<12月の鑑賞予定映画>
~「生きて還る~」 勇気だけが彼の希望となった~
2013年 アメリカ映画 (2013.11.29公開)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 上映時間:134分
監督:ポール・グリーングラス
原作:リチャード・フィリップス 『キャプテンの責務』(早川書房刊)
脚本:ビリー・レイ
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:トム・ハンクス/バーカッド・アブディ/バーカッド・アブディラマン/ファイサル・アメッド
マハト・M・アリ/マイケル・チャーナス/コーリイ・ジョンソン/マックス・マーティーニ
クリス・マルケイ/ユル・ヴァスケス/デヴィッド・ウォーショフスキー
<見どころ>
2009年のソマリア海域人質事件をテーマに、海賊に拉致されたコンテナ船船長をトム・ハンクスが
演じたドラマ。船員の救出と引き換えに4日間にわたって海賊の人質となった船長の運命と、
海軍特殊部隊ネイビーシールズによる救出作戦を、緊張感あふれる演出で活写する。
原作は、船長リチャード・フィリップスが著したノンフィクション。
『ボーン』シリーズや『ユナイテッド93』などのポール・グリーングラス監督が映画化した。
船長としての誇りと拘束された恐怖を体現するトム・ハンクスの熱演と、リアルで迫力ある救出劇が
見どころ。
<ストーリー>
2009年4月、ソマリア海域を航海中のコンテナ船、マークス・アラバマ号を海賊が襲撃。
武器を所持していた4人の海賊に、武装していなかったアラバマ号はあっという間に
占拠されてしまう。船長のリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は、20人の乗組員を
自由にしてもらう代わりに自らが海賊の人質となり……。
<感想>
これ実話だったんですね・・・・・・ちっとも知りませんでした。 (しかもつい最近の話なのね)
予告編では、けっこうドラマテイックなストーリーになってましたが、実際に本編を見ると
ドキュメンタリー調の淡々とした展開で、緊迫した空気が最後まで保たれていた作品に
なっていました。 「アルゴ」を観た時のように、上映後どっと疲れちゃいまいましたが^^;
聞いたところによると、海賊を演じた俳優さんは、ソマリア人から選んだそうで。
テレビ番組のランキングで観ましたが、治安の悪さは世界のワースト3にソマリアは
入っているそうです。治安が悪すぎて海賊行為に及ぶのでしょうが、にしても海賊が
ヒタヒタと船を狙っていく様は、怖かったです。またリアルさを出すために、トム・ハンクスと
海賊たちは、撮影が初対面だったそうです。
それにしても、トム・ハンクスの演技は素晴らしかったです。
印象に残るのは、最後救出された後、救護室で呆然自失となってパニック状態になるシーン。
そして、膠着状態が最高潮に達した時にいろんな思いを叫ぶシーン。
もぅリアルすぎて、目が釘づけでした。
それにしても、船長は相当頭のキレる方ですね。
船での心理戦もそうでしたが、人質になって救命ボートに乗ってからの心理戦の攻防は
手に汗握ります。私だったら、全然読めなくてとっくに撃ち殺されてるかも・・・。
船長は助かったが、犯人とはいえ、あれだけ救命ボートでお互い長くいると
ちょっとは情がうつるというもの。目の前で全員射殺され、助かったとはいえ後味の
悪い終わり方になってます。ソマリアのただの漁師が、なぜに海賊行為に及んでしまうのか
国の背景も見え隠れし、なかなか考えさせられる映画でもありました。
トム・ハンクス、これでアカデミー賞とっちゃうかも?ですかね。
点数:10点 (10点中)