20160816
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>葉月のことば(10)夏の花
原民喜『夏の花』から(青空文庫から引用)
私は街に出て花を買ふと、妻の墓を訪れようと思つた。ポケットには仏壇からとり出した線香が一束あつた。八月十五日は妻にとつて初盆にあたるのだが、それまでこのふるさとの街が無事かどうかは疑はしかつた。恰度、休電日ではあつたが、朝から花をもつて街を歩いてゐる男は、私のほかに見あたらなかつた。その花は何といふ名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかつた。(略)
ギラギラノ破片ヤ
灰白色ノ燃エガラガ
ヒロビロトシタ パノラマノヤウニ
アカクヤケタダレタ ニンゲンノ死体ノキメウナリズム
スベテアツタコトカ アリエタコトナノカ
パツト剥ギトツテシマツタ アトノセカイ
テンプクシタ電車ノワキノ
馬ノ胴ナンカノ フクラミカタハ
ブスブストケムル電線ノニホヒ
原民喜が妻の墓前に供えた花は、何だったのだろう。黄色の小瓣の可憐な野趣を帯びた花とは。
ツワブキは晩秋から冬に咲く花なので、夏の花ではありません。
ツワブキは、愛媛県伊方町のシンボルフラワーです。
活断層のわきにたつ伊方原発の周辺地域、避難経路も未だに確定していないそうです。そんな地域に位置する高齢者ホーム「ツワブキ荘」の安全を願って。新安全基準によれば絶対安全だと言うことですから、願うまでもないことなのでしょうが、2011になるまで、フクシマも絶対安全のはずだったのでね。年寄りのつまらぬ心配性なのでしょう。
「つわぶき」(画像借り物)
<おわり>
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>葉月のことば(10)夏の花
原民喜『夏の花』から(青空文庫から引用)
私は街に出て花を買ふと、妻の墓を訪れようと思つた。ポケットには仏壇からとり出した線香が一束あつた。八月十五日は妻にとつて初盆にあたるのだが、それまでこのふるさとの街が無事かどうかは疑はしかつた。恰度、休電日ではあつたが、朝から花をもつて街を歩いてゐる男は、私のほかに見あたらなかつた。その花は何といふ名称なのか知らないが、黄色の小瓣の可憐な野趣を帯び、いかにも夏の花らしかつた。(略)
ギラギラノ破片ヤ
灰白色ノ燃エガラガ
ヒロビロトシタ パノラマノヤウニ
アカクヤケタダレタ ニンゲンノ死体ノキメウナリズム
スベテアツタコトカ アリエタコトナノカ
パツト剥ギトツテシマツタ アトノセカイ
テンプクシタ電車ノワキノ
馬ノ胴ナンカノ フクラミカタハ
ブスブストケムル電線ノニホヒ
原民喜が妻の墓前に供えた花は、何だったのだろう。黄色の小瓣の可憐な野趣を帯びた花とは。
ツワブキは晩秋から冬に咲く花なので、夏の花ではありません。
ツワブキは、愛媛県伊方町のシンボルフラワーです。
活断層のわきにたつ伊方原発の周辺地域、避難経路も未だに確定していないそうです。そんな地域に位置する高齢者ホーム「ツワブキ荘」の安全を願って。新安全基準によれば絶対安全だと言うことですから、願うまでもないことなのでしょうが、2011になるまで、フクシマも絶対安全のはずだったのでね。年寄りのつまらぬ心配性なのでしょう。

「つわぶき」(画像借り物)
<おわり>