「あっやられる!」その瞬間にわたしはこう口走った。
サッカー五輪代表の試合日本対シリアをTVで観ていた時だ。
試合は1対1のまま後半40分前後だった。
誰だったか忘れてしまったのだが、(調べたがわからなかった)
相手ゴールへ迫った日本の選手が倒れて身をよじっていた。
その時「そのまま起きるな!」という声が日本陣営から挙がったと
言うのをTVの実況が伝えた。
この瞬間に冒頭のわたしの言葉が出たのだ。そしてそれは
5分も立たない内に決勝点を決められ、実現してしまったのである。
一体何回同じようなシーンを見るのだろうか…と暗澹たる気分に
なった。試合後に敗因をあれこれ言われているが、敗因はあの
一言に尽きると言い切っても過言ではない。
後5分を守り切れば、引き分けで日本は1位を守れる…そう
日本のベンチは踏んで、言ったのだろうが、大きな間違いである。
攻撃は最大の防御というのを忘れた結果なのだ。
「起きるな!」というのは、「後5分だから時間を稼げ」と
言っているのである。つまり引き分けで逃げ切れと
言っているのだ。これが、度々よろしくない結果を招いて
いるにもかかわらず、不思議なことにあらゆる勝負事で
繰り返されているのである。
何がいけないかと言うと、まず、相手に勝つ気はないんだという
ことを宣言するに等しいのだ。その結果、相手は防御を考える
必要がなくなり、攻撃に徹することができるので、勢いづくのである。
これは、モチベーションがほぼ2倍の差になってしまい、一気に
劣勢になってしまうのだ。
防御どころか相手の火に油を注ぐようなものだということを
知ってほしいのである。
まあ、久々に怒りのボルテージが上がってしまったが、これも
日本のサッカーを愛すればこそ…ということを御承知いただきたい。
もう1点もぎ取りにいきましょう。次の試合頼むよ!…。
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