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ぽかぽか春庭「2003年夏のホームページ」

2013-08-08 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/08/08
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年の夏(11)ホームページビルダー

2003年の夏日記つづき
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2003/08/21 木 曇り
日常茶飯事典>LLサイズ衣装

 久しぶりにミシンを出す。ダンス発表会『監獄ロック』の衣装として渡された迷彩柄ジャケットを、MサイズからLLサイズにお直し。衣装担当から、「Mサイズしかないから、サイズが合わなかったら、自分で直して」と言われたのだ。
  似たような迷彩柄の布を足しておデブ用に。外出用にはちょっと変だが、5分間ジャズダンスを踊る時に着るだけなら大丈夫。はじっこで半テンポ遅れて回転し、左右逆に足をあげてしまう太っちょの衣装が少々変でも、誰も気にしない。

本日のはさみ:布地を幅10センチずつ切って両脇に縫い足す

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2003/08/22 金 薄曇り 
トキの本棚>『フラジャイル正剛と田中ミンの踊り』

 一日中『フラジャイル』をごろ寝で読む。
 『分母の消息』にも、フラジャイルにも、人名がわんさか出てくる。

 たくさん出てくる人名のなかで、たとえば、田中ミンが事務所に現れて「正剛さんに踊りをみてもらいたい」と言った、という話を読むと、ひがみそねみで生きている私は、すぐに「田中ミンは私のためには踊らなかった」という20数年前のうらみつらみが思い出されてしまう。

 市川雅から情報を得て、三鷹だったか吉祥寺だったかの公民館集会室のような場所に迷い迷いやっとたどり着いたときのこと。
 観客としてやってきたのは、私のほかはだれもいなかった。「場所が間違いだったのか」と、うろうろすると、今日公演がある、というポスターも貼ってあり、間違いではない。

 田中のほかに部屋には女性がひとりいるのみ。(木幡和枝だったかも)時間がすぎ、いくら待っても踊りは始まらない。
 「ポスターに書いてある開演時間は過ぎているが、何時から始まるのか」と聞くと、女性の返事「今日はやる気がしなくなったので中止。ダンサーにはインスピレーションが大切で、今日はインスピレーションがない」というような解説だった。
  
 集会室で気まずい思いをしながら待ち続け、何時から始まるのかと質問するのさえ勇気をふりおこして声を出した「一般ピープル」たる私の存在は、観客としてはまったく無視されたのだった。

 正剛という「文化最先端ランナー」には「踊りを見て欲しい」と願った田中にとって、ただただ踊りが好きで、田中が踊るのを舞台じゃなく、集会室のような小さなところで目の前で見てみたいと思った一般ピープル観客は「やる気がでない」存在だった。

 まあね、一般人の扱いはこんなもの。「あなたがダンサーとして生きているその同じ時を、私も一期一会の時間を持つための観客としてここまで2時間かけてやってきたのだ。」そんな一般人は「インスピレーション」にはなりえず、田中は私のためには踊らなかった。

 その後、何度か舞台で踊る田中を見た。私は舞踏系はあまり好きではない。みんな土方亜流に見えてしまうから。でも、ギリヤーク尼崎と田中ミンは好きなほうだった。

 鍵の置き場所とか、カードの暗証番号とか、大事なこと忘れちゃいけないことはどんどん忘れるのに、どうしてこんな些末なうらみつらみは忘れないのだろう。

 だれからも「あなたがここに存在することに意味がある」と、認めてもらえない人間のひがみが、私の体重の50%を占めているからだ。残りのうち40%は脂肪だから、筋肉や血液はたった10%しかないことになる。脳の重量が足りないのはしかたあるまい。

本日のひがみ:こわれもの注意!ただし、一般ピープルの心は壊れても注意されない

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2003/08/23 土 晴れ 
日常茶飯事典>HPビルダーその1 日記公開動機

 ホームページビルダーでいろいろページを作ってみる。わかっている人には何でもないことなんだろうが、わからない人にとってはクリックひとつおっかなびっくり。もしこれで変なことをしてしまい、またパソコンが起動しなくなったりしたらどうしようかと、おそるおそる画像をいれたり水平線をいれたり。何度かページの見栄えを練習。途中、保存エラーが出たので、こわくなってやめた。エラーがでたあとクリックするとガリガリという音が本体の中から聞こえるのだ。恐怖のガリガリ音。

