極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 59

2024年11月24日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月25日】      

    いまさらに秋桜忘れ冬に入る   高山 宇 (赤鬼

※ そういえば去年より秋桜の印象がなかった。

✳️ 薄膜に生じたシワの大きさを1台のカメラで簡単測定
◇大型宇宙構造物で用いる薄膜の皺を、たった1台のカメラで簡単に測定
    できる方法を提案。

◇撮影した画像から、計測点の移動距離を計算することで、皺の大きさ
   を測定。


大型アンテナなど宇宙空間で使用する大型構造物は、ロケットに搭載して
打ち上げられるが、ロケットが一度に運べる荷物のサイズには限界がある。
そこで、軽量かつコンパクトに収納できる薄膜を用いた構造物の研究が進
んでいる。薄膜はラップほどの厚みしかないため、展開した際に皺などが
簡単に生じ、展開後の薄膜の形状を正確に把握できる計測技術の開発が
求められていた。

大阪公立大学大学院工学研究科の岩佐 貴史教授らの研究グループは、1台
のカメラで撮影した画像から、薄膜全体に生じた皺の大きさを測定する方
法を提案。従来は複数のカメラが必要でしたが、本研究では薄膜に印字し
た計測点がどれだけ移動したかを画像から計算することで、皺の大きさが
簡単に測定できる(図1)。本手法は、カメラの設置スペースに限りのあ
る宇宙構造物での活用が期待する。

【掲載論文】
・【発表雑誌】Measurement
・【論文名】Monitoring thin membranes for wrinkles using single-camera
  photogrammetry
・【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.measurement.2024.116123


⬛ 気候変動でハリケーンの脅威増大
      気候変動の結果、ハリケーン風速は平均29 km / h増

海水温の上昇により、2019年から2023年にかけて大西洋のハリケーンの
最大強度が84%上昇し、2024年のシーズンは100%増加ー30の大西洋のハ
リケーンが、サフィア・シンプソン・ハリケーン風スケールで約1カテゴ
リー高い強度ーに達したとのこと。
現在、2100年までに産業革命前のレ
ベルから2.5°Cから3°Cに達すると予測されているハリケーンは今後数十年
で、大西洋だけでなく世界の海全体でさらに強力で破壊的になると予想さ
れている。一部の専門家は、これらの前例のないスーパーストームの新
しい分類を提案しており、サフィア・シンプソン・スケールに「カテゴリ
ー6」を導入する可能性がある。

「気候変動がハリケーンに与える影響を定量化し、伝えることが急務」と、
インペリアル・カレッジ・ロンドンのグランサム気候変動・環境研究所の
ラルフ・トゥミ博士が話す。「この優れた論文で、Gilford、Giguere、Per-
shingは印象的な新しいフレームワークを提示する。これは、ハリケーン
の最大ポテンシャル強度で理解されいる概念を使用し、これを海面温度の
気候変動フィンガープリントと組み合わせている、ハリケーンの強度を気
候変動を迅速に回帰し提供してくれる」と言う。





⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖     
  リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑪

✳️ 5分で70%充電 NTO負極を用いたリチウムイオン電池
東芝は2ニオブチタン酸化物(NTO)を負極に用いたリチウムイオン電池
開発した。リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)と同等の体積エネル
ギー密度を実現しつつ、超高速充電と長寿命化を両立させた。(11月12日
EETIMES)
東芝は、NTO負極を用いたリチウムイオン電池を2017年に試作。2018年
にはブラジルのCBMMおよび双日と共同開発契約を結び、実用化に向けて
開発を行ってきた。2024年6月より、CBMMが権益を有するブラジル・ミ
ナスジェライス州のアラシャ鉱山で、実証実験を始めている。

開発したNTO負極セルの性能

NTO負極を用いた電池は、原理的にリチウムの析出がなく、急速充電時に
電流値を制御しなくても安全に充電が行え、充放電を繰り返しても劣化が
少ないという特長がある。その上、熱安定性が高いため電池が高温になっ
ても、急速充電が可能である。

粒子間に強固な導電ネットワークを形成する電極製造技術と製造した電極

今回は、NTO負極のNTO粒子の表面にナノレベルの導電剤を均一に分散さ
せ、粒子間に強固な導電ネットワークを形成するための電極製造技術を開
発した。これにより、5分間で約70%の急速充電が可能となった。しかも、
外気温が-30~60℃という過酷な環境下でも超急速充電ができる

