20200426
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>春庭漢字話女偏(4)女性と婦人
2010年の春庭漢字話を再録しています。
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2010/04/30
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>おんな偏(4)女性と婦人
自分の妻を「うちのカカァ」と呼ぶ人、なんとなく昔風の職人気質の人を連想します。「ボクのワイフがねぇ」なんて言う人のイメージもわかります。同じ内容を表していても、時代によって語のイメージはかわります。K先生が「婦」という文字を嫌ったように、現代の一般社会では、「婦人」という表現は、古くさい女性のイメージを持ってしまい、「婦人○○」と呼ばれていた言葉のほとんどは「女性○○」に代わりました。
1994(平成6)年に国連「世界婦人会議」の名称が「世界女性会議」に変わり、近年では雑誌などで「婦人」よりも「女性」という表現が目立つようになりました。労働省は1996年度に「婦人局」の名称を「女性局」に変えました。「婦人」が残っているのは、中央公論新社の雑誌「婦人公論」や、雑誌社「婦人之友社」、病院の婦人科くらいのものかもしれません。
1949年から1997まで婦人週間というイベントがありました。女性が参政権を得た記念の行事です。1949年から続けられてきた4月10日からの一週間も「婦人週間」から1994(平成10)年に「女性週間」と変えました。しかし、婦人週間を女性週間と名称変更したものの、「女性週間があるなら、男性週間があってしかるべき」という意見が出されたのかどうか、女性週間は2000年には廃止されました。男女均等法も成立し、21世紀の今、女性のためだけのイベントは不必要という判断だったのかも知れず、事業仕分けにひっかかる前に消滅。
というわけで、漢字の成り立ちからいうと「女だからって、掃除婦と思われてこの漢字ができた」とK先生が憤慨するのは、少々事情が異なっていたことがわかりましたが、K先生の怒りを聞いていて、昔のウーマンリブの主張を思い出しました。
ウーマンリブの人たちが、「社内掃除を女だけが当番として早出してまでするのは差別だ」とか「ミスコンテストは女性を顔やスタイルだけで見ようとするから反対」と主張したこともありました。
確かに「女性だけが○○しなければならない」ということはないと思います。でも、ミスコンテストがあるなら、ミスターコンテストもしたらいいだけのことであって、ミスコンテストを批判してもミスコンがなくなりはしなかった。需要があれば供給がある。ミスターコンテスト、たとえば人気俳優を輩出してきた「ジュノンスーパーボーイコンテスト」。きれいな男の子を見るのは、HALオバハンも大好きです。
今や家事ができない男など結婚相手として見向きもされない、、、といわれていますが、 現実の女性の地位は、果たしてどれほど男性に追いついたのでしょうか。
現実はともかく、理念たてまえとしては男女差別をしている企業があったら批判されてしまうし、同一の仕事をしていて女性だけが給料が低いレベルや昇進に不利だったら、法律違反です。でも、現実にはシングルマザーの家庭の収入や生活水準はGNP上位国のなかで最貧ですし、女性の国会議員数や会社役員数でもまだまだ「後進国」です。
春庭は「ウーマンリブ世代」です。いまやウーマンリブってのも死語の世界に行ってしまいましたが、昨今の論壇界ではフェミニズムバッシングも一段落したらしい。
ウーマンリブというのは、女性解放運動Women's Liberationの省略外来語。1970年11月14日に第一回ウーマンリブ大会が東京都渋谷区で開催され、アメリカなど世界各地での女性解放運動は、1979年に国連総会で女子差別撤廃条約が採択されるなどの成果をあげました。
日本での運動は男女雇用機会均等法の制定など一定の役割を果たしましたが、ウーマンリブという言葉そのものは、1980年代に入ると急速に廃れて揶揄の対象になってしまいました。
ウーマンリブの活動家としてマスコミで名前を売っていた榎美沙子(中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合、略称「中ピ連」代表)が日本女性党という政党党首として選挙活動を始めるなどして、心あるフェミニストたちが「ウーマンリブ」という言葉に拒否反応を示したためと思います。
一時期、フェミニズムバッシングということが巷に氾濫し、「女は家に戻って子育てしていればいいんだ」とわめくオッサン方やら「子を産めなくなったババァは用なしだから、早いとこひっこめ」という知事とか出ました。
女性が子育てと両立しながら仕事を続けようにも、夫は会社のサービス残業で帰ってこないし保育園は満杯で待機状態、という具合で、まだまだ女性が生きて行きやすい世の中にはなっていません。
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20200426
コロナ休業でも、もっとも弱い立場の働き手に影響が大きい。
私見では。
ごちゃごちゃ言わず、とにかくシングルマザーへの無条件生活援助を最優先にしてほしい。 シングルマザーの8割は年収200万円以下だそうです。2割は高給取りであるとしても、とにかく8割のシングルマザーを救ってほしい。子供のご飯が買えない家賃が払えないということのないように。まずは、子どもを守りましょう。子供をひとりでかかえる母を助けなければ。
