<3月の鑑賞予定映画>
~魂が、泣く~
2021年 日本映画 (2021.10.01公開)
配給:松竹 上映時間:134分
監督:瀬々敬久
原作:中村七里
脚本:林民夫
美術:松尾文子
音楽:村松崇
主題歌:桑田佳祐
出演:佐藤健/清原果耶/林遣都/永山瑛太/緒方直人/岩松了/波岡一喜
奥貫薫/井之脇海/宇野祥平/黒田大輔/西田尚美/千原せいじ
原日出子/鶴見辰吾/三宅裕司/吉岡秀隆/倍賞美津子/阿部寛
<見どころ>
映像化もされた「さよならドビュッシー」などの中山七里の小説を原作にした
ミステリードラマ。宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった青年と、
彼を追う刑事の姿から日本社会が抱える格差の実態を浮き彫りにする。監督は
『楽園』などの瀬々敬久。『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健、
『のみとり侍』などの阿部寛のほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、
林遣都らが出演する。
<ストーリー>
東日本大震災から9年が経った宮城県の都市部で、被害者の全身を縛った状態で
放置して餓死させるむごたらしい連続殺人事件が起こる。容疑者として捜査線上に
浮かんだのは、知人を助けるために放火と傷害事件を起こし、刑期を終えて出所した
ばかりの利根(佐藤健)。被害者二人からある共通項を見つけ出した宮城県警の
刑事・笘篠(阿部寛)は、それをもとに利根を追い詰めていく。やがて、
被害者たちが餓死させられることになった驚くべき事件の真相が明らかになる。
<感想>
原作=未読
ミステリー作品と謳っている割には、真犯人はおよそ早い段階で見当つくし
寧ろヒューマンドラマという位置づけにように私は感じました。
まず出演者が豪華で、演技達者な方があんなチョイ役でいいのか?
という贅沢な使い方。佐藤健・阿部寛は安定の演技で、朝ドラで活躍した
清原果耶の演技も上手。まだ十代なのに貫禄ありますねぇ~。
そして、この作品を更にグレードアップさせているのが倍賞美津子の演技。
今年のアカデミー助演女優賞にノミネートされるのではないでしょうか?
震災と生活保護問題を題材にしていて、当然ながら重苦しいのですが
作品を通して生活保護について勉強でき、今は無縁だが自分も必要とする
立場になるかもしれない。日本の問題提議も投げかけていて私自身も
考えさせられました。
ラストの告白シーンが圧巻。
ここがこの作品の集約部分ですね。なぜ彼があのような行動をとったのか?
その意味が痛いほど理解できるし、そのシーンでの佐藤健と阿部寛の表情が
なんとも素晴らしい。
重く悲しい映画ですが、観ることをおすすめします。
点数:8点/10