20191114
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>再録・日本語教師日誌(9)Show & Tellタイの踊り
2003年から続けてきた「春庭の日本語教室だより」を再録しています。1988年~2019年の30年間の日本語授業のなかで起きたさまざまな留学生とのふれあいを記録しています。
~~~~~~~~~
2006/03/17 金
ニッポニアニッポン語教師日誌>文化を知らせ合うShow & Tell(1)タイの伝統舞踊首飾り
受け持っているクラス、さまざまな学生に出会います。
ある大学の日本語研修コースの場合。
4月からの前期クラスは、医学部工学部などの大学院進学予定の学生が多く、日本語コースの成績は直接進学には影響しません。大学院教育を英語だけで行う分野も多く、英語ができれば研究にはさしつかえないという先生もいる。日本語は「日本での生活していければよし」という程度を要求されるだけです。
英語による専門分野の試験成績のほうが重要視されることを知っている学生の中には、「日本語?ノープロブレム!」と、あやしげな日本語でも気にしない学生もいます。
ノープロブレム?もうちょっとちゃんと勉強しなさいよ。こうやって熱心な教師が手取り足取り教えているのだから。
10月からの後期クラス。大学院進学クラスは、各国の優秀な教師が選抜された「教員研修生」が多い。教育学部大学院での研修を1年続けた最後には、日本語による論文発表があるので、日本語力は重要です。
日本語研修コースの仕上げとして、初級クラスの留学生たちに「自分の文化やことばをクラスメートに日本語で説明する」という授業を行っています。
いろんな文化やことばに出会えて、毎年わたしも楽しみにしている授業のひとつです。
「あいうえお」から習いはじめて、半年で日本語発表ができるまで、留学生はいっしょうけんめい日本語を学んできました。日本語のスピーチはまだおぼつかない留学生もいますが、ジェスチャーもまじえて、表現しようとがんばります。
日本語初級会話の教室で。
タイのナーンは、タイ舞踊に使う銀の首飾りとタイ舞踊の衣裳をつけた踊り手たちの写真を見せました。
「この写真。写っている、、、、They are my students、えー、あー、My students、、、、、」
教師からの助け船「私の教え子たちです」
「あー、私の、おしえごたちです。卒業式のパーティで踊りました。せんせい、パーティ、いいですか?」「ええ、日本語でもパーティですよ」
「はじめに、伝統のメーキャップします。それからドレスを着ます。ドレスは、タイシルクです。そして、首に銀の飾りをつけます」
写真に写っている10人のかわいい踊り子たちのうち、4人は男子高校生という発表に、みんな、「わあ、きれい!女の子よりも女らしい」と、驚きました。
タイのナーンは、自国では英語の先生をしています。教育学部で英語教育法の研究をする予定です。
<つづく>
2006/03/18 土
ニッポニアニッポン語教師日誌>文化を知らせ合うShow & Tell(2)折り紙のカブト作り
2006年2月。もう日本語コースも終わりに近づいたある日の練習。
「はじめに、次に、それから」という「順番を追って手順を説明する」という表現の練習で、折り紙の兜を作りました。
折り紙のカブト作り、デモンストレーションとして、私が「はじめに~」「次に~」と、順をおって折り方を説明し、学生は私の説明通りに折っていくのですが、途中で教えるほうが「あれっ、おかしいな」なんて、間違えたりして。
ホームステイで、おばあちゃんから折り方を習ったというパキスタンの学生にヘルプしてもらいました。
日本では国費留学生(日本国文部科学省奨学金給費生)という立場ですが、自国では、中学校・高校、大学などの先生をしていた人たちです。ヘルプも慣れたもの。
折り紙、私がまちがえちゃっても、皆寛大に、「大丈夫、ノープロブレム」と言ってくれます。
最初は普通の折り紙を使います。折り方を順に説明して、練習。
次は大きなチラシ広告を四角に切って、頭にかぶれる大きなかぶとに挑戦し、「ジャパニーズ・サムライ・ヘルメット」のできあがり。
みんな自分の頭にカブトをかぶって、嬉しそうでした。
教師の折り紙紹介のデモンストレーションの次の週は、学生による「自国文化」の紹介Show & Tellをしました。
「こんにちは」「はじめまして」の練習から始まった会話の授業、4ヶ月間で初級レベルの文法事項を「新幹線授業」でひととおり習ったとはいえ、まだまだうまく口がまわらないクラスです。
4ヶ月の「仕上げ発表」のひとつとして、私は「Show & Tell」を楽しみにしています。自国の文化をクラスメートに日本語で説明する、という口語表現発表、上手にこなす学生もいるし、まだまだ日本語が不十分な学生もいます。
文化紹介。
かって、ブラジルの男性が見せてくれた「カポイエラ」。武術と踊りが合体した興味深い動きでした。
韓国の女性が演奏してくれた「短笛タンソ」。インドネシアの竹の楽器アンクルンの演奏もすてきな音色でした。
ネパールの絵はがきによる名所案内。ヒマラヤの雪に覆われた高峰、美しかった。
子供の頃から習ってきたというタイ女性によるムエタイ(キックボクシング)の型紹介、、、、、、。
どの学生も一生懸命説明します。みな、自国の文化を誇りに思っているからです。
「自国の文化発表Show & Tell」は、教師冥利につきるとても楽しい授業です。日本に居ながらにして、世界中のさまざまな文化を知ることができるのですから。
毎年、音楽発表あり、「こどもの遊び」紹介あり、学生の個性が発揮されます。
どんなことでもいいので、自分の得意なこと好きなものについての発表を、日本語で行うことになっているのですが、ときには日本語につまってしまい、英語での説明がはさまることもあります。それでもかまいません。
