胞からがん免疫療法に使う細胞を作る実験に成功
12月13日、がんの免疫療法に使われるがんを攻撃する力を人工的に高
めた免疫細胞をiPS細胞から作り出す実験に成功したと、京都大学など
の研究グループが発表。iPS細胞から効率的に作ることで、低いコスト
で多くの患者に提供できるようになると主張。 血液のがんの患者を
対象にした免疫療法の1つ「CAR-T細胞療法」では患者の免疫細胞を
いったん体の外に出してがんを攻撃する力を高める遺伝子を組み込ん
だあと、体内に戻してがんを攻撃させる。グループでは、患者の細胞
の代わりにiPS細胞から免疫細胞を作り出し、人工的に強化したうえ
で、がんを移植したマウスに投与。その結果、投与したマウスではが
んが大きくなるのを抑える効果などが確認されたという。この免疫療
法では患者本人の細胞からその患者に限定した免疫細胞しか作れない
ため、コストの高さが課題となっていたが、iPS細胞から効率的に作
ることで低いコストで多くの患者に提供できるようになるとする。
金子教授は「抗がん剤など従来のがんの治療法と組み合わせることで、
新たな免疫療法として活用できる可能性がある」。今後は実用化に向
けた研究を進めるとしている。
図1.iPS細胞からキラーT細胞へ分化させる刺激を与える前と与えた
後での遺伝子発現の比較
(a) キラーT細胞はCD8だけを発現(CD4-C D8)する。 また、DP胸腺
細胞は、CD4とCD8を共に発現するので、図中のCD4+CD8α+に分布する
細胞はDP胸腺細胞。
(b) 分化刺激後の図中CD8α+CD8β+に分布する細胞はキラーT細胞。
(c) HLA-A*02:01/GPC3144-152はがん細胞で発現される抗原を認識するT細
胞受容体に反応する試薬。分化刺激後にこのT細胞受容体を発現し、
CD8β+に分布する細胞は抗原特異的なキラーT細胞。CD8β+の分画にお
いて68.9%の割合で分布。(つまり、DP胸腺細胞においてT細胞受容体
の再構築が起こっている)
(d) RAG2遺伝子をゲノム編集で取り除いた後の遺伝子発現の変化。CD8
β+の分画において抗原特異的なキラーT細胞が99.8%の割合にまで上昇。
● コロナのタンパク質を蛍光抗体で迅速定量
東京工業大学の研究グループは、抗原に結合すると光る抗体断片Q-body
(Quenchbody,クエンチ抗体)を,短時間でコロナウイルス量を検出で
きるバイオセンサーとして用いることに成功。 これまで研究グループで
は,抗体断片に蛍光色素を化学修飾したクエンチ抗体(Q-body)を構築
してきた。Q-bodyは,励起光を照射したときの蛍光強度の変化を見るこ
とで、ウイルスを構成する物質の有無や量を検出できる。研究では,ウ
イルス表面にあり感染に重要な役割を果たすS1タンパク質に対して強く
結合するヒト型組み換え抗体A7を取得した。A7から抗体断片Fabを構築し,
その2箇所のN末端をATTO520という蛍光色素で修飾してQ-bodyを構築した
ところ,疑似ウイルス粒子と混合してから2分後に,1mLあたり105コピー
という低濃度から蛍光検出した。 しかしながら,S1タンパクを標的とし
た検出は,ウイルスの株変異にうまく対応できない場合もある問題にも
直面した。そこで,変異体ウイルスにおいても変異が入ることが少なく,
患者サンプル中にはSタンパク質より多く含まれるとされるRNA結合(N)
タンパク質に対するQ-bodyの構築を試みた。しかし,創出した抗体は結
合反応がやや遅く,A7由来Q-bodyより長めの検出時間を要した。 一般に,
溶液中で抗原抗体反応などのタンパク質間相互作用をさせる場合,溶液
に適した高分子を加えることで両タンパク質の水中における有効濃度を
向上させ、反応速度を加速可能なことが知られている。そこで今回、Q-
bodyにいくつかの高分子を加えて検討した結果,平均分子量6,000のポリ
エチレングリコール(PEG6000)を5%加えることで,反応を有意に加速さ
せることに成功。 今回構築したNタンパク質検出用Fab型Q-bodyを用い
て,0.3nM以下の新型コロナウイルスNタンパク質の5分程度での検出が示
された。また,ポータブル蛍光測定装置を用いて臨床サンプルの測定に
成功した。実現された検出感度は通常のイムノクロマト法による抗原検
査キットとほぼ同等だが,検査に必要な手技と通常15分以上とされる反
応時間が少ないことから,測定の定量性と再現性はより高い。
Q-bodyは,消光されている蛍光色素が抗原との結合によって蛍光回復
するとのこと。他とは異なる検出原理に基づいている。研究グループは,