開発した技術を適用して容量50Ahの大型電池セルを試作。これを用い循
環バスの運行を模擬したサイクル試験を行い、7000サイクル後でも93%以
上の容量を維持できることを実証。

【関連特許技術】
1. 特開2024-135832 二次電池、電池パック及び車両 株式会社東芝
【要約】下図1のごとく、  実施形態によれば、二次電池が提供される。
二次電池は、水系電解質と、正極と、負極とを含む。正極又は負極のうち
の少なくとも一方の電極は第1結着剤を含む。第1結着剤は、フッ素系
樹脂およびアクリル系樹脂を含むことで、サイクル寿命性能に優れた二
次電池、この二次電池を含む電池パック、並びにこの電池パックを含む
車両を提供することを目的とする。

図1. 二次電池の一例を概略的に示す断面図
【符号の説明】  1…電極群、2…外装部材、3…負極、3a…負極集電体
、3b…負極活物質含有層、3c…負極集電タブ、4…セパレータ、5…
正極、5a…正極集電体、5b…正極活物質含有層、6…負極端子、7…
正極端子、21…バスバー、22…正極側リード、22a…他端、23…
負極側リード、23a…他端、24…粘着テープ、31…収容容器、32
…蓋、33…保護シート、34…プリント配線基板、35…配線、40…
車両本体、41…車両用電源、42…電気制御装置、43…外部端子、
44…インバータ、45…駆動モータ、100…二次電池、200…組電
池、200a…組電池、200b…組電池、200c…組電池、300…
電池パック、300a…電池パック、300b…電池パック、300c…
電池パック、301a…組電池監視装置、301b…組電池監視装置、
301c…組電池監視装置、342…正極側コネクタ、343…負極側コ
ネクタ、345…サーミスタ、346…保護回路、342a…配線、343a
…配線、350…通電用の外部端子、352…正側端子、353…負側端
子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400…車両、
411…電池管理装置、412…通信バス、413…正極端子、414…
負極端子、415…スイッチ装置、416…電流検出部、417…負極入
力端子、418…正極入力端子、L1…接続ライン、L2…接続ライン、
W…駆動輪。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水系電解質と、正極と、負極とを含み、
前記正極又は前記負極のうちの少なくとも一方の電極は第1結着剤を含み、
前記第1結着剤は、フッ素系樹脂およびアクリル系樹脂を含む、二次電池。
【請求項2】
  前記第1結着剤は、下記(1)式を満たす、
  0.01≦A/(A+A+2A)≦0.95    (1)
  但し、前記Aは酸素原子の量であり、前記Aはフッ素原子の量であ
り、前記Aは窒素原子の量であり、A+A>0、A>0である、
請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
  前記アクリル系樹脂は、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル
及びアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1種を含む重
合体である、請求項1記載の二次電池。
【請求項4】
  前記電極の表面のX線光電子分光スペクトルは、292eV以上294
eV以下の範囲内にピークを有する、請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
  前記フッ素系樹脂は、フッ化ビニリデンを含む重合体である、請求項1
記載の二次電池。
【請求項6】
  前記電極の表面のX線光電子分光スペクトルは、398eV以上402
eV以下の範囲内にピークを有する、請求項1記載の二次電池。
【請求項7】
  前記電極の表面のX線光電子分光スペクトルは、168eV以上173
eV以下の範囲内にピークを有する、請求項1記載の二次電池。
【請求項8】
  前記水系電解質は、Zn、Sn及びPbからなる群より選択される少な
くとも一つの元素を含む塩、アミド化合物及び有機硫黄化合物からなる群
より選択される少なくとも1つを含む、請求項1記載の二次電池。
【請求項9】
  前記負極は、負極結着剤として前記第1結着剤を含み、
前記負極の表面は、シアネート類、硫酸塩類、金属亜鉛、金属スズ、金属
鉛、フッ化リチウム、酸化リチウム、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛からなる群
より選択される少なくとも1つを含む、請求項1記載の二次電池。
【請求項10】
  前記正極は、リチウムマンガン複合酸化物、オリビン構造を有するリチ
ウムリン酸化物及びリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からな
る群より選択される少なくとも1つの正極活物質と、
正極結着剤として前記第1結着剤とを含む、請求項1記載の二次電池。
【請求項11】
  前記負極は、スピネル構造を有するチタン酸リチウム及び単斜晶型ニオ
ブチタン酸化物
からなる群より選択される少なくとも1つの負極活物質と、
負極結着剤として前記第1結着剤とを含む、請求項1記載の二次電池。
【請求項12】
  請求項1に記載の二次電池を含む電池パック。
【請求項13】
  通電用の外部端子と、  保護回路とを更に含む請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
  複数の前記二次電池を含み、  前記二次電池が、直列、並列、又は直列及
び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
  請求項12に記載の電池パックを搭載した車両。
【請求項16】
  前記車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含む請求
項15に記載の車両。