<つづく>
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>再録・日本語教師日誌(9)Show & Tellタイの踊り
2003年から続けてきた「春庭の日本語教室だより」を再録しています。1988年~2019年の30年間の日本語授業のなかで起きたさまざまな留学生とのふれあいを記録しています。
~~~~~~~~~
2006/03/17 金
ニッポニアニッポン語教師日誌>文化を知らせ合うShow & Tell(1)タイの伝統舞踊首飾り
受け持っているクラス、さまざまな学生に出会います。
ある大学の日本語研修コースの場合。
4月からの前期クラスは、医学部工学部などの大学院進学予定の学生が多く、日本語コースの成績は直接進学には影響しません。大学院教育を英語だけで行う分野も多く、英語ができれば研究にはさしつかえないという先生もいる。日本語は「日本での生活していければよし」という程度を要求されるだけです。
英語による専門分野の試験成績のほうが重要視されることを知っている学生の中には、「日本語?ノープロブレム!」と、あやしげな日本語でも気にしない学生もいます。
ノープロブレム?もうちょっとちゃんと勉強しなさいよ。こうやって熱心な教師が手取り足取り教えているのだから。
10月からの後期クラス。大学院進学クラスは、各国の優秀な教師が選抜された「教員研修生」が多い。教育学部大学院での研修を1年続けた最後には、日本語による論文発表があるので、日本語力は重要です。
日本語研修コースの仕上げとして、初級クラスの留学生たちに「自分の文化やことばをクラスメートに日本語で説明する」という授業を行っています。
いろんな文化やことばに出会えて、毎年わたしも楽しみにしている授業のひとつです。
「あいうえお」から習いはじめて、半年で日本語発表ができるまで、留学生はいっしょうけんめい日本語を学んできました。日本語のスピーチはまだおぼつかない留学生もいますが、ジェスチャーもまじえて、表現しようとがんばります。
日本語初級会話の教室で。
タイのナーンは、タイ舞踊に使う銀の首飾りとタイ舞踊の衣裳をつけた踊り手たちの写真を見せました。
「この写真。写っている、、、、They are my students、えー、あー、My students、、、、、」
教師からの助け船「私の教え子たちです」
「あー、私の、おしえごたちです。卒業式のパーティで踊りました。せんせい、パーティ、いいですか?」「ええ、日本語でもパーティですよ」
「はじめに、伝統のメーキャップします。それからドレスを着ます。ドレスは、タイシルクです。そして、首に銀の飾りをつけます」
写真に写っている10人のかわいい踊り子たちのうち、4人は男子高校生という発表に、みんな、「わあ、きれい!女の子よりも女らしい」と、驚きました。
タイのナーンは、自国では英語の先生をしています。教育学部で英語教育法の研究をする予定です。
<つづく>
2006/03/18 土
ニッポニアニッポン語教師日誌>文化を知らせ合うShow & Tell(2)折り紙のカブト作り
2006年2月。もう日本語コースも終わりに近づいたある日の練習。
「はじめに、次に、それから」という「順番を追って手順を説明する」という表現の練習で、折り紙の兜を作りました。
折り紙のカブト作り、デモンストレーションとして、私が「はじめに~」「次に~」と、順をおって折り方を説明し、学生は私の説明通りに折っていくのですが、途中で教えるほうが「あれっ、おかしいな」なんて、間違えたりして。
ホームステイで、おばあちゃんから折り方を習ったというパキスタンの学生にヘルプしてもらいました。
日本では国費留学生(日本国文部科学省奨学金給費生)という立場ですが、自国では、中学校・高校、大学などの先生をしていた人たちです。ヘルプも慣れたもの。
折り紙、私がまちがえちゃっても、皆寛大に、「大丈夫、ノープロブレム」と言ってくれます。
最初は普通の折り紙を使います。折り方を順に説明して、練習。
次は大きなチラシ広告を四角に切って、頭にかぶれる大きなかぶとに挑戦し、「ジャパニーズ・サムライ・ヘルメット」のできあがり。
みんな自分の頭にカブトをかぶって、嬉しそうでした。
教師の折り紙紹介のデモンストレーションの次の週は、学生による「自国文化」の紹介Show & Tellをしました。
「こんにちは」「はじめまして」の練習から始まった会話の授業、4ヶ月間で初級レベルの文法事項を「新幹線授業」でひととおり習ったとはいえ、まだまだうまく口がまわらないクラスです。
4ヶ月の「仕上げ発表」のひとつとして、私は「Show & Tell」を楽しみにしています。自国の文化をクラスメートに日本語で説明する、という口語表現発表、上手にこなす学生もいるし、まだまだ日本語が不十分な学生もいます。
文化紹介。
かって、ブラジルの男性が見せてくれた「カポイエラ」。武術と踊りが合体した興味深い動きでした。
韓国の女性が演奏してくれた「短笛タンソ」。インドネシアの竹の楽器アンクルンの演奏もすてきな音色でした。
ネパールの絵はがきによる名所案内。ヒマラヤの雪に覆われた高峰、美しかった。
子供の頃から習ってきたというタイ女性によるムエタイ(キックボクシング)の型紹介、、、、、、。
どの学生も一生懸命説明します。みな、自国の文化を誇りに思っているからです。
「自国の文化発表Show & Tell」は、教師冥利につきるとても楽しい授業です。日本に居ながらにして、世界中のさまざまな文化を知ることができるのですから。
毎年、音楽発表あり、「こどもの遊び」紹介あり、学生の個性が発揮されます。
どんなことでもいいので、自分の得意なこと好きなものについての発表を、日本語で行うことになっているのですが、ときには日本語につまってしまい、英語での説明がはさまることもあります。それでもかまいません。
<つづく>