故あって、作品を東京の某画廊へ登録することになったことは、すでに
紹介したが、幸い審査も合格した旨連絡をいただいた。
そのことに関する手続きは一通り済んだのだが、その東京の現場の画廊を見たくなったのである。
その旨電話をすると、「いつでもおいで下さい」と快諾を得たので、AM11時に待ち合わせをした。
わたしは若かりし頃、漫画家を目指すべく東京に住みついていたことがある。漫画家に
なってからを合わせるとかれこれ15年ほど居たことになる。その東京を離れてはや20数年に
ナンナンとする。以来初めての東京行きとなる。
初めは、深夜バスで行くことも考えたのだが、日頃の行いのせいか、丁度この日台風12号が
東京方面へ向かうという予報であった。会いたい人、行きたい場所など、多々あったのだが、
やむなく、新幹線でとんぼ返りという道を選んだ。
銘菓「赤福」を手土産に、「のぞみ」で一路東京へと向かった。
最近読み始めた「倉田江美」という漫画家のコミックを2冊持ってきていたので、
発車と同時に読み始めたが、せっかくの新幹線の旅ということで、カバンに仕舞い込み、
流れる外の景色を眺めることにした。
同僚のYくんが「新幹線ならのぞみの○×がいいですよ、席は左側が富士山が見えて
いいですよ」と、どういうわけだか新幹線に詳しいうんちくとアドバイスをくれたので
あるが、あいにく空には分厚い雲が覆いかぶさっていて富士山は見れそうにない。
そこで、せめて海でも見ようと右側に席をとったのだった。(ゴメンネYくん)
海もちらりと水平線が見え隠れするくらいで、大した景色ともいえないが、しばし、走り去る
風景を視界に入れ、台風と倉田江美を引き連れていざ東京へ…。
久々の東京は以前と変わらず、ゴミゴミとしていて、ほこりっぽかった。某デパートの近くと
地図で調べてきていたのだが、立ち並ぶビルはどれも高く、全部某デパートクラスなので
目印にはならなかった。やむなく東京駅の交番にて、おのぼりさんとなって尋ねたのだった。
某画廊は東京駅から歩いてものの7~8分くらいのビルの一角にあった。でも画廊といっても
作品展示はしておらず、事務所になっているのだ。それはHPでも書いてあったので、承知していた
ので驚かなかったが、それでも大きな額装の絵が所せましと置かれていて、やっぱり
画廊なんだな、と納得させられた。
代表のTさんは、わたしと同年輩くらいか…、落ち着いた感じの方で、「皆さんで召し上がって
ください」と「赤福」を渡すと、ニッコリと笑って受取っていただいた。電話を入れるといつも
若い女性が出るのだが、その方なのか、おいしいお茶を出してくれた。
そのお茶をいただきつつ、営業活動や運営状況などを聞いてみた。すでに35年やっていて、
顧客というべきか、取引のある大手企業などの名前をズラリと挙げた。海外60カ国にも紹介
してるとHPでうたっていたので、聞いてみると、海外ではほとんど1メートルクラスの大きな
作品が好まれると言う。「アチャーそんな大きなの描いたことないなあ…」とため息。
「絵が求められるのは、会社創業、転居、新築、好き嫌い」だったか、T代表はスラスラと言われた。
特に面白かったのは、「上手い絵はかえって好まれません」とキッパリ言ってのけたことだった。
何となくわかる気がしたのは、「上手い」と言われても絵描きはあまり嬉しくないのである。
「何かしらいいわねえ」くらいに言っていただくのが有難いところなのだ。
忙しい中、時間をさいていただいたお礼を申し述べ、画廊を後にした。
「絵は、ホントに好みです。」つくづく言われた言葉が脳裏を漂っていた。画廊から東京駅までの
路地には、割烹、魚の旨い店、大衆酒場などがひしめき、もし、今が夕暮れ時であったなら、
すんなり帰るのは至難のワザだな…と思われ、T代表がもし呑める人なら、さぞや…などと
あらぬ心配をしてしまった…。
幸い、台風はチンタラと遅い居座り台風だったので、まだ四国あたりをウロチョロしてる
ようで、雨にもあわずに済んだのだった。お陰で、倉田江美のみ連れて帰ったのである。
画廊の活動具合を直接代表に聞け、それを肌で実感できて、ホント行ってよかったと
