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ぽかぽか春庭「漢字で脳トレ」

2020-05-02 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200421
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>春庭漢字話漢字で脳トレ(1)訓読みで脳トレ

 ひきこもりを続けていて、退屈している方がいたら、せめて脳トレでもしてみませんか。
 過去ログの再録ですが、何度でも漢字練習繰り返せば、脳には刺激になります。

 春庭は仕事では漢字に触れますが、仕事から離れると、とたんにあの漢字も忘れた、これ、なんて読むんだっけ、と、あやふやなことも多いです。漢字変換機能であやふやな記憶の漢字でも変換できてしまうこともあり、どんどん漢字が書けなくなっています。とりあえず、読んで意味が分かれば日常生活では書けなくて不自由という場面は多くはないですが。

 10年以上前の記事の再録のつづきです。
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2008/12/19
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>春庭の漢字検定(5)訓読み1級で脳トレ

 日本語教師、漢字検定1級までできなくてもいいから、2級・準1級は合格してほしい、と日本語教師志望者の学生に言っています。

 春庭自身は、漢字に弱い。読むのはなんとかなっても、書く方はまったく苦手。
 黒板に書く文字、間違えてばかりでイヤだったけど、パワーポイントを黒板代わりに使うようになって助かっています。だいたいの漢字は変換できますから。
 薔薇も憂鬱も無知蒙昧も曖昧模糊も、魑魅魍魎も、ちゃっちゃっと変換できる。耄碌しても強い味方。漢字変換。一太郎使用時には、思うとおりに漢字変換できますが、ワードだとときどきおかしな誤変換もしてしまいます。
 
 書くことができなくても、読み方と意味・使い方がわかれば、これからの世の中なんとかなる。一字一字書くことができなくても、大丈夫。同音異義語の使い分けができることのほうが、必要になる。
 漢検1級の書き問題で書けない字あったら、「脳トレ」がわりに書き取り練習するって程度で、よろしいと思います。

 1級のなかでも、音読みは熟語なので見たことある字も多いけれど、訓読み問題、一生のうちで、はたしてこんな字を訓読みで使うことがあるのやら、と思う漢字ばかり。
 文脈があれば推測で読めるのもあるでしょうが、文脈なしで私に読めた1級問題漢字は200字の問題のなかで20字ちょっと。正解率一割。

 あとはほとんど読めませんでした。すみませんね、こんなんでも日本語教師つとまっているんです。でもね。言い訳するけれど、1級の訓読み漢字、常用漢字の使用範囲外だから、おそらく、日常生活で使うことはほとんどない。
 「乖く」「闌ける」など、文脈無しに読むことはできませんでした。

 「干す」に「ほす」「ひる」と、ふたつの読み方があることは知っていましたが、「おかす」「あずかる」「もとめる」という読み方があることなど、まったく知らずに生きてきました。
 「統帥権干犯」ということばを読み書きして、かんぱん=「他に干渉してその権利を侵すこという意味も知っていたけれど、「干す」に「おかす」という読み方があることに思い至りませんでした。
 「ほす、ひる」という訓読みから「干犯」という熟語の意味が成立するのはおかしいとも考えなかった。

 「撥音はつおん」は、日本語学では「ん」のことですが、訓読みは、撥げる(かか・げる)と読むのだとまったく知りませんでした。
 軋轢(あつれき)は読めるが、轢る(きし・る)は読めませんでした。
 顰蹙(ひんしゅく)は読めるが、蹙まる(きわ・まる)は読めませんでした。

 簒奪(さんだつ)は読めるが、簒う(うばう)はダメ。
 健啖(けんたん)は読めるが、啖う(く・う)はダメ。「くらう」だと思っていました。
 陋屋(ろうおく)は読めるが、陋い(せま・い)はダメ。
 乖離(かいり)は読めるが、乖く(そむ・く)はダメ。
 闌干(らんかん)闌入(らんにゅう)は読めるが、闌ける(た・ける)はダメ。

 そんな訓読みがあったのか、と思う字ばかり。

<つづく>

2008/12/20
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>春庭の漢字検定(6)読めない漢字で脳内清掃

 錣(しころ)は、単独では読めない。「錣山しころやま」という漢字、大相撲ではじめてみました。元関脇寺尾の親方名が錣山。
 縹色(はなだ・いろ)が読めるようになったのは、ポケモンの中の街、縹シティのおかげ。

 藩(まがき)が読めるようになったのは、「藩ハン」という居酒屋の店名説明に、「まがき」という読み方もあることが書かれていたから。私はそれまで江戸時代の薩摩藩や川越藩などの「藩」の意味しか使ったことがなく、「藩」のもともとの意味が「かきね」であることを居酒屋の案内広告で知りました。日本語教師の知恵袋、居酒屋にもあるのだから、せっせと通わなければ、、、、ということにはならないか。

 「腥さい=なまぐさい」が読めたのは、腥を「つき&ほし」と思いこんだ親が、子に名付けようとした、というエピソードを新聞で読んだから。
 偏として使われる「月」には、「月ヘン」のほか、「肉」の省略形としての「月=にくづき」もあるので、腕、腹、胸、などは「にくづき」です。腥は、「生の肉」の意味。

 「青春の蹉跌さてつ」は知っていたけれど、蹉く(つまず・く)は読めない。簒奪(さんだつ)は読めたが、簒う(うば・う)は読めなかった春庭。ほかにも見知らぬ訓読みがごろごろ。
 春庭にも読めた1級の漢字訓読み。200字のうち、20字だけでした。
 文脈がない出題だったので、わかりにくかった。と、言い訳。文脈なしにドンと「藜」だけ出題されても、読めません。アカザだった。野草のアカザのおひたし、好きだったのに。
 
 自分が読めた字、数少ない。貴重な「読めた字」の中からテスト問題出題してみます。ヒントとして文脈をつけます。文脈があれば読みを推測できます。

1)肉を[燻す] 
2)自分を[箴める] 
3)孔子の[諱]は丘、字は仲尼(ちゅうじ)  
4)鴨(かも)と[鳬] 
5)ついつい情に[絆されて]しまった  
6)[逬って]あふれる 
7)豚を[屠る] 
8).[頑]に否定していた
9)[黙り]を決め込む
10)刀の[鍔]
11)この刀いくらで[贖った]のか
12)[鷽]がえ神事
13)[嗄れた]声
14)[樒]を神棚に
15)議案を[詢る]

(正解)    
1 燻す(いぶ・す)2)箴める(いまし・める)3) 諱(いみな)4) 鳬(けり)5)絆される( ほだ・される)6)逬って(ほとばし・って)7)屠る(ほふ・る)8).頑(かたくな・に)9)黙り(だんま・り)10).鍔(つば)11)贖う(あがな・う)12)鷽(うそ)13) 嗄れた(しわが・れた)14)樒(しきみ)15)詢る(はか・る)

 次回は、「まったく読めない訓読み」をご紹介。


<つづく>
コメント (2)
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