20221120
ぽかぽか春庭ニッポニアにっぽん語教師日誌>日本語教師養成講座漢字の読み方(3)新常用漢字の音訓読みクイズ101-200)
春庭漢字頭の体操のつづきです。10年前の再録ですが、同じテストでも、10年後、読み方を覚えているか、再チェック。2010年に新たに常用漢字に加わった約300の漢字。つまり、団塊の世代から、2010には学校を卒業していた世代は、学校で習っていない漢字の読み確認です。
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2010/05/18
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教室>新常用漢字(4)漢字読みテスト
新常用漢字の読み練習つづきです。
漢字の正解率がお笑い芸人のロザンのウジハラやシンデレラ畠山に劣る金田一秀穂センセー、私の周囲では「ああいう人が日本語学者の代表だと世間に思われたらイヤダ」という日本語研究者たちが多いのですが、私は、あの低い正答率にもめげずにゲーノー界大好きなピデボセンセーのファンです。トッツァンのパルピコ先生が童謡歌手を目指していたみたいに、「漢字に弱い日本語のセンセー代表」としてゲーノー界バラエティ番組でかんばってください。
新常用漢字の読み練習つづきです。101~200
101)「手頃」な値段
102)マンモスがいた「痕跡」
103)腕に切り傷の「痕」がある
104)「ご無沙汰」しています
105)「挫折」から立ち直る
106)足首を「捻挫」した
107)敵の野望を「挫く」
108)気持ちが「挫ける」
109)みごとな「采配」を振る
110)「要塞」を攻め落とす
111)「閉塞」した時代に生きる
112)耳を「塞ぎ」たくなる事実
113)事故で道路が「塞がる」
114)「埼玉県」から都心に通勤する
115)鉄の「柵」で囲う
116)奈良の「古刹」をめぐる
117)「刹那的」な犯行
118)風で「椎」の実がたくさん落ちた
119)「斬新」な考え
120)刀で人を「斬る」
121)「恣意的」な判断
122)「擬餌針」を使って釣りをする
123)家畜に「餌」を与える
124)ひな鳥が猛獣の「餌食」になる
125)父は「小唄」を習っている
(答え)
101)てごろ 102)こんせき 103)あと 104)ごぶさた 105)ざせつ 106)ねんざ 107)くじく 108)くじける 109)さいはい 110)ようさい 111)へいそく 112)ふさぎ 113)ふさがる 114)さいたまけん 115)さく 116)こさつ 117)せつなてき118)しい 119)ざんしん 120)きる 121)しいてき 122)ぎじばり 123)えさ 124)えじき125)こうた
126)「鹿」が鳴く
127)「鹿の子」模様の着物
128)「鹿鳴館」で行われた舞踏会
129)きびしい「叱責」を受ける
130)親が子どもを「叱る」
131)友人に「嫉妬」する
132)同僚の出世を「嫉む」
133)がんなどの悪性の「肉腫」
134)検査で「腫瘍」が見つかる
135)突き指をしたところが「腫れる」
136)泣き「腫らした」目
137)「呪縛」が解ける
138)わが身の不運を「呪う」
139)派閥の「領袖」
140)「半袖」の服を着る
141)「羞恥心」を忘れた行動
142)おのれの不明を「羞じる」
143)要求を「一蹴」する
144)サッカーボールを「蹴る」
145)他人を「蹴落として」出世する
146)大きな大会の「前哨戦」
147)疑惑を「払拭」する
148)タオルで手を「拭く」
149)ひたいの汗を「拭う」
150)こわくて「尻込み」する
(答え)
126)しか 127)かのこ 128)ろくめいかん 129)しっせき 130)しかる 131)しっと 132)ねたむ(そねむ) 133)にくしゅ 134)しゅよう 135)はれる 136)はらした 137)じゅばく 138)のろう 139)りょうしゅう 140)はんそで 141)しゅうちしん 142)はじる 143)いっしゅう 144)ける 145)けおとして 146)ぜんしょうせん 147)ふっしょく 148)ふく 149)ぬぐう 150)しりごみ
151)鉛筆の「芯」を削る
152)「腎臓」の具合がよくない
153)「必須」の要件
154)富士山の「裾野」
155)「凄惨」な事故現場
156)「凄じい」速さのスポーツカー
157)あの映画は「凄い」評判だ
158)カフェインの「覚醒」作用
159)酒の酔いから「醒める」
160)事故で「脊髄」をいためる
161)魚は「脊椎」動物だ
162)「親戚」の子と遊ぶ
