くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

09年1月のシパダン~バラクーダ祭り開催中

2009-01-31 23:39:11 |  ダイビング


1月29日セレベス・エクスプローラー乗船
木曜にセレベス・エクスプローラーに乗り、金曜土曜とシパダンで2日間だけダイビング、土曜夕方にセンポルナに着いたら、即下船。「なんでそんなに短いの?」と、ゲストやスタッフに不思議がられたが、すでに日本を離れて10日以上たっているし、いいかげん働かねば。

エア・エイシアでタワウに着いたときから、香港のショップツアーご一行4名様といっしょだったので、私は香港グループに入ることとなった。香港人は全員フォト派で、「日本製品をお買い上げいただき、ありがとうございます。」な、日本製品ユーザーたちだ。同室になった女の子は、ネクサスにF70、レンズはフィッシュアイにマクロ、INONのストロボ2灯、ターゲットライトと、投資っぷりがすごい。他の人たちは、コンパクトデジカメであっても、防水プロテクタには、ちゃんと外付けストロボをつけている。単純に「ミュー770SW」をプロテクタに入れて、ぷらーんと持っている私とは、気合いがちがうのだ。そしてこの装備の差が、水中での動きに如実に現れる。彼らは、マクロでもワイドでも、一箇所にいつまでもスタックするし、私はお手軽装備で、どんどんカレントに乗っていく。こうしてダイビングの後半はひとり遠くにいってしまうのであった。


1月30日金曜日のダイビング
シパダンでの1本目はタートルパッチで潜った。タートルパッチなのに満潮だったのか、カメを2匹しか見なかった。魚影はいつものシパダン、でもこれといったものもなく漫然と漂っていた。そのまま漂っていくと、水深12mくらいで、やけにホワイトチップたちが活発になっていた。ふだんは水底で休んでいて、近づくと逃げる彼らだが、1匹、真正面から泳いできて、マスクの直前までせまってきた。グレーリーフも若者ではあったが、こんな深度浅めのところにやってきている。サメって、よくひとりになるとヌッと出てくる。とりあえずサメさんたちを刺激しないようにその場を離れようと、さらに流れに乗っていくと、ミッドリーフに到達していた。30分たっていたし、そろそろ水深5mで遊ぼうとおもって浮上しはじめると、10mほど先に黒い細長い物体のかたまり。バラクーダだ。こんな場所で見るなんて珍しいなぁ、と思っているうちに、すっかり囲まれた。みんなはどこに?とタートルパッチ側を振り向くと、遠くにバブルがあがっているのが見えた。早く来ればいいのにと思っているうちに、またバブルは見えなくなってしまった。知らせにいこうかな、と泳ぎ始めるが、流れが強くて、バラクーダも私も前にすすまない。私が流れに乗ると、バラクーダも乗ってくる。リーフのロックにつかまると、まわりをぐるぐるされる。幾千、いや幾万かもしれない目玉と縞模様が、メリーゴーランドのようにまわっていく。こうしてロックにつかまっていれば、カレントは一方向だから、そのうちみんな来るでしょ、と思って待っていたが、誰も来やしない。55分たって、あまりお待たせしてもいけないので、ゆっくり浮上することにした。浮上するとバラクーダも水面まで上がってきた。香港人たちが浮上していたのは、そんなに遠くはない場所だったのに・・・。

2本目はバラクーダポイントで潜った。ここでも香港の皆さん、いつまでも深めの深度にとどまっているが、私はDECOを出したくなかったので、リーフ上にあがり、そのままカレントにのっていった。コーラルガーデンで流れが緩くなって、ハダカハオコゼでも探していれば、そこで皆とは合流することになるだろうと思っていたら、コーラルガーデンの沖でバラクーダが現れた。1本目のミッドリーフからバラクーダポイントに向かって移動してきてるんだろうな。またこっちがひとりだと思って、バラクーダは余裕でぐるぐる。そしてまた誰も来ないので、30分くらいバラクーダを見ていた。さすがに1時間たつし、エキジットしたら、誰もいない。香港チームは、やはりDECO15分とか出していたもよう。そしてコーラルガーデンよりはるか手前で浮上してきた。ダメじゃん。

