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ぽかぽか春庭「アメイジングチャイナ in 松岡美術館」

2023-11-18 00:00:01 | エッセイ、コラム


20231118
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩白い秋(7)アメイジングチャイナ in 松岡美術館

 松岡清次郎(1994-1989 )は、若いころも骨董に興味を持っていたけれど、収集が本格的になったのは、ビジネスで富を得たのちの78歳以後。ビジネスで稼いだお金を西欧のオークションにつぎ込む。積極的に購入を進め、1975年に新橋の自社ビル内に松岡美術館を開館。清次郎他界後、白金の自宅跡地に今の美術館をたてました。館内展示は自館所蔵品のみ、ということもありますが、いくつかの撮影禁止作品のほかは、撮影自由というのも、清次郎の方針だそうです。(現館長松岡満喜子(清次郎三女)談話による)

釉裏牡丹菊唐草文鉢 明時代


青花臙脂紅 双鳳文 扁壺 清時代 1936-1795

黄地青花梔子文盤


 これらの壺や盤の色をだすために、最初に地の色の釉薬をかけて焼いたのちにもう一度青い釉薬で絵を描いて焼く。細かい技法を駆使しているのですと。

コレクションの約3割は陶磁。今回の展示は、特に翡翠を掘り込んだ玉器の「超絶技巧」が目を引きました。清時代、ミャンマー北部の翡翠産地が中国領となり、良質の翡翠がもたらされ、康熙帝康熙帝ほか皇帝たちは精緻な玉器を作らせました。

 翡翠白菜形花瓶 清時代

 白菜は汚れなき花嫁の白さを象徴し、葉の上にのっている昆虫は、繁殖力の強さ=子孫繁栄を表すのだそう。台湾の故宮博物館でもたくさんの白菜玉器を見た思い出があるけれど、この高さ40cmほどの松岡の白菜もなかなか手の込んだ彫りこみで、これだけの玉を彫って行って「あ、失敗」なんてなったら、首切り落とされるんじゃないだろうか、という迫力に満ちていました。

 翡翠獣耳環双獅子紐香炉 清時代
 

翡翠楼閣花鳥図 清時代

 釉薬使いの細かな技術、翡翠を掘り込む技術。すごい技を使った陶磁器や玉器がずらりと並んでいる展示室。ひとまわりすれば、私のような陶磁器にも玉器にも素養のないものには、ああ、いっぱい見た、で終わるけれど、たぶん、見る目がある方々にはとてつもないお宝の山なんだろうと思いつつ、1階の庭を眺めに階段を下りました。
 庭は、まだ紅葉しようかどうかな、11月はじめは夏日だったから、紅葉しようかどうかまよっていたけれど、立冬になったから、じゃ、赤くなろうかな、どうしよう、という庭でした。


<つづく>
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