【発明の効果】 
 (第1の実施形態)水系電解質を含む二次電池においては、水系電解質
中の水の電気分解が副反応として生じ得る。そのため、水系電解質の劣
化が生じ得る
【0014】 例えば、リチウムイオン二次電池において水の電気分解が
生じると、負極においてリチウムイオンの挿入と水素の発生とが競合す
るため、正極から放出されたリチウムイオンが電池反応に寄与しなくなり
得る。また、負極における水素発生時には、同時に負極からリチウムイオ
ンが脱離し得る。したがって、水の電気分解が生じると、負極及び正極の
両方からリチウムイオンが消費されるため、充放電に利用できるリチウム
イオンの量が減少し得る。その結果、充放電サイクルに伴って電池容量の
劣化が生じ得る。
【0015】また、副反応においては、例えば水系電解質の分解産物とし
て固体成分が生成し得る。これらの固体成分は、例えば電極上に堆積し
得るため、抵抗上昇の要因となり得る。
【0017】第1の実施形態によると、二次電池が提供される。二次電
池は、水系電解質と、正極と、負極とを含む。正極又は負極のうちの少な
くとも一方の電極は第1結着剤を含む。第1結着剤は、フッ素系樹脂およ
びアクリル系樹脂を含む。
【0018】アクリル系樹脂は、活物質粒子への被覆性が高い。そのため
、電極中の活物質と、水系電解質中の水との接触を抑制できる。
【0019】フッ素系樹脂は、疎水性が高い。そのため、電極中の活物質
と、水系電解質中の水との接触を抑制できるため、副反応を抑制できる。
したがって、サイクル寿命性能の向上に寄与する。
【0020】フッ素系樹脂は疎水性が高いため、フッ素系樹脂の分子同士
で凝集しやすい。その結果、例えば、フィブリル化しやすい。フィブリル
化したフッ素系樹脂は、粒子形状の活物質(活物質粒子)への被覆性が低
くなり得る。そのため、フッ素系樹脂単独で活物質粒子への被覆性を向
上するのは困難である
【0021】アクリル系樹脂とフッ素系樹脂は互いに相溶性を有し得る
ため、これらを混合して第1結着剤として用いることができる。
【0022】第1結着剤は、活物質粒子への被覆性が高いアクリル系樹脂
と、疎水性が高いフッ素系樹脂とを含む。したがって、第1結着剤は、非
水電解質電池と比較して水の電気分解が発生しやすい水系電解質電池にお
いても、副反応を抑制するために十分な被覆性及び疎水性を確保すること
ができる。その結果、サイクル寿命性能をさらに向上できる
【0024】係る二次電池において、正極又は負極のうちの少なくとも一
方の電極は、第1結着剤を含む。当該電極は、集電体と、集電体上に形成
された活物質含有層とを含むことができる。活物質含有層は、活物質と、
第1結着剤とを含む。活物質は、例えば粒子形状の活物質粒子であり得
る。電極は、さらに被膜を含むことができる。被膜は、活物質含有層に
含まれ得る。
【0025】第1結着剤は、活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆し
得る。よって、活物質と水系電解質との接触を抑制できるため、副反応を
抑制できる。したがって、サイクル寿命性能の向上に寄与する。
【0026】第1結着剤は、0.01≦A/(A+A+2A)≦
0.95を満たすことが好ましい。但し、Aは酸素原子の量であり、A
はフッ素原子の量であり、Aは窒素原子の量である。A+A>0、
>0である。
【0027】第1結着剤は、酸素原子及びフッ素原子を含み得る。酸素原
子は、例えば、第1結着剤中のアクリル系樹脂に含まれ得る。フッ素原子
は、例えば、第1結着剤中のフッ素系樹脂に含まれ得る。第1結着剤は、
窒素原子をさらに含んでもよい。窒素原子は、例えば、アクリロニトリル
等のアクリル系樹脂に含まれ得る。
【0028】第1結着剤は、第1結着剤に含まれる酸素原子の量A、フ
