
台風一過の旧岩崎邸
20160830
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2016十六夜さまよい日記8月(4)8月の散歩その2
8月17日第3水曜日、無料散歩の4回目。16日夜から台風7号が心配されていましたが、17日は暑い夏日になりました。
ミサイルママは、旧岩崎邸を見たことがないというので、案内することにしました。私はおりにふれて訪問し、建築案内パンフレットなども読んできたので、ボランティアガイドさんが説明してくれるほどは、ミサイルママに説明してあげられる。
上野公園公園口、文化会館の中で待ち合わせをしたのですが、あいにくと閉館日でした。それで、東京都美術館の中に変更して、「木々との対話」をもう一度見ました。こちらも、私は一度見ているのですから、須田悦弘の作品がどこに隠れているのか、なんてことを得意そうに教えて「へぇ、こんな本箱の間に作品があるなんて、教えてもらわなきゃわかんないよね」と、ミサイルママが言う。「私も教えてもらってわかったんだよ」と思ったけれど、言わないで、自分で見つけたふりしました。こんなところで見栄張って。
動物園を通り抜けて岩崎邸に行くことにしました。65歳以上の人、入場料300円。「え~、無料じゃないのぉ」と思って、「無料散歩」がコンセプトなのでやめようか、と思ったのだけれど、ミサイルママが「次男が5歳のとき、来て以来20年以上も動物園に来ていないので、入って見たい」というので、入場。
私は、みどりの日や都民の日の入場無料になるたびに動物園も入ったし「ぐるっとパス」という美術館や動物園の入園セットチケットを買ったときは、「せっかく入場券がついているのだから、チケットつかわなきゃ」と貧乏性発揮して、せっせと動物園も来ていたので、そうか、ふつうは、子どもが動物園卒業すると、次は孫を連れてくるまでこないのか、と思いました。ミサイルママは、次男さんがそのうち結婚して孫できたら、いっしょに動物園にくるでしょうけれど。
最初はパンダ。朝方の台風通過のため、あまり混んでいなくて、ゆっくり写真を撮ることもできました。
メスのリーリーとオスのシンシン。どちらもリラックスして笹の葉を食べていました。


象、猿山、シロクマを見て、西園へ。フラミンゴ、シマウマ、キリン、などをささっと見て、ペンギンの前の休憩スペースでお弁当を食べました。アイアイの森を見て忍口出口へ。
旧岩崎邸もすいていて、ゆっくり廷内を回れました。

めての場所では必ず迷う私も、ちゃんと辿り着きました。
私は、金唐革紙の話などを得意になってしたいのですが、ミサイルママは、室内の見学ではまず、カーテンのタグを調べました。3月までインテリア会社で働いていたミサイルママ、一番気になるのは、カーテンなのです。「うちの会社も社長が入札に参加したんだけれど、やっぱり大手が仕事とっていくんだよね」と、タグの社名を見て、小規模会社が大手に伍していく難しさを語っていました。
玄関ロビーでゆっくりするミサイルママ


8月後半、しばらく途絶えていた演劇鑑賞もすることができました。
19日金曜日、視覚障害をもつアコさんの外出ヘルプで、豊島区大山の昴スタジオへ。上野駅で電車を降りるアコさんを待ちました。私ははじめて豊島区大山の昴スタジオへ行くのですが、昴はホームページに道案内ビデオを放映していたので、初
「チャリングクロス街84番地」を観劇。
ニューヨークで家庭教師やヘルパーをしながら小説を書く売れない作家ヘレンと、ロンドンの古書店主と店の従業員が20年間に渡って文通し、互いに書物愛を語り合う中、友情をつむぐ物語。
舞台は、往復書簡集である本をそのまま脚色し、その手紙を交互に朗読し合う、という演出でした。したがって、朗読劇に近く、舞台を派手に動き回る近ごろの演劇に比べると地味。
売れない作家と古書店主の間にあたたかい友情が育つことはわかったのですが、淡々と舞台がすすみ、ときどき眠くなりました。2度目にこの舞台を見るというアコさんも「ちょっと眠いところがあった」ということだったので、この物語は、やはり本を読んだ方が伝わるのではないかと感じました。本を愛する人々の話なので。