2ダイブ続けてバラクーダをミスした香港人たち。3本目はどうしてもバラクーダが見たいと、バラクーダポイントへ。そして、3度目の正直、バラクーダポイントのインナーリーフに入ったところで、バラクーダの群れ登場。バラクーダもこちらが複数いると、ときどき大群が真っ二つに分かれたりする。ひとりだと、なめられてるのか。でもやっぱりバラクーダポイントのリーフの切れ目のところに出ると、トルネードにもなりやすいし、よりいろいろな群れの形が楽しめる。

4本目は、ドロップオフ。香港チームが、タートル・カバーンの中がちょっと見たいとリクエストしたらしく、最初の大きなロックの裏側までゆく。そこはまだ外の光が届くところだ。でも私はライトを持っていなかったので、エントランスに背を向けたら完全鳥目。皆さんのライトで最初のスケルトンを見て、人のふんどしで相撲をとった気分。ミッドリーフ、コーラルガーデン、バラクーダポイントと移動してきたバラクーダであるが、さすがに4本目では見なかった。

この日はなんども、そして長時間バラクーダを見ていたので、夜、寝ようとしても、目を閉じるとバラクーダの群れがまわっていた。伊豆でダイビングをはじめ、伊豆ダイバーだった私が、はじめて久米島に行ったときは、ウメイロモドキの群れが、モルディブに行ったときはアカモンガラの群れが、といったように、魚影の濃いところにゆくと、まぶたの裏にサカナの残像が焼きついていたものだが魚影の濃いシパダンに慣れっこになった今となっては、こんなことは久しぶりだ。


1月31日のダイビング
1本目はバラクーダポイント。朝だから40m、壁からも離れてひたすら深いほうに目をこらすが、ハンマーは来なかった。シパダンのコーラルは回復したが、ハンマーはみつけにくくなってしまった。バラクーダもなし。個人的にはチョコレート色のハダカハオコゼが見られたので満足。なんてかわいいんだろう。




2本目。サウスポイントからスタッグホーンクレストに流す。最近、このへんでグレーリーフシャークやハンマーヘッドに出くわしてない。どちらかというと浅瀬のコーラルに癒される。やはり南の海はこうでなくちゃ。




3本目。再びバラクーダポイントへ。
砂地でガーデンイールを見ていたら、久々にニシキアナゴが見たくなった。ガーデンイールといえばチンアナゴが多く、ニシキアナゴ率は低いのだ。そのまま水底を這っていくと、ニシキアナゴが見え隠れ。と思ったら、先のリーフの切れ目にまたまたバラクーダがやってきた。このときは別のボートもいたので、ダイバーがひとりのときとは、彼らの動きもずいぶん違うなと思った。降ったり、湧いたり、ときどきものすごく大きな音をたてて真っ二つに別れたり。彼らの動きはアートのようだ。よく見ると、傷だらけのもの、皮膚病っぽもの、とりわけでかいのとか、いろんなバラクーダがいる。

リーフ上のバラクーダ。



どんどんやってくるバラクーダ。



昇るバラクーダ。



そしてトルネードになってぐるぐる。




来てよかった、シパダン
こうしてバラクーダに明け暮れたシパダン。この2日間、天気もくずれず、海もずっとなぎ。2日でシパダンに7本潜った。シパダン入島制限が大変に厳しい現在となっては、リゾート滞在で3日に1度しかシパダンへ行けなかったというのを聞くに、ある意味効率のよいスケジュールと、個人的には満足だ。水温が低い時期なので、ハンマーヘッドを期待していったがご縁がなかった。ヤングナポレオンの季節らしく、そこらじゅうにナポレオンの若者がいた。シパダンらしいものとして、カンムリブダイの群れは見なかった。バラクーダポイントの入り口のギンガメ大群は引き続き常駐。何十回シパダンに来ようが、千本潜っても、バラクーダやギンガメアジの群れにまみれるのは楽しいもんだ。