<3月の鑑賞予定映画>
~愛は身勝手。~
2023年 日本映画 R15+指定(2023.02.10公開)
配給:東京テアトル 上映時間:120分
監督:松永大司
原作:高山真 「エゴイスト」(小学館刊)
脚本:松永大司/狗飼恭子
音楽:世武裕子
美術・装飾:佐藤希
出演:鈴木亮平/宮沢氷魚/中村優子/和田庵/ドリアン・ドドブジジーダ
阿川佐和子/柄本明
<見どころ>
エッセイスト、高山真の自伝的小説を実写化したドラマ。セクシャリティーを
隠して生きてきた過去を持つ男が、ある青年に愛を注ぐ一方で言いようのない
葛藤を抱える。メガホンを取るのは『Pure Japanese』などの松永大司。
強がって生きてきた主人公を『俺物語!!』などの鈴木亮平、主人公と惹かれ合う
パーソナルトレーナーを『his』などの宮沢氷魚が演じる。
<ストーリー>
東京の出版社で、ファッション誌の編集者として働く浩輔(鈴木亮平)。
自由気ままな日々を送る彼だが、14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を
隠しながら思春期を過ごした過去があった。ある日彼は、シングルマザーである
母親を支えながら働く、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、
惹かれ合っていく。亡き母への思いを抱える浩輔は、母親に寄り添う龍太に
手を差し伸べ、彼を愛する日々に大きな幸せを感じる。あるとき浩輔は、
龍太とドライブの約束をするが、龍太はいつまでたってもやってこなかった。
<感想>
予告編の印象とは少し違い、前半ゲイの恋愛・後半は家族愛という展開。
鈴木亮平さんは素敵な俳優さんですが、この役をよくぞ引き受けた。
ゲイの仕草とかよく研究されていて、実際にゲイの方も出演されていましたが
その中にいても違和感なかったですし、キャスト全員の演技力が素晴らしく
映画の世界に引き込まれました。
鈴木亮平と宮沢氷魚のベッドシーンは、かなり攻め込んでいましたし
ほかのベッドシーンもけっこうハードでしたが、不思議とキレイに見えて
しまった。あとで知ったが、ゲイの方が何人も映画スタッフに入っていて
細かく指導が入ったとか。作り手の本気度が感じられます。
また、BGMで同性愛者でもあったチャイコフスキー作曲の
交響曲第6番「悲愴」を起用していたのも巧い選曲だなと感じました。
ドキュメンタリータッチの映像描写で、より一層マイノリティの心の葛藤を
引き出している演出もよかったです。
同性愛話で、ハードル高く感じる人もいるかと思いますが、いろんな「愛」
を語る作品でした。ぜひ映画館で。
点数:8点/10