 54歳の誕生日から55歳までの1年間にやりたいこと。
 姉が死んだ54歳、母が死んだ55歳。その年齢になったら、自分の人生をまとめておこうと思ったのだ。墓銘碑代わりにHPを持ち、遺言代わりに日記サイトを公開するという計画。

 「とりたててほめられもせず苦にもされない、平凡な人生の愚痴っぽい女の日記なんて誰が読むのか」とヒメは言うけれど、ま、いいじゃないか。

本日のせみ:おくればせでベランダにせみのぬけがら

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2003/08/24日 日 晴れ 
日常茶飯事典>夏休みバイト

 昨日、今日は暑い。いつもの夏なら7月8月ずっとこうだが、今まで涼しすぎたので忘れていた。

 娘は朝から模試監督のアルバイト。高校大学を通して、夫の事務所以外でバイトをするのは初めて。場所も大学に近いし、試験監督といっても特別むずかしいことを要求されるわけではない。7時50分から1時20分まで、およそ5時間半の拘束で、5000円稼いできた。

 座ってはいけなくて、ずっと立っている監督で、足が疲れたという。事務所でメッセンジャーして、おこずかいをもらう感覚でやるのと、本当に人様のもとで労働するのは緊張感が違う。働くことのたいへんさを少しでもわかったなら、5千円の価値は大きい。娘の感想、「ずっと立ちっぱなしなんて、毎日はできないなあ」
 明日からは一日中立ちっぱなしかも知れない介護体験がはじまる。

 息子はお昼から水泳部OBとの集まり。いっしょに泳いで、そのあと夕ご飯(毎年かつどん)を食べながら昔話を聞く。今年は40代50代の先輩が来るという。かつどんでも何でも、よそで食べてくれれば親は楽。

 ふたりとも家にいないという日、夏休みになってはじめて。一日中HPビルダー。

本日のつらみ:書くよりずっと時間がかかるドラッグやコピーやリンク貼り付け

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2003/08/25 月 晴れ
日常茶飯事典>エスニック料理

 娘は教職課程の介護体験。老人保健施設なので、食事介護や入浴介護がある。
 きのうバイトでいっしょだった友だちは、デイケアセンターでの体験。老人の昔話を聞いてやるとか、センターイベントの夏祭りでいっしょに楽しむ、というのが介護体験だったそうだ。「私も夏祭りがよかった」と文句を言いながら出かける。

 息子は文化祭のクラス全体練習。ふたりとも朝から家にいないので、また一日中、HPビルダー三昧と思ったら、夫から電話。

 事務所のパソコンコンセント抜いたあと起動しないので、見てくれという。しかたがないので出かける。事務所に用足しだけいくのも出かける気にならないので、はじめにブックファーストへ。

 このまえ買い込んだばかりなので、買いたい本も見あたらず、『日本語教師になる本』を買う。10月の日本語教育能力検定試験の全面改定新試験予想分析が載っているので、秋学期の授業のネタ用。

 息子とランチするつもりだったのに、またも「文化祭の練習、午後も続けるから」と、ふられた。回転寿司を食べるつもりだったが、ひとりだったら、普段娘といっしょのときは行くことができないエスニックにする。

 娘は、辛い味いっさいダメ人間。「日本人向けにアレンジしてあるから、本国の料理に比べて、ぜんぜん辛くない」という代物でも「とにかく辛くて食べられない」二十歳すぎてもお寿司サビぬき。

 「アジアの味」という店。2階のテーブル11卓。椅子20脚の小さい店、店構えの感じはよかった。女主人は日本語をしゃべれるけれど、ウェイターの男の子、タイ文字のTシャツを着ていて「いらっしゃいませ」「おまちどうさま」もいっさい言わない。だまって運び片づける。

 だまっているのが悪いのではない。日本語が話せないなら、中国語やタイ語でもベトナム語でも「いらっしゃいませ」を言えば、サービスの心は伝わる。声が出せない人なら、手話やジェスチャーでも伝わる。
 客は「お客さんがこの店に来てくれてうれしい」という店側の気持ちを感じたい。「歓迎光臨」の気持ちを伝えるのは、どの店もいっしょ。

