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ぽかぽか春庭「7月散歩」

2016-08-27 01:52:51 | エッセイ、コラム

海老原喜之助 「雨の日」

201608127
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2016十六夜さまよい日記8月(2)7月の散歩

 7月、雨の中また猛暑のなか、時間を見つけてあるきました。といっても、お出かけ先は、たいてい公園か美術館です。
 東京で無料で楽しめる場所、いろいろあります。無料や低額のコンサート、入場無料のまた65歳以上無料の美術館博物館、建物。公園や街角で見る大道芸(東京ヘブンアーティスト)、図書館、資料館、東京都庁や文京区役所の無料展望室もよいし、お寺巡りもよいですね。今年残念だったのは、花火に行けなかったこと。東京湾花火はオリンピック施設建設のため、中止になっていますが、荒川、江戸川などの花火、見たかったけれど、日程があいませんでした。

 7月13日、雨もよいの一日。一人で皇居東御苑を通り抜け、三の丸尚蔵館へ。皇室より寄贈の作品から、馬を主題にした絵や彫刻が展示されていました。
 「蒙古襲来絵詞」前巻」から出展されていました。「白石六郎通泰其勢百騎後陣よりかく」と説明がある鳥飼潟の戦いの絵。元軍に突撃する竹崎季長の後方から、元軍に弓を射る肥前国御家人・白石通泰の手勢を描いています。教科書などに挿絵として出る蒙古襲来絵詞の図はたいてい竹崎季長が蒙古軍と闘う場面なので、白石通泰の戦いぶりの絵、はじめて見ました。馬が躍動しています。『蒙古襲来絵詞』は模本が多く残されていますが、明治期に皇室が購入したものが元になっています。


 国立公文書館にも立ち寄りましたが、展示替え中。
近代美術館へ。立ち寄るたびに展示替えしていて、いつ来ても楽しめます。

 セザンヌ「大きな花束(1892-95)」、草間彌生「残骸のアミュミュレーション 離人カーテンの囚人1950」が、初めて見る作品でした。

セザンヌ「大きな花束」


草間彌生「残骸のアミュミュレーション」


 また、新購入の松本竣介が13点並んでいて、「松本俊介展」を見に行ったときと同じくらい堪能できました。松本竣介展では写真撮影禁止でしたが、こちらは通常展で館所蔵作品なので、フラッシュ禁止を守れば撮影自由です。

松本竣介「ニコライ堂」

 7月17日日曜日。ジャズダンスメンバーのミサイルママ&コズさんと溝の口の洗足学園大学のコンサートホールに行き、合唱コンサートを聴きました。コズさんの合唱サークルの先生が出演していたからです。大人数の合唱、迫力がありました。アイヌ民謡をもとにした合唱曲、とてもよかったです。

 帰り道、溝の口駅近くの久本薬医門公園でひと休み。250年前に岡東栄が、久本の地で医院を開業して以来、医家として存続してきた家の門と蔵が公園内に保存されています。

久本薬医門公園 倉

公園で遊ぶ親子、シャボン玉を追いかける女の子の姿を見て、幼い頃の娘も同じようにシャボン玉を追いかけたなあと、なつかしくなりました。何を見ても、「ああ、あのとき娘はこうだったなあ」と、しみじみするのも、私が年取った証拠でしょう。


7月20日、「第3水曜日おとなの遠足3回目」
 ミサイルママと上野公園をめぐりました。ちょうどルコルビュジェ作品が世界遺産になったところだったので、65歳以上無料の常設展を見ました。前との展示替え作品で新しく見たものはありませんでしたが、やはり建物自体をじっくりと見学。
 常設展の入り口、ロダンの彫刻がある19世紀ホールも、いつもはささっとロダンを見て通り過ぎますが、ルコルビュジェ作品としてちゃんと見ました。

西洋美術館19世紀ホール


西洋美術館模型


西洋美術館西門から撮影

 ミサイルママと、サンドイッチお弁当を食べながら見ていた東京ヘブンアーティスト。バイオリンの演奏、よかったです。私の投げ銭基準「聞いていてよかったら、15分100円、30分200円、60分500円」と話したのですが、ミサイルママは「息子もときどき大道芸演劇やって、投げ銭もらうこともあるので」と言って、私より多めにあげていました。我が子を思えば、大道芸もおろそかならず。


穴澤雄介(ヴァイオリン)と高木將雄(ドラム)のデュオDot&Line、ランチタイムをすてきにしてくれた演奏をありがとう。

 7月28日、Yokoちゃんと上野公園へ。ポンピドーセンター展、こども図書館、東京国立博物館などをめoぐりました。
 Yokoちゃんとの散歩は、私の都合で一度キャンセルをしてしまったので、28日木曜日を楽しみにしていました。お天気もよくてよかったです。

 こども図書館のレストランでお昼ご飯を食べながらおしゃべり。

こども図書館

 こども図書館階段

 東京都美術館のポンピドゥーセンター傑作展。1906年から1年にひとつの作品を選び、1977年のポンピドゥセンター設立の年まで、1年ひとりの作家が並んでいる、という展示方法でした。1945年だけは、あえて作品を出さずにエディット・ピアフのラヴィアンローズが小さな音でながれている、という構成。

入り口横の看板


yokoちゃんが一番気に入ったカンディンスキー「30」1937


HALが一番気に入ったセラフィーヌ・ルイ『楽園の樹』1929


 私は、これまでセラフィーヌ・ルイの作品を見たことがなく、2008年には伝記映画『セラフィーヌの庭』がさまざまな賞を得ていることも知りませんでした。
この作品を見て、絵を習ったこともなく、家政婦をしながら絵を描き続けたセラフィーヌ・ルイを知りました。
 セラフィーヌは40歳ころ「天使から、絵を勧められて」描きはじめました。誰に知られることもなく描き続けるなか、セラフィーヌが家政婦として働く家に画商ウーデがやってきて、彼女の絵を買い上げ、以後の援助を続けました。しかし、1929年の世界恐慌の影響でウーデはセラフィーヌへの援助ができなくなりました。突然見放されたセラフィーヌは、しだいに心を狂わせていきます。映画『セラフィーヌの庭』をぜひ見たいです。
 
 絵を見てから、上野駅前のグリーセンターカフェで、ビールを飲みながらひとときのおしゃべり。春から夏まで落ち込むことの多かったかHALですが、散歩のいっぽごとに友人からパワーを分けてもらって、少しずつ元気になってきました。まだまだへこむ日もあると思いますが、こうしていっしょに歩くことで、みんなのエネルギーをもらって、前を向いていけます。
 お散歩ともだち、ありがたいです。 

<つづく>
コメント (6)
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