ッ素原子の量A及び窒素原子の量Aが、0.01≦A/(A+A
+2A)≦0.95を満たすことが好ましい。A+A>0を満たす
限り、A又はAは、0であってもよい。すなわち、第1結着剤は、酸
素原子及び窒素原子のうちいずれか一方を含んでいなくてもよい
【0029】 第1結着剤中のアクリル系樹脂の割合が多い場合、又は、
フッ素系樹脂の割合が少ない場合に、A/(A+A+2A)の値
が小さくなり得る。第1結着剤に対するアクリル系樹脂の割合が多くなる
ほど、又は、フッ素系樹脂の割合が少なくなるほど、活物質粒子への第1
結着剤の被覆率を高くできる傾向にある。そのため、A/(A+A
+2A)は0.95以下であることが好ましく、0.8以下であるこ
とが特に好ましい。
【0031】 0.01≦A/(A+A+2A)≦0.95を満た
すとき、第1結着剤に対するアクリル系樹脂の割合が5質量%以上70質
量%以下であるときの原子数比を満足し得るため、好ましい。第1結着剤
に対するアクリル系樹脂の割合が5質量%以上であると、活物質粒子への
第1結着剤の被覆率を高くできる。70質量%以下であると十分な疎水
性を担保でき、また電極の柔軟性を保つことができる。電極が柔軟であ
ると、充放電サイクルに伴う電極の膨張収縮に起因する電極の割れを抑
制できる。そのため、抵抗上昇の悪影響を抑制できる。第1結着剤に対
するアクリル系樹脂の割合は、15質量%以上45質量%以下の範囲内
であることがより好ましい。
0032】アクリル系樹脂は、アクリル酸エステル、メタアクリル酸
エステル及びアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1
種を含む重合体であり得る。アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル及びアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1種は、
例えば、モノマーとして重合体に含まれ得る。重合体が含むモノマーの
種類は、1種又は2種以上にすることができる。重合体は、1種のモノ
マーからなるポリマーであってもよく、又は2種以上のモノマーを含む
コポリマー(共重合体)であってもよい。上記重合体の具体例には、アク
リル酸エステルポリマー、メタアクリル酸エステルポリマー及びアクリロ
ニトリルポリマー、およびこれらの共重合体を挙げることができる。アク
リル系樹脂の種類は、1種又は2種以上にすることができる。
【0033】アクリル系樹脂は、上記のうち、特にメタアクリル酸エス
テルポリマーを含むことがフッ素系樹脂との相溶性の観点から好ましい。
【0034】フーリエ変換赤外分光(FT-IR)測定における、本実
施形態にかかる二次電池が備える電極の表面の赤外吸収スペクトルは、
1710cm-1以上1740cm-1以下の範囲内に吸収ピークを有し
得、かつ、1120cm-1以上1160cm-1の範囲内に吸収ピーク
を有し得る。
【0035】赤外吸収スペクトルにおける、1710cm-1以上174
0cm-1以下の範囲内の吸収ピークは、C=O結合に帰属される。11
20cm-1以上1160cm-1の範囲内の吸収ピークは、C-O結合
に帰属される。これらの結合は、カルボン酸エステルに帰属され得る。
カルボン酸エステルの例には、アクリル系樹脂が含まれる。アクリル系
樹脂を含む電極の表面の赤外吸収スペクトルは、上記のような吸収ピー
クを有し得る。
【0037】アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを含む重合
体を含む電極の表面の赤外吸収スペクトルは、例えば、A2900/A2000
≧2、A1725/A2000≧4及びA1145/A2000≧4を満たし得
