NAO日和

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<12月の鑑賞予定映画>

「はたらく細胞」「聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~」「私にふさわしいホテル」

「源氏物語 千年の謎」

2011年12月27日 | あ~か行の映画

~千年の時を超え、今、「源氏物語」の秘密が明かされる~

2011年   日本映画   (11.12.10公開)
配給:東宝             上映時間:136分
製作総指揮:角川歴彦
監督:鶴橋康夫
原作:高山由紀子        「源氏物語 千年の謎」(角川文庫)
脚本:川崎いづみ 高山由紀子
音楽:住友紀人          衣裳デザイン:宮本まさ江
出演:生田斗真/中谷美紀/窪塚洋介/東山紀之/真木よう子/多部未華子/芦名 星 
  蓮佛美沙子/室井 滋/田中麗奈/榎木孝明/甲本雅裕/尾上松也/東儀秀樹
   佐久間良子(特別出演)

<見どころ>
日本が世界に誇る傑作長編小説「源氏物語」誕生の秘密に、斬新な解釈で迫る歴史スペクタクル。
作者である紫式部が生きる現実と、光源氏らが生きる物語の世界が時空を超えて重なっていく
さまを描き出す。監督は、『愛の流刑地』の鶴橋康夫。紫式部を中谷美紀が熱演するほか、
光源氏役に『人間失格』の生田斗真、式部が思いを寄せる藤原道長役に東山紀之と、豪華キャストが
ミステリアスな王朝絵巻を彩る。

<ストーリー>
平安時代、娘が帝の子を産むことを望む関白・藤原道長(東山紀之)は、紫式部(中谷美紀)に
ある命を下す。そこで彼女は、絶世の美男・光源氏(生田斗真)と彼を取り巻く宮中の女性たちの
物語を執筆することに。やがて、源氏を愛するあまり生き霊になってしまった女性の情念と、
道長への思いを秘めて執筆に打ち込む式部の心が重なり……。

<感想>
大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読破したおかげで、高校の古典成績が良くなったせいか?
「源氏物語」関係には、けっこう敏感に反応してしまいます。
というわけで、公開早々、ひっどい声にも関わらず行った次第。

映画は、源氏物語の作者:紫式部の現実の世界と、物語の主人公:光源氏の架空の世界を
交差する進み方になっています。

というわけで、源氏物語本来の話は少し薄まった形となっています。

登場してくる女性も、初期段階でも相当いますのに、本編では 桐壺の更衣・藤壺の宮、
葵の上、夕顔、六条の御息所、あとおまけ?に弘徽殿の女御、ぐらいしか登場しません。
  
みなさん美しいのですが、なんだかなぁ~私の思いいれが強いのか?合ってなくない?
藤壺(桐壺)は光源氏の永遠の人なのですが、真木よう子さんが藤壺の印象にどうも合わない。
葵の上は、源氏より姉さん女房の設定でプライドの「高い女性なんだけど、多部さんは
そんな感じが一つも感じられず・・・。夕顔ももっと儚げな感じなんだけどな。。。。

そんな中、六条御息所を演じた田中麗奈さんは、最初「ミスキャストじゃん」と思ってたのが
意外や意外。切れ長の目が実に功を奏して、いい感じ。彼女、これで演技の幅広げたかかな?って感。

生霊となっていくさまは、ある意味ホラーぽかったけど。。。 彼女の演技は見どころの一つ。

「源氏物語」はどにかく謎の多い作品。いろんな説がありますが、この映画では藤原道長がモデルという
設定になっています。なるほど、当時時の権力者だったですものね。
式部が彰子に仕えていたから、冒頭あ~んなことになってもイヤとはいえないかも?

この作品のポイントは、「紫」。紫の衣装を着ていたのは、紫式部・藤壺・六条御息所です。
これをポイントにしてみると、式部が、自分の思いを藤壺・六条に入れていたのだな~というのがわかります。

現実・架空の世界をいったりきたりの話なので当然物語が進むわけでもなく、須磨へ流される以前の
ほんの元のところしかないので、原作ファンにとっては不満の残るところ。
源氏物語を期待して行くべきではない、と思いますね。
若紫・朧月夜が出てこないんだもん~つまんないよぉ~。
須磨がないから明石の御方も当然出てこないしさ。

生田斗真くんの光源氏は、なかなか良かった。
それ以上に良かったのは、東山くんの藤原道長。ピッタリでしたね。
逆に阿倍清明を演じた窪塚くんは、どこまでも窪塚くんだった・・・・・てか、清明が出る必要あったのか?
中谷さんの演技は、安心して見られました。時折見せる謎めいた笑顔が印象的です。

源氏物語というには、いささか「?」なとこですが、「源氏物語読んでみようかな?」と思わせてくれる作品。
そういう意味では合格だと思います。これで古典に興味を持ってくれる人が増えるといいですよね。
あと、絢爛豪華な衣装も見もの。絢爛豪華な世界に酔いしれます。

そうそう、劇中、どっかで見覚えのある景色だわ~~と思って、EDで確認したら、やっぱビンゴ。
実家のある彦根城下にある、「玄宮園」がロケに使われていました。
 ←龍臥橋(りゅうがばし)
藤壺と源氏が初めて合うシーンで使われています。 映画では赤い橋でしたが、実際は赤じゃないですよ。
どうも映画用に塗ったらしいです(すげー)。終わった後、元に戻したそうですが、すごっ・・。
今度帰省するので、名残がないかチェックしてみます。

というわけで、「なにが千年の謎?」とつっこみたい作品ですが、田中麗奈さんの演技と絢爛豪華な
世界はなかなか見ごたえある作品。 どっちかというと、女性好みの映画でしょうかね。

点数:7点 (10点満点)

コメント (4)
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