 私になかなか料理がこない。ようやくきたと思ったらデザートが先に出てきた。「あの、お料理まだなんですけど」と言う。それからやっと作り始めたらしく、またしばらく待たされた。

 ベトナム風麺ランチを食べた。麺の上に、揚げ春巻きを切ったものと野菜の千切りがのっている。ランチセットのスープはコンソメの素に人参と竹の子が少し入っている。デザートはタピオカココナツミルク。

 私や隣の席の人がコップをもちあげて、お水おかわりを催促しても、持ってこない。エスニックで辛いのだから、客のコップを注意して見ていて、コップの水が少なくなったら、おかわりをつぎにくるくらいのサービスはすべきだ。20席しかないのだから、店全体が見渡せる。しかし、コップをかかげて「おひやおねがいします」と言っても、持ってこない。だったら、大衆ラーメン屋みたいに、最初から水のはいったピッチャーをテーブルに置いておくほうがマシ。
 味もサービスも「もう一度食べてみたい」というものではなかった。
 
 事務所のパソコンは、別にどうもなっていなくて、ただ、夫も四街道さんも立ち上げ方が分らないだけだった。四街道さんは台湾製のパソコンを買ってきてセットアップに四苦八苦している。パソコンに強くない人はサポート体制がちゃんとしているメーカーの方がいいのにと思ったが、私が使うんじゃないから、よけいなことは言わない。

本日の辛み:ワサビが一番 by一條裕子

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2003/08/26 火 晴れ
日常茶飯事典>HPビルダーその2 老後の遊び

 朝から暑い一日。
 一日何もせずにHPビルダーで遊ぶ。切ったりはったりしているうちに、たちまち時間が過ぎる。これじゃ、いつになったらオンラインになるのか分らないが、老後の遊びにはもってこいだと分る。NPO設立講座でパソコンを習っているスモモも、これからの時代、老人にこそパソコン講座が必要だ、と言っていた。ただ、一日画面を見つめていると、さすがに老眼に悪い。

本日のつらみ:中年老いやすく、HPなりがたし

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2003/08/27 水 朝雨、午後晴れ
日常茶飯事典>火星大接近

 午前中Aダンス練習。午後、HPビルダー。
 夜、息子と火星を見た。次の小接近は17年後、今回のような大接近は6万年後、といっても、小接近と大接近の差なんて肉眼や倍率の低い双眼鏡で覗いただけでは区別がつかない。それでも、どうして天文ショウは、ハーレー彗星接近とか流星群とかが人をひきつけるのだろうか。
  自分という存在もまた、宇宙の永遠の輪廻の中のひとつと確認するためなのだろうか。

本日の負け惜しみ:6万年後は無理ですが、17年後に会おうね、マーズ

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2003/08/28 木 曇り972
日常茶飯事典>HPビルダーその3 日記公開理念

 ネット上に日記サイトは星の数ほどあるとしても、ひとりの女の数十年にわたる日記を全公開しているサイトは、まだ見ていない。少なくとも私の網にはひっかかっていない。だから、還暦までに、10歳から60歳までの50年間の日記すべてを公開するという計画は、少しは意義があるかもしれない。質は悪いが量で勝負、みたいな。

 全集第二期29巻のほとんどが日記という野上弥生子とか、小説作品以上に日記が文学作品である一葉とか、文学者の日記は出版もされる。一般人の日記でも、戦争とか、震災とか、歴史的な出来事を記録した日記には資料的な価値がある。戦争中の個人記録を残そうとする自分史資料収集の会やサイトも出てきた。だが、今のところ、市井一般の女の平凡な日記など、文学的にも歴史資料にも、省みられることはない。

 しかし、20世紀と21世紀を生きたひとりの平凡な女が、日常をどう過ごし、毎日どんなよしなしごとが胸に去来したのか、ということを記録しておくことが、もしかしたら何らかの役にたたないとも限らない。

 将来、日本学研究者のなかに、「日本語教師自己形成史」なんてのをテーマにしてみよう、という奇特な留学生がでるかもしれない。そのときに、ひとりの教師が小学生の時から、どのように言葉を身につけ、言語作品から影響を受け、自己形成をしていったのかをトレースする材料になれば、こんな日記でも残す意味がある。