ともあれ、家から出ないでいることしか今できることはないですが、ひきこもりつつも考えていくことはできる。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>春庭漢字話女偏(4)女性と婦人
2010年の春庭漢字話を再録しています。
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2010/04/30
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>おんな偏(4)女性と婦人
自分の妻を「うちのカカァ」と呼ぶ人、なんとなく昔風の職人気質の人を連想します。「ボクのワイフがねぇ」なんて言う人のイメージもわかります。同じ内容を表していても、時代によって語のイメージはかわります。K先生が「婦」という文字を嫌ったように、現代の一般社会では、「婦人」という表現は、古くさい女性のイメージを持ってしまい、「婦人○○」と呼ばれていた言葉のほとんどは「女性○○」に代わりました。
1994(平成6)年に国連「世界婦人会議」の名称が「世界女性会議」に変わり、近年では雑誌などで「婦人」よりも「女性」という表現が目立つようになりました。労働省は1996年度に「婦人局」の名称を「女性局」に変えました。「婦人」が残っているのは、中央公論新社の雑誌「婦人公論」や、雑誌社「婦人之友社」、病院の婦人科くらいのものかもしれません。
1949年から1997まで婦人週間というイベントがありました。女性が参政権を得た記念の行事です。1949年から続けられてきた4月10日からの一週間も「婦人週間」から1994(平成10)年に「女性週間」と変えました。しかし、婦人週間を女性週間と名称変更したものの、「女性週間があるなら、男性週間があってしかるべき」という意見が出されたのかどうか、女性週間は2000年には廃止されました。男女均等法も成立し、21世紀の今、女性のためだけのイベントは不必要という判断だったのかも知れず、事業仕分けにひっかかる前に消滅。
というわけで、漢字の成り立ちからいうと「女だからって、掃除婦と思われてこの漢字ができた」とK先生が憤慨するのは、少々事情が異なっていたことがわかりましたが、K先生の怒りを聞いていて、昔のウーマンリブの主張を思い出しました。
ウーマンリブの人たちが、「社内掃除を女だけが当番として早出してまでするのは差別だ」とか「ミスコンテストは女性を顔やスタイルだけで見ようとするから反対」と主張したこともありました。
確かに「女性だけが○○しなければならない」ということはないと思います。でも、ミスコンテストがあるなら、ミスターコンテストもしたらいいだけのことであって、ミスコンテストを批判してもミスコンがなくなりはしなかった。需要があれば供給がある。ミスターコンテスト、たとえば人気俳優を輩出してきた「ジュノンスーパーボーイコンテスト」。きれいな男の子を見るのは、HALオバハンも大好きです。
今や家事ができない男など結婚相手として見向きもされない、、、といわれていますが、 現実の女性の地位は、果たしてどれほど男性に追いついたのでしょうか。
現実はともかく、理念たてまえとしては男女差別をしている企業があったら批判されてしまうし、同一の仕事をしていて女性だけが給料が低いレベルや昇進に不利だったら、法律違反です。でも、現実にはシングルマザーの家庭の収入や生活水準はGNP上位国のなかで最貧ですし、女性の国会議員数や会社役員数でもまだまだ「後進国」です。
春庭は「ウーマンリブ世代」です。いまやウーマンリブってのも死語の世界に行ってしまいましたが、昨今の論壇界ではフェミニズムバッシングも一段落したらしい。
ウーマンリブというのは、女性解放運動Women's Liberationの省略外来語。1970年11月14日に第一回ウーマンリブ大会が東京都渋谷区で開催され、アメリカなど世界各地での女性解放運動は、1979年に国連総会で女子差別撤廃条約が採択されるなどの成果をあげました。
日本での運動は男女雇用機会均等法の制定など一定の役割を果たしましたが、ウーマンリブという言葉そのものは、1980年代に入ると急速に廃れて揶揄の対象になってしまいました。
ウーマンリブの活動家としてマスコミで名前を売っていた榎美沙子(中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合、略称「中ピ連」代表)が日本女性党という政党党首として選挙活動を始めるなどして、心あるフェミニストたちが「ウーマンリブ」という言葉に拒否反応を示したためと思います。
一時期、フェミニズムバッシングということが巷に氾濫し、「女は家に戻って子育てしていればいいんだ」とわめくオッサン方やら「子を産めなくなったババァは用なしだから、早いとこひっこめ」という知事とか出ました。
女性が子育てと両立しながら仕事を続けようにも、夫は会社のサービス残業で帰ってこないし保育園は満杯で待機状態、という具合で、まだまだ女性が生きて行きやすい世の中にはなっていません。
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20200426
コロナ休業でも、もっとも弱い立場の働き手に影響が大きい。
私見では。
ごちゃごちゃ言わず、とにかくシングルマザーへの無条件生活援助を最優先にしてほしい。 シングルマザーの8割は年収200万円以下だそうです。2割は高給取りであるとしても、とにかく8割のシングルマザーを救ってほしい。子供のご飯が買えない家賃が払えないということのないように。まずは、子どもを守りましょう。子供をひとりでかかえる母を助けなければ。
ともあれ、家から出ないでいることしか今できることはないですが、ひきこもりつつも考えていくことはできる。
<つづく>