
20221210
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(3)星野道夫展 in 写真美術館
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(3)星野道夫展 in 写真美術館
各地の美術館を巡回していた「星野道夫展」がようやく東京都写真美術館にやってきました。
娘といっしょに横浜そごう美術館で「星野道夫展」を見たのは、2013年6月1日のことでした。会期最終日に行ったので、こみこみの展覧会でした。
星野道夫の著作「旅をする木」など、読んできて、星野道夫のアラスカの動物や風景に寄せる思いをさまざまに見てきましたが、やはり大パネルで見ると迫力が違います。
2022年の展示では、2022年5月にアラスカの星野宅に残されていた新発見のフィルムが現像されて展示されるというので、楽しみにしていました。
会期:2022年11月19日-2023年1月22日まで
写真美術館の展示。白熊やあざらしの展示ブース

昨年からの巡回展は。
2021年5月12日(水)~ 6月27日(日)仙台文学館(宮城県・終了)
2021年7月17日(土)~ 9月20日(月)北九州市立文学館(福岡県・終了)
2021年9月28日(火)~ 11月7日(日)岡山県立美術館(岡山県・終了)
2022年1月8日(土) 〜 3月27日(日) 神奈川県立地球市民かながわプラザ(神奈川県・終了)
2022年4月14日(木) 〜 4月25日(月) ジェイアール名古屋タカシマヤ(愛知県・終了)
2022年7月2日(土) ~ 8月28日(日) 福井市美術館(福井県・終了)
2021年7月17日(土)~ 9月20日(月)北九州市立文学館(福岡県・終了)
2021年9月28日(火)~ 11月7日(日)岡山県立美術館(岡山県・終了)
2022年1月8日(土) 〜 3月27日(日) 神奈川県立地球市民かながわプラザ(神奈川県・終了)
2022年4月14日(木) 〜 4月25日(月) ジェイアール名古屋タカシマヤ(愛知県・終了)
2022年7月2日(土) ~ 8月28日(日) 福井市美術館(福井県・終了)
福井市美術館展覧会のポスター

東京写真美術館の展示では、新発見のフィルムによる写真を展示するということだったので、楽しみのひとつでした。しかし、実際の新発見フィルムは、25年間放置されてきたフィルムということで、なんだか赤っぽく変色してしまっていて、プロが見れば何が写っているのか分かったのかもしれないけれど、私の眼には「ぼんやり赤っぽい」ということしかわかりませんでした。
左側入口、右側出口。出口前の矢印のところに、その赤っぽい新発見フィルムの展示がありました。

新発見フィルムの愉しみはぱっとしなかったけれど、そのほか、まだ見ていない星野の写真をたくさん見ることができて、とてもよかった。特に、星野は単独行がほとんどで、動物やアラスカ風景を撮るほうが忙しくて自分の姿を撮影することはほどんどなかった、というなか、若いころのいろいろなシーンでの姿を見ることが出来て、ミーハーファンとしてはうれしかった。
ロビーは撮影自由で、モニターに流されている10分間でひとめぐりの写真集ビデオも撮影自由。
一目見ると心に焼き付き、映像が残る人もいることは知っているけれど、私は映像の記憶が苦手。だからテレビモニターの写真でも撮影できると思い出に残すことができるのでうれしい。(そのかわりといっちゃなんだが、文字はコピーしなくても心に残すことができる。一字一句覚えているというのではないけれど)
ロビーで。

大学生のとき神田の古本屋で見つけたアラスカの写真に魅せられ、アラスカの小さな町の町長さんあてにホームステイの申し込みをして、半年後に返事をもらって渡米。はじめてアラスカに滞在したころの写真もありました。
アラスカの地で生きていこうと決意したころの1枚。

アラスカの大地、人々、動物。どれをとっても美しく力強く生命と死の厳かさ。自然への畏敬の念にあふれている。
<人>
カリブーの肉を解体し船で運ぶ。

アラスカに住み始めたころの若い星野

アラスカに生きる家族



満月の夜にトナカイの皮製ボートで海に漕ぎ出す

トナカイを解体してボートで運ぶ

クジラを解体する人々はみなニコニコ顔だった、と星野は書く。

<動物>


目の前のごちそうがびっくりしている


<アラスカの風景>
1773年にはじめてシシュマレフに足を踏み入れる。

アラスカの四季で一番好きな季節は?と問われて、しばらく考えてからやっぱり「冬だ」と答える

アラスカで死んだヘラジカの栄養をもらって、花が咲く

アラスカの花やこけにも秋の色。

星野道夫。早世は惜しまれるし、細心の注意を払うテレビクルーであったなら「ヒグマに喰われる死」という最悪の事態は避けられたと今も思う。そう思ってしまうと悔しいが、残された写真を見れば、44年の生涯に十分すぎる仕事をしていたのだと納得できる。
道夫の写真や著作を守ってきた直子夫人は、41歳の夫と結婚し、44歳でなくなるまでの思い出をつづった著作を出版しています。一粒種の息子翔馬さんは父を追って写真家に成長している。(NHKのドキュメンタリー番組「父と子」などで知りました)

チケット代払ったときは図録買わないという自分ルールですが、星野道夫事務所を守っている直子夫人への感謝の気持ちとして、図録と12月ポストカードカレンダーふたつと絵ハガキ買いました。私にしてみれば大盤振る舞い。
えびすタワー38階でタイ飯ランチ1300円だったし、本日はプチ贅沢な一日。
2023年1月7日に開催される星野直子さんの講演会も当選したので、今回のチケット提示で参加することができます。お正月のお年玉。楽しみがあるから、新年までがんばれます。
<おわり>