 留学生の中に、明治期に海外留学した女性の自己形成史をまとめている人もいるし、明治大正女性の自己形成を調べるため、女性受刑者の裁判記録を調べている人もいる。調書の中に、幼少のころの話がでてくるからだ。

 「日記のメインコンテンツは、妬み嫉み僻み、恨みつらみに負け惜しみ、悩み半分。ふみ読み半分」という開き直りキャッチコピーをつけた。
 「他人の愚痴ぼやきを誰が読むか」というヒメの評は正しいが、しかし、文学者の日記でも、滝沢馬琴の日記など、毎日金計算の記録ばかりというではないか。なんでも記録すること。トリビアに神やどる。

 また、何の役にたたないとしても、私のお葬式をするとき、読経のかわりに参列者に一日分づつ日記をマイクの前で朗読してもらい、それが焼香献花のかわりでもある、という「おわかれ会」にしてもらうことにする。娘息子に遺言を残しておくから、坊さんに渡す読経料お布施の節約にはなる。  銀の匙などくわえずに生まれ、家土地残さず金も残さず生涯を過ごすひとりの女が、たった一つ残すものが「ぐちぼやきの日記」である。この日記は私の人生と等価なのだ。ま、安上がりな人生だったな。

 惜しむらくは、日記を書くようになって以来、7歳8歳9歳の「絵日記」を引っ越しのときなくしたことだ。昔住んでいたアパートの押入の天井裏に画用紙の束を置いておき、忘れてしまった。あのアパートはとっくに取り壊して、絵日記は押入のふすまといっしょに燃えるゴミになったろう。小学校4年生からはノートに書くようにしたので、残っている。

 「学校卒業後、数年お勤め。結婚、出産。子ども二人を育てながらパート勤め」という人生の女の10歳から44歳までの日記が段ボール一箱の中に入っている。
 45歳から10年間は、キャノンワープロフロッピーと、パソコンフロッピーに入っている。保存に失敗して消えてしまった分もあるが、フロッピーに最大記憶量入れると、だいたい1年で1枚。平均すると、一日分は400字詰め原稿用紙なら3~4枚分。最近の分は、1999年9月からの5年間で5枚のフロッピー。

 仕事を週5日間、週1日ジャズダンスレッスン、忙しくて視覚障害者の朗読ボランティアが最近できなくなってしまったが、朗読が好き。毎日愚痴をこぼしているが、戦争や災害や事故事件のまっただ中にいる人から見れば、可もなく不可もない生活。どうということもない人生。

 そういう生活の記録に何か意味があるのか。いや、無意味でもかまわない。高い能力と効率の良い時間の使い方が「勝ち組人生」にとって必須であるなら、負け組の愚痴やぼやきも必須である。

 たった一枚の葉っぱも、海の底で人知れず生まれて死ぬ深海魚も、宇宙輪廻の中の必須の存在。なーんてね。火星が6万年に一度の大接近すると、私も50年に一度は、教祖様のようなことを言うね。お布施を集めたい。 

 還暦を無事迎えたら、50年分の日記を本にするつもりだったが、自費出版するお金もたまりそうにないので、HP公開するのだ。

 一日中、HPビルダー。
 始めると、止まらない。目に悪い。ワープロで書いた日記をコピーするだけだから、簡単にできると思ったら大間違い。
  なぜなら、子どもたちは「お母さんが自分の趣味で日記公開するのは、自分の人生なんだから好きにしたらいい。でも、ぜったいに子どもを巻き込まないで。日記の中に、子どもを登場させないで。子どものプライバシー保護で迷惑をかけないで」と言う。

 娘が1歳半から半年に一度、親せき向けに発行していた家族新聞も、私が子どもと離れて半年間過ごした中国単身赴任を終え、帰国したという報告を最後に休刊した。娘が「自分のことを書かれるのはイヤ」と、言ったからだ。

 子どもたちの成長エピソードをおもしろおかしくつづるのは、私にも親せきにも楽しみだった。お寺で、お墓参りのろうそくに火をつけたら、2歳の娘が「ハッピバースデ、ツーユー」と歌い出した、などなどのエピソード、親せきに「笑い話」として好評だったのだが、子どもにしてみると、「自分が直接知らせたのではない情報」によって、笑いのネタにされることがいやだったのだろう。

