<12月の鑑賞予定映画>
~死ぬほどの恋。ヤバすぎる実話~
2019年 日本映画 R15+指定 (2019.09.13公開)
配給:松竹/アスミック・エース 上映時間:120分
監督:蜷川実花
脚本:早船歌江子
美術:enzo
音楽:三宅純
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ
『カナリヤ鳴く空 feat.チバユウスケ』
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
出演:小栗旬/宮沢りえ/沢尻エリカ/二階堂ふみ/成田凌/千葉雄大
瀬戸康史/高良健吾/藤原竜也/壇蜜/木下隆行/近藤芳正
<見どころ>
「走れメロス」「斜陽」などで知られる作家・太宰治の「人間失格」誕生に
迫るドラマ。写真家で『ヘルタースケルター』などの監督を務めた蜷川実花が
メガホンを取り、酒と女に溺れながらも圧倒的な魅力を持つ男の生涯と、太宰を
めぐる正妻と2人の愛人との恋模様を描く。太宰には小栗旬がふんし、役作りのため
大幅な減量を行った。太宰の正妻を宮沢りえ、愛人を沢尻エリカと二階堂ふみが演じる。
<ストーリー>
ベストセラーを連発する人気作家の太宰治(小栗旬)は、妻子がいながら
作家志望の弟子・太田静子(沢尻エリカ)、夫を亡くした山崎富栄(二階堂ふみ)
とも関係を持ち、さらに自殺未遂を繰り返すという型破りな生活を送っていた。
そして太宰は、二人の愛人から子供がほしいと迫られる中、夫の才能を信じる
妻・美知子(宮沢りえ)に支えられ、「人間に失格した男」をめぐる新作の執筆に
取り掛かる。
<感想>
太宰治の代表作、「人間失格」ができるまでの お話。
今回も蜷川ワールド全開ですが、史実を交えながらのお話はなかなか見ごたえ
ありました。太宰治は、何回もいろんな女性と自殺未遂を起こしています。
あれだけ不倫しまくって、自殺未遂ばかりして、遠目からみたらほんと
クズっぷり極まりないのですが、女性に言い寄られると「NO」と言えない
優しさ?優柔不断さ?が母性本能をくすぐるのでしょうかね。
映画で時々聖母マリアの絵が登場していましたが、太宰は女性に
聖母のようなものを求めていたのかな?とも感じました。
映画ではふれていませんでしたが、長男・正樹はダウン症の子が演じてましたが
実際にダウン症で若くして亡くなっていますし、税務署から
多額の納税通知書が届くシーンがありましたが、これも事実だそうです。
最後、美知子宛の遺書に「誰よりも愛してゐました」と書かれていたのは納得。
一番の理解者でよきパートナーだったのは美知子さんだと思いたいです。
主演の小栗旬さんをはじめ、宮沢りえさん、二階堂ふみさんの演技
素晴らしかったです。沢尻エリカさんは可愛らしかったが少しぬぎっぷりが
おとなしいように感じました。これも演出なら仕方ないことですが、
二階堂さんが潔かったので、余計に物足りないなぁ・・と感じるところです。
これを見た後、松たか子さん主演の「ヴィヨンの妻」をもう一度見たくなりましたし
静子が書いた「斜陽日記」を読みたくなりました。
そうそう、調べたら、静子は滋賀県愛知川生まれだそう。
私の母と同郷だったのに一番驚きました(笑)
蜷川作品は好き嫌い分かれますが、今回私はすんなり観られました。
点数:7点 (10点中)