くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

セレベスエクスプローラー2日め

2008-09-06 08:12:45 |  ダイビング
土曜日。土曜日は、シパダン3ダイブだけで船がセンポルナに戻る日。船のエンジンがかかる音で目がさめる。よしよし、今日もシパダンへゆける・・・。

1本目・バラクーダポイント
bp_akebono.jpg午前7時、バラクーダポイントで1本め。エントリーすると、今はバラクーダポイントの入り口で常駐のギンガメアジの大群、大きなロウニンアジたちがねらっていた。さっさと40mまで行って見るが、40mでも海は真っ青、にごりもなく、大物の気配はない。壁をちまちまとながめると、相変わらずそこここにアケボノハゼがいる。バラクーダポイントで期待できる、バラクーダの大群も、ディープのハンマーヘッドやグレーリーフシャークも、朝のカンムリブダイの群れも、すべて不在だった。ハダカハオコゼが1つみつかったくらいで、特別なことは何もなかった。コーラルガーデンでのエキジット時、水面にいることの多いイカたちもきょうはいなかった。そのかわり、ムレハタタテダイに囲まれながらのエキジットとなった。特別なことは何もなかったが、透明度がよく、海も暖かいので、気持ちのよいダイビングだった。
 
 

2本目・サウスポイント
 
水深28mあたりで、グレーリーフシャークが、現れてはスタッグホーンクレスト側へと去っていった。でも、みんな体長50~60センチ前後のお子様方。顔形ともグレーリーフシャークのそれなのだが、あどけなくてかわいいのだ。途中で、トビエイが飛んできた。体に白い点々があった。シパダンで、普通のトビエイはたまに見かけるが、マダラトビエイを見たのは、もしかしたらはじめてだったかも。
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3本目 ドロップオフ
cavern.jpgタートルカバーンの上からエントリー。ドロップオフの透明度がこれまた素晴らしい。タートルカバーンから見た、今日の青は格別。ところで、なぜかカバーンのエントランスが小さくなった気がしてしようがない。Jetty側の水底の砂の量が増え、タートルトム側に抜けるドロップオフへの傾斜がさらに急になったような気がした。今回のセレベスメンバーは、94年にはじめてシパダンにやって来たとき、このドロップオフで仲良くなったと言っても過言ではないメンバー。そんなドロップオフ仲間が皆、同様に、カバーンの入り口が狭くなったと感じていたから、やっぱり狭くなったのか、透明度があまりによくて、全体がくっきり見えたことによる錯覚だろうか?カバーンの入り口では、ギンガメの小群れが、ぐるぐるやっていた。
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3ダイブを終え、ダイビングボートが2ハイとも母船に戻ると、セレベスエクスプローラーは、まるで逃げるかのような勢いでシパダンを去る。ちょっとは、ダイビング後、シパダン島を見て余韻にひたる時間を与えてもらえないものだろうか、といつも思う。サバ・パークスの取り決めでは、シパダン海域は、18時までに去ればよいのだから。 本日のダイビング終了とともに、wiht Beerのランチタイムのはじまり。ランチ後、きょうは天気もよいので、トップデッキにビールを持ってあがり、だべりんぐ。先客の白人女性が話しかけてきた。彼女は、「フィンランド、ムーミンの国から来たの。」と言った。「ニョロニョロのね。」と、手のひらを体の横でひらひらさせると、「ハッティバッティは、日本語でニョロニョロ?」と笑い転げ、あとから上がってきた物静かなボーイフレンドに、「ニョロニョロっていうんですって。」と教えていた。日本のことをいろいろ聞いてきた。ボーイフレンドは、おとなしい人だったが、関西からの夫婦が、パチンコ・海物語のうちわを持っていたら、突然、目がキラーンと光り、「オー!ウミモノガタリ~!」と突然狂喜したそうだ。なんでも日本に来たとき、パチンコが相当楽しかったらしい。

こうして、昼下がりがゆったり過ぎてゆき、船は16時すぎにセンポルナに着いた。今はラマダン。日没になれば、センポルナのパサールで、いろいろおいしいものが見つけられるに違いない。きのうから、キャプテンに「センポルナでジャランジャランしたい!」と訴え続け、そのたびに「の~ぷろぶれむ。」と言われていた。そして船がブイに係留すると、キャプテンに、「センポルナにはいついけるの?」と聞くと、「NOW!モウボートデル」との返事。たいへん。センポルナは、KKと違って超ムスリム色が濃いから、ちゃんと長いパンツをはかなくては。あわてて部屋に戻りジーンズにはきかえ、まさに出発しようとするボートに、「とぅんぐ~!(待ってぇ~)」と叫び、乗せてもらう。