 しかし、「ぜったいに子どもを登場させないで」というのは、いささか無理がある。私の生活、人生の大半は「子どもにかかずりあうこと」で成り立っているからだ。子どもの話を抜いたら、私の生活ではなくなってしまう。

 「花火を見に行った」と書くのも、私にとって、花火がきれいなことに意味がある以上に、子どもといっしょに見て、時間をともにすごしたことに価値があるのだ。
 それで、日記を読み返して、子どもたち登場シーンはできるだけカットして、名前の出る部分は仮名にした。それでも、子どもの話は多い。

  日記のうち、2001年ゴールデンウィークと2002年ゴールデンウィークのものは、子どもの名前が娘息子としか書かれていないことがわかっているので、コピー。日本人クラスの学生に配布した際、名前を削ったからだ。

 去年、一昨年ゴールデンウィーク期間中、全学休校となるので、日本人学生に宿題を出した。レポート1「私の異文化体験、または、私が受けた語学授業の思い出」、レポート2「レポート1をもとにして考えた理想の授業」

 学生に作文を提出させた後、必ずひとりひとりにコメントを書いて返却する。そして教師の側も学生に自分の作文を配布する。ゴールデンウィーク中に、日本語教育やことばについて考えたこと、異文化体験、日本文化などについて、書いた日記を配布したのだ。学生は成績に関係ない文であれば、読みゃあしないのだが。学生にレポートを要求したら、こちらもノルマを果たすというポリシー。
 今年は同じタイトルのレポートを「期末レポート」にしたから、私からの作文配布もなし。

 8月上旬と中旬の分をコピーしただけで、この作業がいやになった。結局全部読み返すことになり、読み返すと、自分の日常がどれほど「どうでもいいこと」の連続であるか確認することになる。ぐちと、ぼやきと嘆きといやみ。「どうでもいいこと」の集積が私の日常なんだから、しかたがないけれど。

本日のひがみ:読まれないとなると、まだひがむのだろうな、うらやましいぞ人気サイト

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2003/08/29 金 晴れ 973
日常茶飯事典>HPビルダー3 ステップバイステップ

 「ステップバイステップ日本語教授法」をHPビルダーにコピー。私自身のシラバス授業進行に合わせて編集したものだから、私にとっては価値のある編集だ。しかし、すぐれた編集の日本語教授法の本が山ほどある中、私が書いたものなど出版するほどのものではない。

 自費出版で100部印刷しても、年に20人30人の学生に強制的に買わせて売り切れるまで5年もかかる。
 だが、「日本語教授法」の本を買おうとまでは思わないけれど、HPで無料で見られるなら、「日本語教育」というものがどんなことをやるのか、ちょっと覗いてみよう、という人に役にたつかもしれない。

 名前を仮名に変える必要はないが、一太郎で作ったページは、罫線がコピーされないので、表を作り直すのがめんどうだ。分っている人には、もっと効率のよい方法があるのだろうが、ことばを打ち込む以外はわからないので、実にたいへんだ。ワープロ機能以外で使うのは、インターネットとメールだけ。HPビルダーが、はじめてのワープロ以外のソフト導入なのだ。

 夫の事務所パソコンに一太郎をインストールしたいというので貸したかわりに、エクセルを借りてこよう。エクセルを覚えるのもたいへんそうだが。

本日のふみ読み:自分で書いた日本語教授法、いいと思うよ、ただならば

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2003/08/30日 土 曇り
日常茶飯事典>松岡正剛トーク

 「たべてるとき、ねてるとき、おふろに入っているとき以外、お母さんはパソコンの前にいるね。お母さんが仕事もしないでパソコンであそんでいるんだから、ぼくだって、宿題よりゲームだ」と、息子。
 こんなふうに寝る間食べる間を惜しんで取り組める、夢中になって遊べる「遊び道具」が見つかったことは、老後の計画にいいと思うよ。でも、それが夏休みの宿題をやらないことのいいわけになるのか?ならん。

 夕方池袋へ。ジュンク堂で松岡正剛トークショウ。4階喫茶店の狭いスペースにぎっしり椅子を並べて、60人くらい入っていた。思いの外、若い人たちも多かった。編集学校の生徒たちかな?皆、好奇心旺盛な顔をしている。しかし、私の隣にすわったお嬢様は、最初から最後まで居眠りをしていた。せっかくの面白い話なのに、もったいない。