163)毎朝「煎茶」を飲む
164)みやげに「煎餅」を買う
165)豆を「煎る」
167)「羨望」のまなざしで見る
168)他人の成功を「羨む」
169)泳ぎの得意な兄が「羨ましい」
170)首のリンパ「腺」がはれる
175)あれこれ「詮索」する
(答え)
151)しん 152)じんぞう 153)ひっす 154)すその 155)せいさん 156)すさまじい 157)すごい 158)かくせい 159)さめる 160)せきずい 161)せきつい 162)しんせき 163)せんちゃ 164)せんべい 165)いる 167)せんぼう 168)うらやむ 169)うらやましい 170)せん 175)せんさく
176)「処方箋」を受け取る
177)誕生会の「お膳立て」
178)重要人物が「狙撃」される
179)優勝のチャンスを「狙う」
180)サケが川を「遡上」する
181)歴史を「遡る」テーマのテレビ番組
182)「曽祖父」は百歳に近い
183)「未曽有」の大事件
184)「曽て」住んでいた場所
185)雲一つなく「爽快」な朝
186)「爽やか」な朝を迎える
187)「痩身」で品のよい老紳士
188)体が「痩せて」、力が出ない
189)彼が「失踪」して5年たった
190レーダーで飛行機を「捕捉」する
191)問題をどう「捉える」べきか
192)「謙遜」したもの言い
193)「遜った」態度をとる
194)「唾液」は消化を助ける
195)「生唾」を飲み込む
196)河口に砂が「堆積」する
197)国王の「戴冠式」
198)頭に王冠を「戴く」
199)「誓願」成就した
200)元旦に一年の「誓い」を立てる
176)しょほうせん 177)おぜんだて 178)そげき 179)ねらう 180)そじょう 181)さかのぼる 182)そうそふ 183)みぞう 184)かって 185)そうかい 186)さわやか 187)そうしん 188)やせて 189)しっそう 190)ほそく 191)とらえる 192)けんそん 193)へりくだった194だえき 195)なまつば 196)たいせき 197)たいかんしき 198)いただく 199)せいがん 200)ちかい
憧憬はやはり「どうけい」派と「しょうけい」派に別れました。もう少ししたらNHK漢字読み調査班や文科省も「どうけい」を正解にするようになるでしょう。岩波国語辞書(第四版)では「しょうけい」欄には「どうけいともいう」と注記され、「どうけい」欄には「しょうけいが正しい読み方」と注記されています。ところが、金田一京助編集の三省堂国語辞典では「どうけい」のみ掲載され「しょうけい」はないのです。Qさま出演で漢字に弱いことが判明した金田一秀穂のじっちゃん、漢字に関しては「若者」だった!
さて、誤植誤変換訂正は、わが家の家業であるのですが、春庭は入力ミス頻発で、皆様のご指摘には感謝&恐縮の至り。
漢字読みテストの解答にミスがありました。茨城県の読み方は「いばらきけん」です。「いばらぎけん」と濁音で表記すると、いばらき県民は不愉快に思うとのことです。が、なぜ「いばらぎ」と思われてしまうかというと、北関東と東北の発音の訛りに関わります。私は北毛地方の出身ですが、「学校へ行く」の「いく」は「いぐ、いがない」と濁音で発音していました。「欠く」「置く」「聞く」などでは「きぐ」「おぐ」にならないのに、「いく」だけは「いぐ」でした。
同じように、茨城栃木の北部から東北地方の発音では、語頭になく、語中・語尾のカ行の発音が濁る傾向があります。牛のことを東北方言では「べこ」と言います。「べ~」という牛の鳴き声に子をつけて「にゃんこ」「わんこ」と同じように「べこ」というのですが、多くの東北地方では「べご」と濁音で発音します。そのほうが言いやすいからです。
茨城県の「いばらき」も、茨城北部の人たち、表記は「いばらき」ですが、会話のときは「いばらぎ」と濁音に聞こえる発音をしている人が多かった。私も関東北部出身者のひとりとして、「いばらぎ」と濁って発話していました。それで、「茨城」の振り仮名に「いばらぎ」と入力してしまいました。(ご指摘を受けて訂正済み)。
一太郎は「いばらき」「いばらぎ」のどちらに入力しても「茨城」が出力されますので、気づきませんでした。
現在は茨城県内でも「いばらぎ」と看板などに表記する例も出てきているとのことで、さて、この誤表記が広まるものやら、県民の「おらが県はいばらぎじゃねぇよ、いばらギだよ」との抗議により、他県民には「いばらぎ」に聞こえたとしても表記は「いばらき」なのだ、という道理が通って、「いばらぎ」という無理が引っ込むのか。
ご指摘くださったyokochannさん、ありがとうございます。
<つづく>