春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「ケニア人キプチョゲ・ケイノのことば」

2016-08-13 00:00:01 | エッセイ、コラム
20160813
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>葉月のことば(8)ケニア人キプチョゲ・ケイノのこと

 リオデジャネイロ・オリンピックが始まって1週間。熱戦が続いています。
 我が家、個人競技を中心にテレビ番組くまなく視聴し応援しているところ。ふだんはスポーツ番組やっていてもラグビーとかフェンシングとか、ひごろは見たことない種目まで見ています。水泳や体操団体での金メダル、大喜びしました。

 4年に1度の大舞台に向けて、どの選手もたいへんな努力を払ってきただろうと思うと、なにも努力していない当方としては、ほんとうに頭が下がります。
 イチロー選手の3000本安打も、オリンピックのメダルも、応援している者たちに大きな希望を与えてくれます。
 課題の多いオリンピックであることは、わかっていますが。

 開会式では地球環境の危機が演出され、極地の氷が溶けると、世界各地で海岸地域が広く浸水してしまうことが示されました。今大会に参加している太平洋地域の島国のいくつかは、国土の大半が海中に没してしまう地域があります。
 選手入場行進ではブラジルの前に難民チームが歩いていました。このまま世界各地の紛争が続けば、東京オリンピックでは難民チームが増えてしまうのかもしれません。
 世界には解決されないままの問題が山積みであるのはわかった上で、競技期間中はすべての争いはやめにした、という古代の例にならって、生きていくためのパン食い競争の争いもやめて、観戦中です。

 選手宣誓ではドーピングをしないことも宣言されましたが、「国家の威信」「国を背負って競技する」を掲げている限り、「発見されないドーピング」の開発は続くでしょう。金メダル獲得数競争をするなら、血液検査にも尿検査にもひっかからない薬物開発に成功した国がトップになるのかも、

 これまでのオリンピック開会式にはなかったイベントとして、IOCが新たに設立した五輪栄誉賞(Olympic Laurel)の初受賞者が発表されました。受賞者はケニアのキプチョゲ・ケイノ氏(ケニアオリンピック委員会会長)。
 ケイノさんとオリンピックの関わりは、奇しくも東京オリンピックから。1964年東京オリンピックで5,000mで5位入賞。1968年メキシコでは1500mで金メダル、5000mで銀。1972年3000m障害で金。1500mで銀。

 ケイノさんの活躍により、ケニア勢の長距離界躍進が始まりました。ケイノさんは、各地の競技会で得た賞金などをもとにケニアに農場を取得し、孤児院、学校、スポーツ選手養成所などを設立。後進の育成指導に当たり、以後のケニア選手の活躍の基礎を築きました。

 以下は、キプチョゲ・ケイノ氏のスピーチ。

この五輪名誉賞を初めてもらい、光栄に思います。私とともに、すべての若者達が人権を得ることができるように、食料、住む場所、教育が得られるように、私と一緒に取り組んでください。

教育は若者の力を支えるだけでなく、より良い市民になり、前向きな変革を起こし、より良い人間になり、より良い世界を作ります。私は何も持たずにこの世に生まれ、何も持たずにいなくなります。神様は偉大です。教育によって、教育を通して、未来の人類を教育で育てていくのです。本当にありがとうございました

 
 スポーツで勝つことが、国の威信のために終わるなら、あるいは「経済効果」一点張りで準備を進めるなら、2020年のオリンピックも楽しめなくなる。
 キプチョゲ・ケイノさんがしてきたように、子ども達がスポーツを通して希望を持って歩いて行けるようにしたい。

 ブラジル国民の半数がオリンピック開催に反対のまま、開幕したそうです。
 開会式パフォーマンスでは、民族の多様性を強調していましたから、国民の半数が反対したオリンピックであることも、多様性のあらわれかと思います。
 同調圧力の強い日本では、「反対」という意見はだしにくいでしょうね。

 娘息子は中学高校で水泳部だったので、水泳の予選から「この声援、地球の裏側に届け」と応援に声をからしています。自分の力を発揮して競技する選手の姿は尊いし、選手を応援することによって応援する側も力をもらえること、ありがたいと思っています。
 応援に力をこめることで、応援する方にも力がわいて、今目の前にある苦難をのりこえることを願いつつ、五輪観戦を続けます。

 熱波にまけないように。
 暑いです。

<つづく>
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする