「絵も展示してあげないとくすんでしまうよ」絵描き仲間が言った。
私の初めての展示はアート喫茶みたいな所で、展示料は無料だった。作品はB4サイズを額に入れた約15点。ほぼ店一杯に飾ることができた。
正直お客さんにはそれほど期待できなかったので(ゴメンナサイ)友人知人、俳句仲間、絵描き仲間へと案内状を出す事にした。全て初めての経験だった。
私は仕事が休みの日は一日中店に居ることにした。
例によって店に居ると、ドヤドヤと顔見知りの人達がやって来た。
今日吟行会に行ったはずの俳句仲間たちであった。しかもご老体の先生まで一緒だったのである。
私はカミさんと二人でいたのだが、一気に緊張して全身金縛りにあったようにコチコチになってしまった。まさか今日ここへ、みんなで来てくれるとは思ってもみなかったのである。
うちのカミさんは感激屋なのでもう涙ポロポロ流すし、 私にとっては大変な一日となった。
案内状を出した人は遠方からも来てくれて、本当に有り難かった。
この事が、作品展示の意義を私に教えてくれたのであった。
『人に見てもらう』という喜びとプレッシャーを初めて知ったのである。
生半可な作品では来てもらう人に失礼だ。
『心はアマチュア、技術はプロ』を目指すことを固く心に誓ったのです。