今後同様の方法を用いて,多くの細胞内抗原検出系を創出できると期待
している。
[関連論文]
原 題:Rapid and sensitive SARS-CoV-2 detection using a homogen-
eous fluorescent immunosensor Quenchbody with crowding agents
DOI:10.1039/D2AN01051H
中世期最大の詩人のひとりであり、学問と識見とで当代に数すくない実
朝 の心を訪れているのは まるで支えのない奈落のうえに、一枚の布を
おいて坐っているような境涯への覚醒であった。本書は、中世初の特異
な武家社会の統領の位置にすえられて、少年のうちからいやおうなくじ
ぶんの<死の瞬間>をおもい描かねばならなかった実朝の詩的思想をあき
らかにした傑作批評。
【目次】
1 実朝的なもの
2 制度としての実朝
3 頼家という鏡
4 祭祀の長者
5 実朝の不可解さ
6 実朝伝説
7 実朝における古歌
8 〈古今的〉なもの
9 『古今集』以後
10.〈新古今的〉なもの
11 〈事実〉の思想
実朝における古歌
補遣 実朝年譜
【著者略歴】 吉本隆明(1924-2012年)は、東京生まれ。東京工業大学
電気化学科卒業。詩人・評論家。戦後日本の言論界を長きにわたりリー
ドし、「戦後最大の思想家」「思想界の巨人」などと称される。おもな
著書に『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『心的現象論』
『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『宮沢賢治』『夏目漱石を
読む』『最後の親鸞』『アフリカ的段階について』『背景の記憶』など
がある。
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Ⅷ〈古今的〉なもの
『古今集』の成立は、というよりも、そこにあつめられたような
〈和歌〉表現の〈成立〉は、〈和歌〉にとってある決定的ななにかを
意味していた。けれどこの決定的ななにかはよくたどれないのである。
『万葉集』に〈和歌〉形式の詩としての完結したすがたをみつけ、そ
れで『万葉集』を象徴させる ようには『古今葉』を象徴させえない
のである。『万葉集』と『古今集』とのあいだには、〈和歌〉の詩的
な性格のうえで見事にちがってしまったなにかがあるのだが、この過
程をたどるのは、ほとんど絶望的であるといってよい。ただ、作品に
あらわれたところから結果的には、つぎのようにいうことができる。
ひとつには、〈物〉を叙すことが、すなわち〈心〉を叙すことの暗
喩であり、したがって〈物〉を叙した部分は〈和歌〉全体のなかでは
〈無意味〉でありうるという〈和歌〉形式が発生のはじめにもってい
た性格は、見事に〈変容〉してしまっていることである。
もうひとつは、《和歌》形式のなかで《心》を叙するばあいには、
それ自体としては単純なぐ心>の勁きしか表現できないという性格も、
また《変容》してしまっているということである。
残念なことにこれらの《変容》かなぜおこったかを正確に根拠づけ
ることはできない。ただこれらの《変容》の結果として、《物)を叙
することは詩的な内面の《象徴》に転記し、この《象徴》によって、
《心》は紡果的に表現されるという性格があらわれるとうになった。
こういう視点からいえば、『万葉』にくらぺれば『古今』は詩とし
て問題なく転落しているといういいかたも、『古今』的な風雅の世界
とか、王朝風の高貴さと遊びの《心》とかいういいかたも自然に感じ
やすい日本人の心などといういい力も意味をなさないのである。こう
いういいかたは、日本語の詩的な表現が必然的に袋小路にはいってい
った不可退陣の問題にくらぺれぱ、つまらないたわごととしかおもえ
ない。そういういいかたは、王朝の風雅だとか、『万葉』の野性的な
直截な詩的だとかいうことに、過剰な意味をみつけたかるものにまか
きておけばよい。わたしたちはただ詩的表現の暗部に、なんとかして
光をあてたいとおもうぱかりである。なぜなら、その暗郎には、たん
に詩の問題ばかりでなく、言葉か関々するすぺての問題の暗‐部がか
くされているとおもえるからである。
二条后の春の御歌
雪のうちには春はきにけり鶯の
凍れる涙いまやとくらむ 『古今集』
題しらず
をちこちのたづきもしらぬ山中に
おぽつかなくも呼子鳥かな (『古今集』読人しらず)
雲林院の皇子のもとに花見に北山の
ほとりにまかれりける時によめる
いざけふは春の山べにまじりなん
暮れなばなげの花のかげかは (『古今集』素性)