大山ハッピーロードという商店街の中にある古風な甘味屋で、アコさんと宇治金時を食べました。私もアコさんもこの夏はじめてのかき氷。「毎日は食べなくてもいいけれど、ひと夏に1回は食べたいよね」と言い合いました。東京駅新幹線乗り場までアコさんを送りました。
上野駅でいったん降りて、息子と待ち合わせ、構内エキュート商店街で、娘のリクエスト「メルヘンのサンドイッチ」をおみやげに買いました。「あちこちで食べて見たけれど、メルヘンのフルーツサンドとローストビーフサンドが一番おいしい」と、食いしん坊の娘が言います。
24日水曜日は、下北沢で演劇鑑賞。「東京ノーヴィレパートリーシアター・スタニスラフスキースタジオ」という長い名前のところで演劇勉強中のK子さんが、「出演します」と連絡をくれました。今回ジャズダンス仲間はみな都合が悪くいっしょにいけないというので、私ひとりで観劇。

アイルランドの劇作家トマス・マーフィー作『バリャガンガーラ・笑いのない町」。
認知症になり同じ昔話を繰り返すばかりで、介護を続ける孫娘とはコミュケーションをとろうとしない老婆と、看護婦の仕事をやめて介護につくすのにむくわれず、疲れ切ってしまった孫娘メアリー。ふたりの孫娘のうち、メアリーの妹ドリーは、メアリーから恋人を奪う形で結婚し、子どもの世話があるからと、介護はメアリーにまかせたままです。老婆にはおばあちゃんと(Mommo)いう呼び名が出てくるだけで、名前は最後まで出てきません。
おばあちゃんが語ろうとしていつも最後までたどりつかない村の物語を、メアリーは最後まで語らせることで、ある種のカタルシスを得て、希望を見いだします。
アイルランドについてあまり理解していない私には、舞台の背景などをまったく知らずに観劇したので、よく理解できないところがありました。よくわかったのは、K子さんのすごい熱演。メアリーとはコミュニケーションがとれず、たえずぶつぶつと村に伝わる「どうして村の名が『笑いのない町』と呼ばれるのか」というストーリーをつぶやいていて、そのお話は、いつも完結しない、そんな難しい役です。
おそらく、この「バリャガンガーラ」は、日本で初演なのではないでしょうか。とても貴重な上演だったと思います。
8月28日、夏の最後のお楽しみ。「原宿元気祭りスーパーよさこい」を久しぶりに見ました。去年はミャンマーにいたし、おととしも一昨年もあまりお天気がよくない中のよさこいだったので、行かなかった気がします。
「スーパーよさこい」土日の開催なので、毎年ミサイルママは仕事があり、いっしょにいけませんでした。今年こそ、退職後で土日にいっしょに行けるかと思ったのですが、実家に顔を出すとかで行けず、ひとりで見ました。
代々木ステージとNHK前ストリートの演舞。途中、「うどん天下一コンクール」投票が行われているコーナーで、「長崎の豚角煮うどん肉増し」を食べました。とてもおいしかったので「大満足」に一票いれました。
夏の終わり、100を超えるチームが参加し、1年間練習を続けてきた踊りを披露する、みな生き生きとしていて、見ているこちらも元気をもらえます。優勝したチームだけでなく、初参加もまだまだ踊りへたっぴチームも、楽しそうに踊っていて、とてもよかったです。
大賞チーム「しん」は、琉球弁の歌と衣装で、踊りもキレキレでした。

NHK前ストリートの最終演舞は、ガーナからの留学生研修生を含むチーム。

春から夏、落ち込むばかりの春庭でしたが、オリンピックを見るのも、スーパーよさこいを見るのも、友人と会っておしゃべりするのも、おおいに助けてもらいました。
感謝です。
<おわり>