素直に思えた東京行きだった。
紹介したが、幸い審査も合格した旨連絡をいただいた。
そのことに関する手続きは一通り済んだのだが、その東京の現場の画廊を見たくなったのである。
その旨電話をすると、「いつでもおいで下さい」と快諾を得たので、AM11時に待ち合わせをした。
わたしは若かりし頃、漫画家を目指すべく東京に住みついていたことがある。漫画家に
なってからを合わせるとかれこれ15年ほど居たことになる。その東京を離れてはや20数年に
ナンナンとする。以来初めての東京行きとなる。
初めは、深夜バスで行くことも考えたのだが、日頃の行いのせいか、丁度この日台風12号が
東京方面へ向かうという予報であった。会いたい人、行きたい場所など、多々あったのだが、
やむなく、新幹線でとんぼ返りという道を選んだ。
銘菓「赤福」を手土産に、「のぞみ」で一路東京へと向かった。
最近読み始めた「倉田江美」という漫画家のコミックを2冊持ってきていたので、
発車と同時に読み始めたが、せっかくの新幹線の旅ということで、カバンに仕舞い込み、
流れる外の景色を眺めることにした。
同僚のYくんが「新幹線ならのぞみの○×がいいですよ、席は左側が富士山が見えて
いいですよ」と、どういうわけだか新幹線に詳しいうんちくとアドバイスをくれたので
あるが、あいにく空には分厚い雲が覆いかぶさっていて富士山は見れそうにない。
そこで、せめて海でも見ようと右側に席をとったのだった。(ゴメンネYくん)
海もちらりと水平線が見え隠れするくらいで、大した景色ともいえないが、しばし、走り去る
風景を視界に入れ、台風と倉田江美を引き連れていざ東京へ…。
久々の東京は以前と変わらず、ゴミゴミとしていて、ほこりっぽかった。某デパートの近くと
地図で調べてきていたのだが、立ち並ぶビルはどれも高く、全部某デパートクラスなので
目印にはならなかった。やむなく東京駅の交番にて、おのぼりさんとなって尋ねたのだった。
某画廊は東京駅から歩いてものの7~8分くらいのビルの一角にあった。でも画廊といっても
作品展示はしておらず、事務所になっているのだ。それはHPでも書いてあったので、承知していた
ので驚かなかったが、それでも大きな額装の絵が所せましと置かれていて、やっぱり
画廊なんだな、と納得させられた。
代表のTさんは、わたしと同年輩くらいか…、落ち着いた感じの方で、「皆さんで召し上がって
ください」と「赤福」を渡すと、ニッコリと笑って受取っていただいた。電話を入れるといつも
若い女性が出るのだが、その方なのか、おいしいお茶を出してくれた。
そのお茶をいただきつつ、営業活動や運営状況などを聞いてみた。すでに35年やっていて、
顧客というべきか、取引のある大手企業などの名前をズラリと挙げた。海外60カ国にも紹介
してるとHPでうたっていたので、聞いてみると、海外ではほとんど1メートルクラスの大きな
作品が好まれると言う。「アチャーそんな大きなの描いたことないなあ…」とため息。
「絵が求められるのは、会社創業、転居、新築、好き嫌い」だったか、T代表はスラスラと言われた。
特に面白かったのは、「上手い絵はかえって好まれません」とキッパリ言ってのけたことだった。
何となくわかる気がしたのは、「上手い」と言われても絵描きはあまり嬉しくないのである。
「何かしらいいわねえ」くらいに言っていただくのが有難いところなのだ。
忙しい中、時間をさいていただいたお礼を申し述べ、画廊を後にした。
「絵は、ホントに好みです。」つくづく言われた言葉が脳裏を漂っていた。画廊から東京駅までの
路地には、割烹、魚の旨い店、大衆酒場などがひしめき、もし、今が夕暮れ時であったなら、
すんなり帰るのは至難のワザだな…と思われ、T代表がもし呑める人なら、さぞや…などと
あらぬ心配をしてしまった…。
幸い、台風はチンタラと遅い居座り台風だったので、まだ四国あたりをウロチョロしてる
ようで、雨にもあわずに済んだのだった。お陰で、倉田江美のみ連れて帰ったのである。
画廊の活動具合を直接代表に聞け、それを肌で実感できて、ホント行ってよかったと
素直に思えた東京行きだった。