〈鶯の凍った涙がとける〉という表現も、〈おぼつかない心にさせ
る呼子鳥〉という表現も、〈目が暮れれば花のかげもあるかなきかに
なってしまう〉という表現も、〈物〉を叙したのでもなければ〈心〉
を叙したものでもない。また物に寄せて思いを述べたものでもない。
いささかでも〈物〉を叙した表現があっても、いささかでも〈心〉を
叙した個所があっても、〈物〉そのものでもなければ〈心〉そのもの
でもない〈象徴〉としてあらわれているといえるだけである。自然の
事象が、むこうからひとの〈心〉を襲ってくることもなければ、ひと
の〈心〉が自然の事物にじぶんを見つけだしにゆくのでもない。人の
凍った涙がとけるかどうかではなく、凍った鶯の涙がとけると表現す
ることのなかに、なにかの〈象徴〉があらわれる。この〈象徴〉はも
ちろん、ひとつには凍った〈鶯の涙〉がとけるという着想そのことに
ささえられており、もうひとつには〈鶯の涙〉という着想をせざるを
えない〈心〉を、背後に推測せしめることによって成立っている。こ
の〈心〉が、ひとが涙を凍らせるか涙を流すかという直かな感情より
も〈鶯の涙〉がどうであるかということにしか着想できなくなってい
ることは、すでに〈和歌〉そのものが、さまつなものにのめりこんで
ゆく方向にむかった徴侯とみることができるかもしれない。しかし、
真淵のように、それだから『万葉』にくらべれば『古今』はすでに晶
下ったものであるという評価はなりたちそうもない。それは詩の表現
の歴史を復古主義によって逆さにもどそうとするのににている。そう
だとすれば〈和歌〉形式が発生の当初にもっていた生々しさや鮮烈さ
を喪ってまでも、〈象徴〉の地平を、いねば第二の自然、つまり〈物
〉として見出さざるをえなくなった必然にも、それなりの詩的な意味
がなければならないはずである。たぶん、このあたりに『古今集』のも
つ詩的な特質があったとおもわれる。
なぜどうして、いつのまに〈和歌〉形式の詩はこういうことになっ
てしまったのだろうか。これは総員之のかいた『古今集』の「序」に
もとめてもなにがわかるわけではない。員之はすでに唐詩の六体をま
ねて〈和歌〉を「そへ歌」・「かぞへ歌」・「なずらへ歌」・「たと
へ歌」・「ただごと歌」・「いはひ歌」などと外形的に分類している。
うしなわれたものの過程は、すでに暗闇にかき消されてしまっている。
仮名文字の発達と、唐詩の作詩法の模倣によって、〈和歌〉形式
が変容してしまったという次元でならば、詩としてなにも重要さはふ
くまれていないといってよい。〈和歌〉形式の表現が必然的に変容し
てしまったという問題には、もっと根源的なことがふくまれているは
ずなのだ。
吉本隆明全著作集(続)作家論Ⅰ
源 実朝 Ⅷ <古今的>なもの
筑摩書房刊
この項つづく
新資本主義とはなにか ②
➲ 2022.12.2 「鶏しおうま塩ひとり鍋」参照
1.豊かな国の指標概論 ①
今回のテーマは、すばり「お金」です。定年が射程に入ってきた私
が、あらためて気づいたのは、「お金がない」という現実でした。
2019年には「老後2000万円問題」が物議をかもし、基礎年金問題への
根本的な解決も見いだせない中、もはや最後に頼れるのは「自分」し
かいません。正直、“英語に愛され”なくても生きていくことはでき
ますが、“お金に愛されない”ことは命に関わります。本シリーズで
は、“英語に愛されないエンジニア”が、本気でお金と向き合い、
“お金に愛されるエンジニア”を目指します。(➲令和版所得倍増
計画」の正体 ~全国民参加の不労所得獲得戦略:「お金に愛されな
いエンジニア」のための新行動論(9)(1/9 ページ) EE Times
Japan)
まず、「姑息だけど意外と悪くない、国家経済戦略」について。政府
は、国民に、ただ単に「投資しろ」といっている訳ではなく、「貯蓄を
減らさずに、投資で必ず勝て(絶対に負けるな)」と、都合のいいこと
を要求しているんじゃないかな? ―― と考え始めたら、政府の意図す
る「理由」と「カラクリ」が見えてきたと著者の江端智一氏と述べ、彼
は自己の仮説を提示、展開させていく。その論旨のみを連載記事から追
っていく。
まず、日本の労働人口の7割、ざっくり5000万人が、年間100万円を投資
に回したとします。もちろん、損をする人もいますが、投資信託などで
平均年率1%が、(可能であれば外貨で)ゲットできるとすれば、日本
国全体として、年間5000億円(0.5兆円)が、不労所得として手に入る
つまり、(1)外国の経済成長、(2)制限付きの少額投資、そして、
(3)日本の人口の母数を頼りとする人海戦術を使った「確率論に基づく
期待値戦略」(➲(2)(3)の少額投資家の大量参加/参入)が中核
