
20190209
ぽかぽか春庭シネマパラダイス>輝ける人生の映画(1)自分の足をみつけること
昨年から今年、見た映画は、飯田橋ギンレイのシネパスポートで見たか、録画しておいたテレビ放映の映画。もう録画の容量がいっぱいになっているので、年末年始休みに消化しようと思ったのに、年末29日も正月4日も出勤して仕事する働き者(と、自分だけが思っている)。働けど、我が暮らし楽にならざる、なんでやねん。
そんな自分の労働者人生、輝いているとは思わないけれど、働くのはいやじゃない。負け惜しみでなく。
いつもは、「稼ぎのいい夫に寄り添って(あるいは尻に敷いて)夫の年金で悠々老後人生を楽しんでいる同年配ごフジン方」に、ねたみひがみで生きているのだけれど、まあ、それもこれも自分で選んだことだから。
去年は膝を痛めたけれど、足ひきずりながらも、自分の足で歩いてきた。on my feet.
「Finding your Feet あなたの足をみつけること」という映画、「輝ける人生」なんていうよくあるタイトルにしたために、目立たないおばさん映画かと思ってスルーするところだった。「ホップ!ステップ!ダンス!!」というタイトルでも平凡な感じはするけれど、まあ、こちらのほうが内容にはあっていると思う。ラストは大ジャンプがあるし。
あらすじ。ネタバレです。
サンドラ(イメルダ・スタウントン)は、警察畑で黙々と働いて謹厳実直だと思われている夫に35年寄り添い、子どもを育て上げ孫もかわいい。文句のない順風満帆の人生のつもりでした。その日までは。
勤め上げた夫が女王からナイトの称号を授与され、サンドラも“レディ・サンドラ”と呼ばれるお祝いの席。
ド派手なパーティを抜け出したサンドラがバスルームを覗くと、夫と親友パメラが〇〇中。浮気は数年続いていたのだと。
夫は開き直って親友と再婚したいと言う始末。そうなるとレディの称号も再婚相手のもの。
傷心のサンドラは大きな荷物を担ぎ、ロンドンに住む姉ビフ(セリア・イムリー)の家に転がり込みます。何年も音信不通で仲たがいしたままの姉でしたが、サンドラは夫にたよるだけの人生でしたから、ほかに行くところなし。
ビフは、金や名誉とは無縁の気ままな人生を謳歌していました。うわべの真面目さを誇るサンドラの夫を認めないために、サンドラとは疎遠になっていましたが、妹が頼ってきたからにはと、快く迎え入れます。
ビフの親友チャーリー(ティモシー・スポール)は、認知症の妻を見舞にケア病院へかよいますが、妻はチャーリーを忘れ、毛嫌いするようになっていきます。
ビフとチャーリーはサンドラをダンス教室に誘います。無理やり連れだされたサンドラですが、実は若いころコーラスラインのダンサーオーディションを受けたこともあったことがあかされます。
ダンスは人とのつながりを呼び起こし、サンドラの心は回復していきます。
チャーリーとの交際もはじまり、街でモブダンス、友達とパーティー、そして仲間たちとローマへ。ダンスコンテストに出場するための旅でしたが、ビフが結婚しなかった理由もローマでわかります。ビフはイタリア人の恋人を失い、彼の思い出を守っての独身生活でした。
サンドラの夫は、浮気相手と再婚したものの、たちまちうまくいかなくなり、サンドラとよりをもどそうとします。
しかし、サンドラは、もう自分の足で歩き、自分の足で踊ることに目覚めたのです。
一方チャーリーは、彼を忘れてしまった妻がケア病院で亡くなり、すべてのしがらみを捨てておんぼろ船で長年の夢だった航海に出ようとします。チャーリーの船出を知り、サンドラは、、、、。
中高年にとって、ダンスが生活を生き生きとさせ、人生を輝くものにしていくというストーリー、わかりやすくて、「いぎな~し!」という映画でした。
なにより高齢者たちが、踊ることで生溌剌とする姿がいい。
映画としては平凡な作り方だとは思ったけれど、私は気に入りました。
私が所属しているジャズダンスサークルも、平均年齢60ン歳です。一番若い人63歳、一番年上は73歳。もう足は上がらず、2回転するとよろける。「アティチュード、もっと足を後ろにあげて!」と、先生叫べど、みな、せいいっぱいやっても動きは悪くなる一方。でも、いいんです。心が生き生きしてくるから。
私など、膝が完治していない、という理由をつけて、90分のレッスンのうち半分も動かず、一人休憩の時間が長い。踊るというより、仲間に会いに行っていることのほうが大きい。
今年の発表会では、荻野目洋子が歌うダンサブルな「コーヒールンバ」にのって、「コーヒードンバタ」なダンスを。
我が人生、ジャンプアップはなかったけれど、よろけていてもホップステップダンス!です。
<つづく>