今年、近くの公園の池に、期待していたカワセミは
ついにやって来ず、どういうわけか、シラサギ、
アオサギもこのところ姿を見せず、うら寂しい池となっていた。
しかし、池の葦が伸び揃ったきのう、あのけたたましい
鳴き声が聞こえてきたではないか。
そう、行々子、オオヨシキリがやってきたのだ。例によって姿は
葦原に隠れて見えないが、「ギョウギョウシ!「ギョウギョウシ!」
と、かまびすしい声をあげている。昨年、一昨年とこの声で、
夏の到来を告げに来ていたのである。
面白いことに、前日まで静かだったウシガエルまで一緒に
鳴き出したのである。
賑やかな池になって、夏の足音のざわめきがまた
やってきたのだ。こちらの心も華やいで来て、
やっぱり夏の池は、少々うるさいほうがいいと
つくづく思ってしまった。