 松岡と本の関わりについて。編集者として『遊』や『全宇宙史』を作ったときのエピソード、読者として本に対する姿勢、千夜千冊のこと。著者として本にかかわるときのこと。

 著書の中や、インタビュー記事などを注意深く読んでいるコア読者にとっては「周知のように」なことかもしれないのだが、私にとって初めて知ったトリビアがいくつかあって、とてもおもしろかった。松岡が脳内圧力が高くなって入院したことは『フラジャイル』や他の本に書いてあるが、その原因は早稲田時代に議長を勤めていたころのこと。デモに出て逃げ遅れ、機動隊にしたたか棒で後頭部を打ちのめされた。そのときの怪我の後遺症がでたものであったと。

 また、生い立ちについて、京都呉服屋のぼんぼん育ちかと思っていたのだが、実は大学4年生のとき父親が当時の金額で500万ほどの借金を残して死去。その借金返済を遺産として受け継いでの社会人生活スタートだったこと。などなど。

 デモで逮捕され、留置所刑務所を経験した者、政治活動によって怪我を負った者、自分を原因としない借財を背負う者に対して、私は無条件で「私よりエライ」と尊敬の念を持つ。私は怪我もせず親の借金も負わなかった。松岡は、すでに2つの点でソンケー。

 もうひとつ、私が無条件でエライと思う人は、ハンディキャップを持っていてもそれにうちのめされることなく生きている人。ハンディキャップを持つ人に寄り添っている人。「頭と性格と顔」が悪かったことは私にとってハンディだったが、手足目耳などのハンディは、今まではなかった。

 『山水思想』のサイン本を売るというので、ミーハー心が動いたが、4700円の本はすぐには買えない。図書館で読んでから、どうしても手元におかなければ、と思ってから買おう。

 門前小僧の先生が来ていたので、あいさつした。今期は申し込まない、来期にするといったら「正式な申し込みは締め切りましたが、まだ、間に合いますからメールだして」と言われた。まさか「電子レンジがこわれたので買い換えねばならず、圧力鍋もこわれてしまい、自分のための10万円が用意できません」なんて理由は言えないから「はい、じゃあ失礼します」なんて曖昧な笑顔で会場を出た。

 トイレに行ったら、隣の席のいねむりお嬢様たちが眠気覚ましにであろうか、鏡の前でメーク中。関西弁のおしゃべりを聞いていたら、彼女たちは(たぶん)手○○学院大学の学生。「あいさつせんと、このまま帰っちゃってええんやろか」「ええやん。けど、ほかの人ら、うちらと違うな」「あの人たちにとっては、センセー特別な存在なんやろね」「うちらにとっては、フツーにセンセーなんやけどね」というような会話を交わしている。

 「フツーに先生」というのは、授業中話したり課題を出してレポートを書かせたり、成績をつけて単位をくれたりする、他の教授たちと同じ、という意味だろう。松岡の考え方や著作に惹かれて集まった他のファンとは、どうも印象の違うお嬢さんたちだと思っていたら、松岡ファンではなく「フツーに女子学生」の人だった。もしかしたら、、夏休み中東京に遊びにいく者がジュンク堂でのトークを聞くと、前期の出席が不足した分を穴埋めして出席回数に含める、というワケアリだったのかも知れない。
 
本日のつらみ:自己開発より圧力鍋

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2003/08/31 日 曇り、夕方少し夕立 
日常茶飯事典>HPビルダー4 個人情報保護

 一太郎のマニュアルを探したら、ある語全部を別の語に一括変換する方法がわかった。だんだんマスターしていく。日記作成キットを取り入れれば、もっと簡単にできるのかもしれない。

 しかし、私の日記サイトは、毎日のことをリアルタイムで公開するのでなく、一ヶ月ごとにまとめてアップするという方法をとるつもりなので、今まで通り一太郎ワープロで書いてから、あとでHPビルダーにコピーという方法でいいのじゃないだろうか。そのうち日記作成キットのことも調べてみよう。
 プレビューで見ると、行間がつまっていて、見にくい。もっと行間をゆっくりとりたいが、どうしたらいいのか、わからない。一太郎設定なら簡単なのに。

 単位制高校情報科で20単位分、情報理論やパソコン実習の授業をとった娘、情報処理資格やワープロ検定に合格した。大学でも去年1年間情報基礎論を受講した。それで、私の日記公開にあたって、「個人情報保護」レクチャーをヒメから受ける。