と考え、国民の三大義務「教育」「勤労」「納税」に、もう一つ「投資」
を加えて、四大義務と法的根拠を付与させるという政策を次のように肯
定する。
うん、こういう全体主義的政策なら、私は喜んで一口乗らせて頂き
ます。どこぞの国の、抜き打ち徴兵制に比べれば、人道的で穏健な
政策だと思います。
これでは、「選択の自由」を損ない、可処分所得の小さいあるいは、大
企業や官僚などの社会的階層を除く、中小零細企業や民間企業で働く非
正社員などが社会的階層はさらに疎外され格差は縮少されない。つまり、
金融・証券・保険・財務官僚のための"新法"であり、岸田首相の背後の
財務官僚の権益護持するためのデジタル・フォーメイション推進政策と
評されても仕方がない。
さて、ここでは「投資義務化」を背景にある現状分析に視点を変えてみ
ることにする。
GDPは1930年代から1940年代にかけて開発され、国連は各国にGDPを
報告するためのデータ収集を義務づけています。しかし、それ以前
からGDPの考案者であるサイモン・クズネッツ氏はGDPの成長を幸福
度と同一視しないよう警告しています。
GDPは主に市場での取引を測定するものですが、社会的なコストや
環境への影響、所得の不平等を無視しています。そのため、GDPは
実社会には適していないとされているものの、明確な後継となる代
替策がないこともあり、第二次世界大戦後のほぼすべての国家では
GDPの成長を促進することが国家政策の主要な目標であるとされて
います。
一方で研究者たちによって、GDP成長の環境的・社会的影響や所得
格差の影響を推定できるようになり、その後多くの実験によりGDP
の代替となる尺度が生み出されています。
この引用は、「国内総生産(GDP)は国家の成功の誤解を招く尺度なので
別の指標を使うべきという科学者たちからの提案」(GIGAZINE 2022.11.
4)であり、1つとして、国連が2015年にまとめた「持続可能な開発目
標(SDGs)」がある。これらの目標に付随する新たな測定方法の開発は、
不平等が拡大しGDPに代わる成長の指標に以下の3つのグループが挙げ
られている。
1.調整済み経済指標:「真の進歩指標(GPI)」はGDPの主要な構成要素
である個人消費支出に加え、ボランティア活動の価値や離婚、犯罪、
公害などの要因を考慮し、さまざまな計算を行うことで算出される指
標。この指標により間所得や純所得、富を考慮しつつ、環境問題など
も考慮することができる。
2.幸福の主観的尺度:「世界価値観調査(WVS)」は約70カ国を対象に、
「自分の人生にどれだけ満足しているか」などについて質問している。
主観的な幸福度調査は社会の進歩を測る最も適切な指標とされている
が、一方で社会や文化の違いを超えて比較することは難しいと言われ
ている。2006年に発表された「地球幸福度指数(HPI)」では生活満足度
と平均余命を掛け合わせ、それを生態系への影響を表す指標で割るこ
とによって、主観的指標と客観的指標を統合することができるとされ
ている。
3.複合的な幸福指標:より良い暮らし指標(BLI)」は、所得、住居、仕
事、健康、市民生活、安全、生活満足度などのさまざまな変数を組み
合わせた指標。
と、これらの指標を総合的に判断することで、GDPよりもはるかに優れた
指標を構築することができると研究者らの意見が反映してきおり、わた
し(たち)は、1995年ころよりジニ係数を経済指標として「政府の開示
義務化」として主張しはじめているが、これらは欧米諸国をコアとした
<社会福祉主義的な変革項目>と合流するものである。そして、引用文で
は 「GDPの後継についてロバート・コスタンザ氏らは、「生態学、経済
学、心理学、社会学が一体となって持続可能な幸福の確立と測定にどの
ように貢献しているかについての現在の知識を統合した、新しい測定基
準の集合体であるべきです」と結んでいる。
【脚注】
1.関連論文:Development: Time to leave GDP behind ,Nature
2. Robert Costanza(1950.9.14~), Wikipedia
3.より良い暮らし指標(Better Life Index: BLI)について、OECD
4.ジニ係数( Gini coefficient):
この項つづく
Jhon Lennon Imagine
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)
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