初じゃらんじゃらん in センポルナ
これだけシパダンに来ていて、センポルナの町を歩いたことは一度もない。土地不案内なのだ。いつもタワウから着くと、せいぜい15分程度、リゾートのボート小屋で休憩して、そのまま島へのボートに乗っていたし、帰りも、センポルナに着けば、そのまま車に乗りこんで、即、撤収した。昔は、貝で作ったアクセサリを売りに来るおっさんたちがいたが、取り締まりが厳しくなった今はそれもない。昔、ボルネオ・ダイバーズのボート小屋で待っていると、バラクーダの干物も売りに来た。ボートを降り、われわれ日本人は、さくさく歩き出すと、トムに後ろから待つように言われた。ムーミンの国の人々は、皆、トムのうしろについてぞろぞろ歩いている。きょうのエキジット時、おそらくダイブステーションでヘアゴムをなくした私は、明日から髪がワカメ状態になるピンチだったので、なんとしても、スーパーでヘアゴムをGETしなければならない。トムに、「スーパーはどこ?」と聞くと、スーパーがわかるところまで、連れて行ってくれ、「スーパーはあそこ」と、指さしてくれた。センポルナの町は、道が狭いので、ごちゃついて感じる反面、KKでは薄い、東南アジア感がある。トムは、ムーミンの国の人々と、さらにどこかへと消えていった。そういえば、誰かが、BANKに行かなくてはいけないと、訴えていた気が。

スーパーは、MILEMEWA(美麗華)という店で、KKでもタワウでも、なじみのあるスーパーだ。しかし、センポルナのそれは、規模もずっと小さく、所狭しと商品が置いてあって、たいへんなことになっている。日本の消防法に、明らかに抵触しそう。マギーミーのパックや、クッキーなど、パックに穴が開いていたり、破られている商品も多い。外国のスーパーって、どこの国でも、ついつい夢中になってしまう。しかし、日用品売り場をながめても、ヘアゴムがない。そこにまたトムがやって来た。「えーと・・・」ヘアゴムにあたる言葉が思いつかなくて、髪をうしろでひっぱると、「いかっらんぶぅね。上。」と言われた。そうだ。Ikat(英語でtie)Rambut(英語でHair)だ。グランドフロアばかりに気をとられた我々は、用もないのに、上の2フロアも冷やかしまくる。無事、ヘアゴムもゲット。

スーパーを出て、パサール(市場)の方に行く。なんだかごちゃごちゃ。市場の敷地内で、というよりは、道端で、無造作に商品を並べて売っている店が多い。フルーツも、魚も、ニワトリまでもが。ニワトリは立派なオンドリで、大きかった。マレーシアのニワトリは、ネコより強い、といわれるのがわかる気がした。魚はいかんぷてぃ(ギンガメ)が多かった。ヒメジなんかもあった。どうみても、観光客の私達にも、魚市場のにいちゃんは、強力に売り込んでくる。買っても調理できないっつーの。
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好みのサカナを買って持っていったら、食材の提供で、コックが調理してくれないかしら、など、思い悩んだが、まあ、無理なお願いはやめとこうということで、マーケットでは、フィリピン産マンゴを6個10リンギットで購入しただけ。そのあと、Liveabordにはつきもののバナナがないことを思い出し、なら、いっちょわれわれで買ってくか、という話になったが、全部真緑だった。バナナなんて、すぐに黄色くなると思ったが、市場のオバチャンから、これはまだ若すぎて食べられない!とダメ出しされた。

shukaku.jpg生臭さに誘われて(?)、屋根のちゃんとある、魚市場の中に入ってみた。なんらか作業をしている人々はいたが、時間が遅いせいか、サカナは特に見当たらなかった。奥まで行くと、船着場になっており、そこにおそらく漁民の船をつけるのだろう。ひっそりと、かつ、むぞうさに、カマス系とギンガメアジが水揚げされていた。バラクーダ、見事に反り返っていて新鮮だが、氷につけなくてよいんだろうか。こうして魚市場を勝手に10分ほど見学して、外に出ると、先ほどオンドリを見た場所に戻っていた。オンドリは、子どもたちを連れた、ムスリム装束のお父さんにおとなしく抱きかかえられ、まさに連れ帰られるところだった。さようなら。さて、見るものは見た気がするが、集合時間までは、小一時間あった。船でのおいしい夕食も待っているが、ラマダンならではのスナックをGETしたかった。サテ(焼き鳥)、魚のBBQ、ピサンゴレン(バナナフリッター)、クエ(お菓子)を期待していたが、まだ日没前だからか、特に何も出ていなかった。Jettyに戻ろうか、ともと来た道を戻るうちに、もう1件、小さなスーパーがあったので入ってみた。CTCトレーディングとかって名前だった。店に一歩入ると、満面の笑みの中国人おばあが、「ニイハオ!」の第一声。隣のおじいも「ニイハオ!」とこれまた満面の笑顔。いちおう「ニイハオ」と返したら、中国語でべらべらと話し出した。あきらかに私達のニイハオの発音には違和感があるはずなのに。「おらんじゅぷんばー」といったら、こんどは、「トウキョウ!ハーイ!トウキョウ!ハーイ!」。そして陽気にいろいろ知る限りの日本語を言ってくる。マギーミーを買っただけでも、満面の笑顔。なんだか華僑の人々のバイタリティを凝縮したような夫婦だった。そして、その割舌や、リアクションがいちいちおもしろいのだ。彼らの横では、トゥドゥンをかぶったローカルの女性店員が、しれーっとした表情で、たたずんでいた。店を出るときも、ずっとおじいは、「トウキョウ!トウキョウ!」を連呼していた。なんだか笑えた。こうして彼らのパワーに気おされて、Jettyにとぼとぼ戻った。日はとっぷりと暮れてきた。明日は午後までダイビングがない、と思うと、気が楽だ。