 HPを読んだ人に、匿名者がだれかわかるような情報は絶対にダメ。地名人名は公的なものだけ載せ、私人の情報はすべてカットする。
 HPを公開している人の名は、そのページで使用している名にする。たとえば、義姉の夫は、ハンドルネーム「翻訳者O(オー)」、姪たちは、くらげん、ひつじなど。実名を仮名にするときは、まったくかけ離れた仮名にすべきで、英子さんの仮名がA子さんだったりするのはダメ。

 個人情報のうち、自らがHPで公開しているもの、著作に書かれて公になっていることはOK。たとえば、ひつじは自分のHP日記に結婚式場下見について書いているから、私がいっしょに行ったことを書いてもOK。

 それ以外のことは、たとえ仮名にしてもオフレコード。
 たとえば、Aダンス内で、だれがセンターポジションで踊るかをめぐって確執があった事件。だれがどんなことを言ったか書くなら、言った全員に「このことをHPに載せてもいい?」と聞いて、OKをとらなければいけない。そんなの面倒くさいから、自分はセンターで踊りたくないってことだけ載せることにした。話はまったく面白くなくなってしまうが、しょうがない。主婦のケンカって、面白いのに。
 授業のことも、個人名が特定されないよう、要注意。

 でもそうやって削っていくと、「どうでもいい日常」が、ますます干からびた面白くとも何ともないものになっていく。自分の日常が、いかに個人がすべったころんだケンカしたという些末情報でなりたっているかがわかる。
 些末情報トリビアが私の日常なのに、中身が半分以上なくなってしまうのだ。

 たかが個人のHPで、これだけ気を遣って個人情報を保護しようとしているのに、住基ネット個人番号制では、たぶん個人の記録は、何らかの漏洩が問題になるだろう。将来、健康保険年金などが一本化されてカードになれば、病歴職歴などすべて国家が個人情報を把握できる。SF小説で何度もネタになってきた管理社会は目前だ。
  
本日のなやみ:キーボード腱鞘炎になりそう
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2013/08/08
 2003年の夏、ホームページビルダーと格闘しながら自分のHPをUPしました。それだけでずいぶんな大仕事をなしとげた気分でいた8月。
 それから10年、あきもせず、1週間に7千字から1万字という分量で書き続けてきました。ほんとうに些細な日常茶飯事。読み返してみれば、10年前も今年もまったく同じことをやっている。花火見て、映画見て、古本屋で百円本買って、本屋のトークショウを聞いていました。

 ただ、10年前はホームページビルダーを使って作ったHPは、パソコン買い換えたときから放置。2003年9月からはじめた無料HPサイトのほうは長続きしています。
 ネット友達ブログ友達も何人かできました。続けられたのは、コメントをいただくのがうれしくて、だれかによんでもらうことが励みになったからです。

 たぶん、これからも、娘むすこに「くだらないことをぐだぐだと」とけなされながら、書き続けていくことでしょう。
 2003年の夏日記、「ブログをはじめた初心に戻る」みたいな感じで、コピー&ペーストもちょっとは自分に意味のある作業でした。

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2013/08/08
 こうして春庭は、2003年の夏休みに四苦八苦してホームページを立ちあげ、以後の10年間、ブログ更新が最も重要な日課となっております。今夏は、ネットカフェやら図書館パソコンコーナーから更新中。

 8月6日、ようやく息子が出かける気になったので、秋葉原にいっしょにいきました。息子は、壊れた液晶画面の修理依頼。5万くらいかかるといわれました。私のは、2008年から使っているノートパソコン、ウィンドウズXP。起動しなくなって早一ヶ月。ウィンドウズ8の評判がイマイチなので躊躇っていましたが、息子が使っているのと同じウィンドウズ7は、もう中古市場で探さないと見つからないというので、ウィンドゥズ8を交わされるはめになりました。買い替え戦略にはめられている気がします。
 月末に届くという格安パソコンが届くまで、図書館利用がんばります。ネットカフェのパソコンより遅くていらいらしますが、ただなので。

 暦のうえでは秋になり、暑中見舞いは使えないということなので。
残暑お見舞い申し上げます。

<おわり>
コメント (2)
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