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ぽかぽか春庭アート散歩>2020アート散歩回顧(6)海を渡った伊万里~ロースドルフ城の悲劇 in 大倉集古館
大倉集古館が改修を経て再オープンしてからずいぶんたつのに、ようやく改修後の観覧をしてきました。
当初2020年11月3日(火祝)~2021年1月24日(日)であった展示期間は、緊急事態宣言を受け1月11日までで終了となり、12日から休館。12月中にみておいてよかった。「海を渡った伊万里~ロースドルフ城の悲劇」展を12月16日に観覧。この展覧会は以下に巡回されます。
愛知県美術館(2021/4/10-6/13)
山口県立萩美術館・浦上記念館(2021/9/18-11/23)

大倉集古館の口上
オーストリア、ウィーン近郊にたたずむロースドルフ城には、古伊万里を中心とした陶磁コレクションが多数所蔵され、かつてそれらは城内を美しく飾っていました。ところが、第二次世界大戦後の悲劇により、陶磁コレクションの大半は粉々に破壊されてしまったのです。本展では、佐賀県立九州陶磁文化館所蔵の古伊万里の名品とともに、ロースドルフ城の陶磁コレクションと破壊された陶片を展覧し、さらには、日本の技術により修復した作品などを初公開いたします。
展示の順路最初は、古伊万里の華麗な作品。展示室の中央に、ソ連兵の暴虐によりめちゃくちゃに破壊された陶磁コレクションの再現。次に日本の陶磁修復技術者によって修復した古伊万里の展示。
ロースドルフ城の陶磁器コレクションが破壊されていたことも知らなかったし、日本の技術者が修復してきたことも知らなかったので、多くの知見が得られとても見ごたえがありました。古伊万里の数々、美しい陶磁器でした。
ロースドルフ城には、破壊された陶磁器をそのまま展示してあります。(画像借りもの)

修復前の砕けた写真と修復後の作品がならべてあり、いったいどこをどう継いだのかわからない、というくらい完璧な修復技術にびっくりしました。時間もたいそうかかったことと思いますが、日本の技術のすごさに感嘆しました。
娘とビデオを見ました。一部ではあるでしょうが、修復作業のようすが録画されていました。
ソ連兵に破壊され、割れた皿の写真。

修復を受け、蘇った皿。見事です。

ロースドルフ城での破壊された陶磁器

割れた皿の展示。

九州陶磁器美術館のコレクション
色絵花鳥紋蓋付き壺(1860-80年代 有田窯)

色絵幔幕桜牡丹紋瓶(1700-30年代 有田窯)

色絵花鳥紋角瓶(1870-90年代 有田窯)金属の蓋と台座はヨーロッパで付け加えられ、ポプリ入れとして使用された。


染付唐草文大皿(17世紀中頃に制作された大皿。有田窯)

娘が一番気に入ったのは、中国の美人を模して有田で焼かれた皿の絵、美人は日本風美人になって作られていたことです。中国陶磁器の美人を模した日本の皿の模様が、日本風美女になっているのが一番好き、という感想です。文化がこのように往来を重ねながら進展しているようすがよくわかります。

改修後の大倉集古館はテラスに出られるようになっていました。


大倉集古館の前にあるホテルオークラで、「レイトランチセット」を食べて帰りました。
娘はパスタセット、私はロールキャベツセット。


いつか、古伊万里のお皿にお料理を盛りつけして食べてみたいけれど、今のところは100円ショップのお皿でもいいかな。
<つづく>