る。ここで、Aλは、赤外吸収スペクトルにおいて、λcm-1における吸
光度(Absorbance)を指す。
【0038】本実施形態にかかる二次電池が備える電極の表面の赤外吸収
スペクトルは1800cm-1以上2500cm-1以下の範囲にわたっ
て吸光度が低くなり得るため、当該赤外吸収スペクトルにおいて、ピーク
は、例えば、以下のように定義できる。A2900/A2000≧2を満た
す赤外吸収スペクトルは、2800cm-1以上3000cm-1以下の
範囲内にピークを有するということができる。A1725/A2000
4を満たす赤外吸収スペクトルは、1710cm-1以上1740cm-1
以下の範囲内にピークを有するということができる。A1145/A2000
≧4を満たす赤外吸収スペクトルは、1120cm-1以上1160cm-1
以下の範囲内にピークを有するということができる。
【0042】第1結着剤に対するフッ素系樹脂の割合は、30質量%以
上95質量%以下の範囲内であることが好ましい。30質量%以上であ
ると十分な疎水性を担保でき、また電極の柔軟性を保つことができるため、
抵抗上昇の悪影響を抑制できる。95質量%以下であると、活物質粒子へ
の第1結着剤の被覆率を高くできる。フッ素系樹脂の割合は、55質量%
以上85質量%以下の範囲内であることがより好ましい。
【0044】本実施形態にかかる二次電池が備える電極の表面のX線光
電子分光(X-ray photoelectron spectroscopy;XPS)スペクトルは、
292eV以上294eV以下の範囲内にピークを有し得る。この範囲内
に現れるピークは、C-F結合に帰属される吸収ピークである。C-F結
合は、フッ素系樹脂に帰属され得る。フッ素系樹脂を含む電極の表面の
XPSスペクトルは、上記のピークを有し得る。
【0045】  電極は、さらに被膜を含むことが好ましい。被膜の形態は
、特に制限されない。被膜は、電極の表面に形成されていてもよく、活
物質含有層の内部に形成されてもよい。これらの場合を総じて、電極が被
膜を含むという。被膜は、電極表面に露出し得る。電極表面は、活物質含
有層の主面のうち、集電体と接していない側の面を指す。被膜は、例えば、
活物質粒子表面の少なくとも一部を被覆する第1結着剤の外側に、形成さ
れ得る。被膜は、活物質粒子表面のうち、第1結着剤によって被覆されて
いない部分を被覆し得る。したがって、電極が第1結着剤に加えて被膜を
さらに含む場合、活物質と水系電解質との接触をさらに抑制できるため、
副反応を抑制できる。
0048】  シアネート類及び硫酸塩類は、水系電解質電池内において
安定に存在できる。また、リチウムイオン伝導性に優れる。そのため、副
反応抑制効果が高く、かつ、抵抗を低く保つことができる。
【0051】  金属亜鉛、金属スズ、金属鉛、フッ化リチウム、酸化リチ
ウム、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛は、水素過電圧が高い。よって、上記のう
ち少なくとも1つの物質を含有する被膜を含む電極は、水の電気分解を抑
制できる。そのため、水素発生を抑制して負極におけるリチウムイオン
の吸蔵放出を円滑にできる。従って、二次電池のサイクル寿命性能を高
めることができる。金属亜鉛、金属スズ、金属鉛、フッ化リチウム、酸
化リチウム、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛からなる群より選択される少なく
とも1つを含む被膜は、正極及び負極のうち、負極に形成されていること
がより好ましい。
【0053】金属亜鉛を含有する被膜は、酸化亜鉛又は水酸化亜鉛を同時
に含有し得る。酸化亜鉛は、例えば、金属亜鉛の表面が酸化されることに
よって生じ得る。

