きょうは、ペットボトルや缶、瓶、紙などの収集日
なので、とりあえず一杯になっていた空き缶を
出そうとマンションの集積所へ…。
缶のところに置いて帰ろうとして、チラと隣りの
瓶置場を見ると、一升瓶が捨ててあって、ラベルが見えた。
それが、一度は呑んでみたい高級銘柄だったのだ。
つまり、同じマンションにあの銘柄を呑んでいる
人と、我が捨てた袋の中を埋め尽くしている発泡酒缶
の人間が、階を別にして同舟しているのだ。
ゴミは、その家の真の姿を見せると言うが、
まさしく、その一端が垣間見えた瞬間だった。
すでにして、我が住居マンション住人の
格差社会が、あらわになってしまったのである。
15階建のマンション上階を見上げれば、冬の
澄んだ青空がその後ろに輝いて見える。
視線を落とすと、ゆっくりと我が下階の部屋に
足を運ぶのだった…。