風邪の経路というのは人によってそれぞれかもしれないが、
わたしの場合は、だいたい喉からやってくる。
どこで貰ったのか定かではないのだが、会社からの帰りに喉がガラッと
したので、「あ、ヤバ…きたな！」と風邪菌の侵入を確信した。
どういうわけか風邪にかかると１日は死にそうになるので、日頃から
風邪が流行る頃になると、人混みに行く時などマスクして防衛網を敷いている。
しかし、今年は入院中の母の見舞いなどで、毎日のように病院通いをしていた
ためか、マスクをかいくぐって菌が侵入してきたに違いない。
翌日、喉は変わらずイガイガしていたものの、他に大した症状もなく元気に
会社に出勤した。 ところが退社１時間ほど前になって急に咳き込みだし、それが
胸につかえて呼吸が出来にくくなってしまったのだ。
無理に呼吸をしようとすると、吐き気がせり上がってくる。さすがにこんな事は
初めてなので、「すわ！サーズか」と少々パニクッた。
胸を押さえ、「ちょ、ちょっと」とあわてて仕事を中断し、トイレに駆け込んだ。
幸い吐くことはなかったが、息を整え、お茶を飲んで仕事を時間終了まで続け、
上司に翌日の欠勤を願い出て、そそくさと退社した。
どうやらサーズではなかったが、翌日はいつものようにベッドで死に絶え、
土日を入れて４日間風邪菌ちゃんとたわむれていた。
１週間過ぎた今でも余程住み心地がいいのか、まだ風邪菌が抜けきって
居ないように思える。
それにしても一体風邪菌は何がお望みなのだ、我が体を跳梁跋扈して何を
得るのだ、このことを一度聞いてみたいものだが、ヤツからの返事は
いつもくしゃみと鼻水と悪寒だけ…なのである。