  1)負極
  負極は、負極集電体と、負極活物質含有層とを含むことができる。負極
活物質含有層は、負極集電体の片面又は両面に形成され得る。負極活物質
含有層は、負極活物質と、任意に導電剤及び負極結着剤とを含むことがで
きる。負極は、被膜をさらに含んでもよい。
【0068】負極活物質含有層は、先に説明した第1結着剤を負極結着剤
として含み得る。すなわち、負極は、先に説明した電極であり得る。負極
が先に説明した電極である場合、負極集電体、負極活物質含有層、負極
物質及び負極結着剤は、それぞれ、先に説明した集電体、活物質含有層、
活物質及び第1結着剤であり得る。
【0069】当該負極と組み合わせる正極が第1結着剤を含む場合、当該
負極は、第1結着剤を含まなくてもよい。
【0070】負極活物質の例には、例えば、ラムスデライト構造を有する
チタン酸リチウム(例えばLi2+yTi37、0≦y≦3)、スピネル構
を有するチタン酸リチウム(例えば、Li4+xTi512、0≦x≦3)
、二酸化チタン(TiO2)、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸
化チタン、五酸化ニオブ(Nb25)、ホランダイト型チタン複合酸化物、
直方晶型(orthorhombic)チタン複合酸化物、及び単斜晶型ニオブチタ
ン酸化物
が挙げられる。
【0071】上記直方晶型チタン含有複合酸化物の例として、Li2+a
2-bTi6-cIId14+σで表される化合物が挙げられる。ここで、M
、Sr,Ba,Ca,Mg,Na,Cs,Rb及びKからなる群より選択
される少なくとも1つである。MIIはZr,Sn,V,Nb,Ta,Mo
,W,Y,Fe,Co,Cr,Mn,Ni,及びAlからなる群より選択
される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦a≦6、
0≦b<2、0≦c<6、0≦d<6、-0.5≦σ≦0.5である。直方
晶型チタン含有複合酸化物の具体例として、Li2+aNa2Ti614(0
≦a≦6)が挙げられる
【0072】上記単斜晶型ニオブチタン酸化物の例として、LixTi1-y
M1yNb2-zM2z7+δで表される化合物が挙げられる
。ここで、M1は、
Zr,Si,及びSnからなる群より選択される少なくとも1つである。
M2は、V,Ta,及びBiからなる群より選択される少なくとも1つで
ある。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<
2、-0.3≦δ≦0.3である。単斜晶型ニオブチタン酸化物の具体例
として、LixNb2TiO7(0≦x≦5)が挙げられる
【0073】  単斜晶型ニオブチタン酸化物の他の例として、LixTi1-y
M3y+zNb2-z7-δで表される化合物が挙げられる。ここで、M3は、Mg,
Fe,Ni,Co,W,Ta,及びMoより選択される少なくとも1つで
ある。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<
2、-0.3≦δ≦0.3である。
【0074】負極活物質は、例えば、粒子形状であり得る。負極活物質
は、一次粒子の形態であってもよく、一次粒子が凝集した二次粒子の形
態であってもよく、又は一次粒子と二次粒子が混合されていてもよい。
【0075】負極活物質粒子の平均粒子径は、5μm以下であると好ま
しい
。負極活物質粒子の平均粒子径は、0.5μm以上5μm以下の範囲
内であると、より好ましい。平均粒子径が5μm以下である負極活物質
粒子を用いることで、リチウムイオンの固体内拡散抵抗を十分に下げる
ことができるため、出力性能を向上できる。負極活物質粒子の平均粒子
径が0.5μm未満であると、負極活物質粒子と水系電解質との接触によ
る副反応を抑制するために過剰量の樹脂を加える必要があり、抵抗上昇
の観点で不利である。
【0076】 導電剤は、集電性能を高め、且つ、負極活物質と負極集電
体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長
カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブ
ラックなどのカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ及びカー
ボンナノファイバーのような炭素質物が含まれる。これらの1つを導電剤
として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導電剤として用い
てもよい。あるいは、導電剤を用いる代わりに、負極活物質粒子の表面に、
炭素コートや電子導電性無機材料コートを施してもよい。
0077】負極結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋め、また、
負極活物質と負極集電体を結着させるために配合される。
負極結着剤は、
先に説明した第1結着剤を含むことができる。負極結着剤は、第1結着
剤以外の他の結着剤を含んでもよい。負極結着剤は、先に説明した第1
結着剤のみからなってもよく、第1結着剤と他の結着剤との混合物であっ
てもよく、他の結着剤のみからなってもよい。他の結着剤として、前述
のフッ素系樹脂又はアクリル系樹脂を単独で用いてもよい。
【0079】負極活物質含有層中の負極活物質、導電剤及び負極結着剤
配合割合は、適宜変更することができる。例えば負極活物質、導電剤
及び負極結着剤を、それぞれ、68質量%以上96質量%以下、2質量
%以上30質量%以下及び2質量%以上30質量%以下の割合で配合す
ることが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極
活物質含有層の集電性能を向上させることができる。また、負極結着剤
の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質含有層と負極集電体
との結着性が十分となり、優れたサイクル性能を期待できる。一方、導
電剤及び負極結着剤はそれぞれ30質量%以下にすることが高容量化を
図る上で好ましい。

