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ぽかぽか春庭「畑入門その2」

2020-05-30 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200530
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2020二十重日記ゴールデンホームステイリポート(6)畑入門その2

 昨年2019年夏から、猫の額ほどながら庭のある家で暮らしています。夫の実家。
 2015年12月、姑は、私がミャンマーヤンゴンに赴任して帰国できない間に心不全で急死しました。米寿を過ぎて急に体力が落ちた姑でしたが、2015年1月に、90歳でペースメーカー手術を受けて回復し、リハビリを続けていました。「おばあちゃん、100歳までがんばると思うから介護よろしくね」と娘息子に頼んで、出稼ぎにいきました。

 娘が介護を続けてくれました。病院のつきそい、週末はいっしょに買い物。
 土曜日に娘息子といっしょに買い物に出て、冬のズボンを買い「月曜日にデイケアに体操に行くとき、これを履いていくんだ」と楽しみにしていたのに、夜、娘と息子が気づかない間になくなってしまったのです。ずっと診てもらっていたお医者さんの診断では、眠るように亡くなったのだ、ということでした。
 ひ孫の顔も見て、孫である娘と息子の介護を受け、90歳の大往生だった、幸福な生涯だったと思います。

 契約によって私は仕事先から帰宅できないので、娘が葬儀もすべて取り仕切ってくれました。おばあちゃんの女学校の頃の写真やヨーロッパ旅行の写真、ひ孫とお手玉や折り紙と遊んでいる写真などを一室にならべ、集まった親族がそれぞれおばあちゃんの思い出話をして、「よいお葬儀だった」と満足してくれた、ということでした。

 主のいなくなった姑の家。
 2007年に姑は一人で改築工事をしました。私が中国に赴任している間のことで、夫が反対している間に、「新築そっくりさん」という、四隅の柱を残すだけで、ほぼ新築と同じ、という工法で、ひとりで「1階と3階にDKがある2世帯住宅」に建て直しました。自分で図面をひいてお気に入りの間取りにした家で8年暮らし、「2世帯住宅なんだから、私が来てねって呼んだらいっしょに住みましょ」と言っていたのですが、その機会がないままでした。

 病院などに付き添っていた娘は、待合室などで隣に座った人と話し込むばあちゃんが「嫁自慢」をするのを、聞いてきました。「おばあちゃん、うちの嫁は働き者で、、、って、誰にでも自慢するんだよ。嫁贔屓の姑で、母は、ラッキーだったね」と。夫からは「百年の不作」と言われる妻ですが、なに、私だって「1万年の不作」と言い返しています。

 姑がいなくなった家、夫が週に一度ほど室内の空気入れ替えに泊まりにきていたのですが、夫が足を骨折したときなど、私が代わりに掃除に来ていました。
 いろいろあって、2019年夏から私が家の管理を任されることに。

 管理をするといっても、部屋の片づけなどは手つかずで、姑の古い服などもタンスにそのままになっています。片づけなきゃと思いつつも片づけはきらいな春庭、半年間なにもせず。
 故人の服などは、形見分けした後はさっさと処分しなければいけない、と聞いているのですけれど、「仕事あるから」と、嫌いなことは後回しにしている間に、姑の死去から早5年。

 外出自粛になって、私が手をつけたのは、部屋のかたづけではなく、庭の畑化計画。まず、腐葉土とヌカを買ってきて、野菜くずでたい肥を作ることから。3ヶ月くらいでたい肥ができるということだったのですが、なかなか順調にはすすみません。

 次に通販でシャベルを購入。狭い庭の真ん中にどでんと根を張っているツツジの木を、庭のすみっこに移す計画。これがとてもたいへんでした。サツキはけっこうきれいに咲いたのに、ツツジは、花を数輪ほどつけただけの怠けものの木。なのに、根っこは太く掘り起こせませんでした。仕方がないから太い根を2本のこぎりで切りました。南側の隅に移しましたが、根を切ってしまったので、枯れてかれてしまうかもしれません。狭い庭なので、苗を植えるスペースを作るのも大変です。

 穴掘りをしてみて、2ヶ月の自粛生活ですっかり足腰弱ったことが実感できました。少し労働すると気分悪くなったりよろけたり。黒い蚊にはしっかり刺されました。
 30分穴掘りをして3時間昼寝、というスケジュールでツツジ移植だけで1週間。
 これから庭全体の土を改良して、夏にはミニトマトやキュウリナス、しそ、パセリなどを植えていく計画です。

 でも、空き地から何本か移植したアカザは、葉っぱが虫食いだらけになり、食べる部分がないほど。野菜もよほど気をつけないと、虫の餌を増やすだけかも。
 今まで暮らしてきた団地のベランダでは、アロエ以外は何の鉢でも全部枯らしてしまった春庭ですから、この先畑名人になるまでは修行の日々。両親も姉も家庭菜園名人だったので、私もがんばらねば。たよるのは「家庭で作る健康野菜」という本一冊。「やさいの時間」という番組も見ています。古希ではじめる畑入門。がんばります。


 今、庭全体に生えているのはドクダミです。姑が植えて、庭に我が物顔ではびこっている。 姑は「桑の葉茶」「玉ねぎの皮茶」など、健康にいいと聞いたことは何でも取り入れる人でした。私にもドクダミ茶を毎年宅急便で届けてくれたのですが、私は「健康よりもおいしさ」と思ってほどんど飲みませんでした。ばあちゃん、ごめん。
 くちかずこさんのブログにドクダミの利用法がかいてあったので、半分を日本酒に漬け、半分は乾燥してあとでお茶にするつもり。
 自分で作ったドクダミ茶は、ちゃんと飲もうと思います。娘は「いらない、飲まない」と言っていますが。

 外出自粛、ホームステイの間、ベランダ菜園に目覚めた人も多いのだとか。
 「新しい日常」で、マスク着用、人との間をあけるなどの習慣が続けていくことが求められています。私の新しい日常は「野菜を育てる」です。
 土がよくなってきたら、トマト苗、ナス苗などを買ってくるつもり。入門者は苗から、上級者は種から。
 新しい日常のにわか農業、うまくいきますように。

<おわり>
コメント (4)
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