台風25号が列島を縦断していったその日の夜、
バツッ!と部屋の全ての明かりが消えた。
窓から外を見てみると、真向いの家並みは消えていたが、
ちょっと離れたマンションは、明りが点いているので、
停電はこのあたりだけのようだ。
IHマンションなので、生命線を断ち切られてしまったのだ。
水回りはもちろん、冷蔵庫、食洗機、PCその他の電源も
アウトである。したがって、お湯も沸かせずカップメンすら食べられない。
まさしく、なすすべがなく、呆然としてしまった。
そういえば、マンションの出入り口も自動ドアなので、出ることも
できないかも、と思い翌朝早く、心配になって玄関に行ってみると、
誰が開けたのか、自動ドアは半開きになっていた。
やはり、皆心配だったのか、顔も洗えぬすっぴんのお母さんたちが、
子供を連れて出てきていた。
様子を探りに車に乗り込み、近くの道路へ出てみたが、信号は動いているし、
自販機の明かりも点いている。
コンビニも3軒確認したが、いずれも普通に営業していたので、
とりあえず朝飯用にと、巻きずしを1パック買って帰った。
つい最近、北海道の停電が、大騒ぎになったばかりだが、
こちらは結局、朝7時頃に復旧して、大したことはなかった。
それでも、わが身に降りかかってみると、不安だらけに
なったので、長引いてる北海道はいかばかりか、と思った。
電気が点いたときは、つくづく普通に暮らせることの幸せを
かみしめるのだった。
今一度、防災グッズを整備しましょう。