2)正極

 正極は、正極集電体と、正極活物質含有層とを含むことができる。正極
活物質含有層は、正極集電体の片面又は両面に形成され得る。正極活物質
含有層は、正極活物質と、任意に導電剤及び正極結着剤とを含むことが
できる。正極は、被膜をさらに含んでもよい。
【0095】正極活物質含有層は、先に説明した第1結着剤を正極結着
剤として含み得る。すなわち、正極は、先に説明した電極であり得る。
正極が先に説明した電極である場合、正極集電体、正極活物質含有層、
正極活物質及び正極結着剤は、それぞれ、先に説明した集電体、活物質
含有層、活物質及び第1結着剤であり得る。
【0096】当該正極と組み合わせる負極が第1結着剤を含む場合、当該
正極は、第1結着剤を含まなくてもよい。
【0097】正極活物質としては、例えば、酸化物又は硫化物を用いるこ
とができる。正極は、正極活物質として、1種類の化合物を単独で含ん
でいてもよく、或いは2種類以上の化合物を組み合わせて含んでいてもよ
い。酸化物及び硫化物の例には、Li又はLiイオンを挿入及び脱離させ
ることができる化合物を挙げることができる。
【0098】このような化合物としては、例えば、二酸化マンガン(Mn
2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(
例えばLixMn24又はLixMnO2;0<x≦1)、リチウムニッケル
複合酸化物(例えばLixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合
酸化物(例えばLixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複
合酸化物(例えばLixNi1-yCoy2;0<x≦1、0<y<1)、リチ
ウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-y2;0<x≦
1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合
酸化物(例えばLixMn2-yNiy4;0<x≦1、0<y<2)、オリ
ビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4;0<x
≦1、LixFe1-yMnyPO4;0<x≦1、0<y≦1、LixCoPO4
0<x≦1)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2
5)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi
1-y-zCoyMnz2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)
が含まれる。
                          この項つづく

   懐かしい青春の音楽
       ふきのとう/小春日和 (1976年)





人間の未来 AIの未来 講談社(2018/02発売)

まえがきにかえて 羽生善治から山中伸弥さんへ
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第3章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
あとがきにかえて 山中伸弥から羽生善治さんへ
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人間の未来AIの未来』連載第4回
アメリカでは「パテント・トロール」と言って、他人から特許を買い集
めて、その特許を侵害していると目をつけた相手から巨額の賠償金やラ
イセンス料を得ようとする人たちが問題になったがそれは生命科学の世
界では起こっていなのかと羽生が尋ね、あります。そういうことを得意
としている会社もあり、防衛的にパテントを出願せざるを得ないと答え
iPS細胞は基本的な技術。それをプラットフォームにして、いろいろなア
プリケーションを開発することが可能。だからiPS細胞そのものを開発し
た僕たちからすると、できるだけ制約なく、できるだけ多くの人にその
技術を使ってもらいたいと吐露する。実際、2017年、富士フィルムに細
胞の開発・製造の特許料を下げるよう要請している。企業は収益を上げ
る目的が優先されますから。新たに開発された薬や医療は異常に高額で、
中には患者さん1人に1億円かかるものもあり、世界的な脅威となると話
す。つまり、以前、マイクロソフトはどんどんOSを公開して、アップル
は閉鎖的でした。どちらがよかったのかはわからないが、基本的に基盤
部分はオープンにするのが世の流れになっている。生命科学の分野でも、
根本的な技術はできるだけ囲い込まずにやることが、研究の進展にとっ
ては非常に大切だと思いると。
                          この項つづく
 今日の言葉:

1277夜 『変貌する民主主義』 森政稔 − 松岡正剛の千夜千冊

まずは1989年にベルリンの壁が崩れると、ソ連が解体して米ソ対決
型の冷戦の構図にピリオドが打たれ、「社会主義体制vs民主主義体制」
あるいは「社会主義体制vs自由主義諸国」という図式に、意味も力もな
くなってきた。それまでは共産主義・社会主義国のサイドからみれば、民
主主義体制は労働者の生活の立場を欠いた「ブルジョワ民主主義」という
もので、真の「民主集中」をはたしているのは社会主義国のほうだという
ことになっていた。
そのため米ソ対立時代では、自由主義諸国のなかですら、その民主主義
のシナリオは「反共の民主主義」というふうにも意図されていた。実際
にも、冷戦時代の民主主義陣営の多くは「反共の砦」だったのである。と
りわけケネディとフルシチョフが鎬を削ったキューバ危機のころが、その
頂点だった。ベトナム戦争の真の要因も、南ベトナムを「北」に対する「
「反共の砦」にするための無謀の戦争で、戦後日本もアメリカにとっては
「反共の砦」だったのである。

 『変貌する民主主義』 森政稔 - 千夜千冊
1277夜 世走篇 2008年12月29日 ②
                          この項つづく

 

 

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