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ぽかぽか春庭「蜷川実花瞬く光の庭 in 庭園美術館」

2022-12-06 00:00:01 | エッセイ、コラム


20221206
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩写真を見る(1)蜷川実花瞬く光の庭 in 庭園美術館

 庭園美術館は、建物も好きなので、新しい展示が始まると見に来ます。
 8月7日にぐるっとパス利用。蜷川実花の花の写真集。

 蜷川実花作品、これまで、映画は「さくらん」2007を1本見ただけなのですが、写真はあちこちで見てきました。今のところ、色彩感覚が私とは違うなあと。平凡な私の色彩感覚に比べて、やはり天才的というか、独自独特の個性というか。

 ついでの感想。蜷川実花の自画像写真など、これまではマツ毛バチバチのばっちりメークの近影を見ても、蜷川幸雄に似ていると思ったことはなかったのですが、今回ビデオインタビューがナチュラルメークで、「まあ、お父様そっくり」と思いました。

蜷川実花「瞬く光の庭」
会期 2022年6月25日(土)-9月4日(日)

 最近1年ほどの花の写真を集めた展示で、庭園美術館での撮影もふくまれています。

 庭園美術館の口上
 蜷川実花は現代日本を代表する写真家・映画監督として、独自のスタイルで知られています。その視線は一貫して、いのちの輝きと儚さに対して向けられてきました。写真を中心に、多岐に渡る表現を手掛ける蜷川ですが、本展では、コロナ禍の国内各地で昨年から今年にかけて撮影された、最新の植物の写真と映像をご覧いただきます。アール・デコ様式で装飾された当館の建築に、蜷川の作品を重ねることで、様々な時間の交差する場を出現させるものです。植物から植物へと、あたかも蝶のように回遊しながら、蜷川のまなざしを追体験できる貴重な機会となります。
 本展に先立ち2018年より国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」は、コロナ禍までを含む蜷川のキャリアを総覧するものでした。本展では、さらなる飛躍を期待される蜷川の最新作と、ほかに類を見ない当館の建築空間との競演をお楽しみいただけます。蜷川が今、強く惹かれているという、光に溢れた色 “光彩色”(こうさいしょく)の世界、夢かと見まがうかのような現実の一瞬を映し 出す写真や、ダイナミックな映像インスタレーションによる、蜷川の新機軸となる 「今」と「これから」にご期待ください。

 花の写真、美しく光にあふれ、幸福感に満ちた花たちでした。資料展示室で、これまでの蜷川実花の写真集も見ました。
 今回の花の写真、オーソドックスに撮影されていて、とてもきれい。しかし、私にはなぜか今ひとつしっくりこない。

 花は、絵画でもルネサンス以降の主要なモチーフ。さまざまな画家が花を描きました。美しく幸福に咲き誇る花を描いた絵画も、印象派以後さかんに描かれました。
 たぶん、私は「花や静物を主題にしている絵は、メメントモリ、はかなく死んでしまう生き物の象徴として描かれている」という若桑みどり先生に叩き込まれた「静物画の鑑賞法」が染みついていたのだろうと思います。
 たとえば、ジョージア・オキーフの花の絵やマン・レイの写真。エロティックな美しさをもち、それは死の匂いを含むエロスなのです。

 私の感性は、花の姿を「やがては枯れ、死にたえる存在としての花」として記録することに固定されていたようです。
 みずみずしく今を盛りと生命感にあふれた花も、花です。蜷川実花の花々は、そんな盛りの命を謳歌していました。

 新館展示とスライドショウの放映は撮影自由。
 新館の展示。薄い布地に投影された写真」に観客の姿が透けて見えて、幻想的な雰囲気です。
 

 ビデオモニターに映る花は、撮影自由。
 

 庭園美術館の旧館展示室は撮影不可でした。
 が、室内と写真の兼ね合いが心地よいので、他の観客がひとりもおらず、監視員がそっぽ向いているときに、何枚か撮影させてもらいました。閉館間近の時間帯は空いているのがありがたい。



 監視員さんに見とがめられると悪徳犯罪者の扱いを受けますので、肝の繊細な方にはおすすめできません。咎めを受けた時は、室内撮影不可であることをはじめて知ったような顔で「あ、ここ、だめですか、すみません」とすまなそうな顔で謝ることが必要。
 娘はそんな母が恥ずかしいからと、どの美術館でも決していっしょに回りません。
 私は、著作者の著作権を侵害しない範囲で、かつ他の観客が写り込んでいない撮影は許可すべきと思っているのですが、以上の旧館展示作品無許可撮影により迷惑を受けた人がいるのなら、削除します。

 ネットにはもっと上手な撮影の画像がでていますので、それを見ればいいようなものですけれど、私は私の見た蜷川実花の花を記憶していきたいので。



  光あふれ、幸福感に包まれる蜷川実花の花。
 ときには、このような幸せな花の中に身をおくのも悪くないかな。日頃は不運不幸ばかり背負ってきて、ひがんではかりの「花も実もない」人生でしたからね。せめて心は花爛漫に。

<つづく>
コメント (2)
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