くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

まりん・らいふ・いん・しぱだん(135)ゴマモンガラ Balistoides viridescens

2013-11-18 08:48:15 | シパダン図鑑
フグ目モンガラカワハギ科のゴマモンガラ。


ダイバーから嫌われがちな彼ら。
私も何度か攻撃されたので、嫌い。
そもそもは、彼らのテリトリーに入ってしまうダイバーがいけないんだけれど…。
彼らの営巣エリアに気づかずに進入したら、背びれを突き立てて直進してくる。
これがトリガーの由来なんだろうけれど、そのさまがなんともにくらしい。
いきなりフィンを激しく引っ張られて、何?と思うと、ゴマモンガラが白目をむいてフィンに噛みついていたりする。
頭にゴーンとなんか当たったと思ったら、頭突きを入れられてたり。
ゴマモンガラは、ウニ・カニ・貝を好むグルメ。
おいしいものを食べているせいか、おいしいという話も聞くが、あんまり食欲はわかない。
シガテラ毒をもつものもいるそうだ。
そんな固いものを噛み砕ける歯で噛みつかれたら、病院ゆきになることも。

英名はmoustache triggerfish。口の上が黒いからなのね。
あとはTitan triggerfishなんて、ギリシャ神話のタイタン由来のたいそうな名まえをもらっているわりには、ぱっとしないルックス。
Giant triggerfishとも呼ばれ、タイタンともども、巨体由来らしい。
そんなに大きな個体を見たことがないが、75センチにもなるそうだ。
全体的にサカナのサイズが大きいシパダンで、さらに水中では25%増しに見えるわりには、そこまで大きなやつには、幸か不幸か出くわしたことがない。
巣さえ守っていなければ、単にさえない風体のおさかななのだが…。

初パラオでブルーコーナーのカレントにあーれー、と翻弄されながら棚にへばりついていたとき、ビギナーだった私たちがゆらゆらしているのにあわせて、こいつも私たちのすぐそばを、一緒にゆらゆらしていた。
友だちが「潜ルンです」で撮った写真に写ってて、「この不細工な魚、なんだろーねー」なんて言えてた。
ふだんは何もしかけてこないが、巣を守る時期になると凶暴化。
母性愛にあふれているのだ。

そういえば、コ・タオのブッダビューリゾートのロゴがゴマモンガラだったが、ありえない!と、こんなの選ぶなんてあっぱれ!と同時に思った記憶がよみがえって来た。
コ・タオは、チュンポン・ピナクルのジンベイと、ヒレフリサンカクハゼとゴマモンガラの記憶しかない。
あとはガイドがゴマモンガラを挑発してフィンで戦う、なんてのがファンダイブの余興で、こんなファンダイブやだー、と思ったものだった。
ゴマモンガラTシャツはどうしても欲しくなく、コ・タオみやげには、ビッグブルーのドルフィングッズを買ったんだった…。

さて、シパダンの危険地帯はサウスポイントやコーラルガーデンの入り口あたり。
すり鉢状の巣があるそうだが、シバダンはさんごうりうりしている場所が多くて、気がついたときは、すでに遅しなことが多い。
今年の9月は、テンパっているゴマモンガラを見かけず、どれもこれもヌボーっとすれ違うだけ。
平和がいちばん。