
20231120
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩白秋(7)装飾の庭展 in 庭園美術館
11月10日午後、庭園美術館へ。「装飾の庭」展。庭園美術館(旧朝香宮邸)のインテリアや装飾品、庭園を取り上げています。
アンリ・ラパンを中心とした浅香宮邸インテリアと庭が、竣工当時の写真や設計図、保存されているラリックのガラス器などの展示によって再現されていました。
会期:9月23日-12月10日
庭園美術館口上
1933年(昭和8年)、東京・白金の御料地の一部を敷地として朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)は竣工した。約一万坪の敷地の庭園部分には、広々とした芝生が広がり、日本庭園、盆栽・花卉園が備わり、鶴や孔雀などの動物たちが闊歩していた。同邸宅内の壁面には、遠景に山々を望む森林や水を湛えた庭園の風景が描かれており、室内に居ながらにして自然の中にいるかのような装飾プランが展開されている。主要客室の装飾を手がけたフランス人装飾芸術家アンリ・ラパン(1873~1939)によって描かれたこの一連の装飾画は、朝香宮邸のコンセプトを読み解く鍵であると共に、当時のフランスにおける庭園芸術との関連性を指摘することのできる作品でもある。
同邸の装飾プランに多大な影響を及ぼしたとされる1925年のアール・デコ博覧会において、「庭園芸術」は初めて独立した出品分類として設けられるなど、重要視されていた。造園家のみならず、建築家や装飾芸術家も “庭”を如何に“装飾”するかということに心を砕き、各パヴィリオンの周囲や街路には多様な庭園が造りこまれた。
本展では、博覧会を中心とした両大戦間期のフランスの近代庭園を巡る動向に着目し、古典主義・エキゾティシズム・キュビスム的要素を取り入れて展開していった様について、絵画や彫刻、工芸、版画、写真、文献資料等、約120点の作品から紹介する。本展を通して、当館建築の装飾や空間自体についてのより一層の理解を深めてほしい。
本展では、博覧会を中心とした両大戦間期のフランスの近代庭園を巡る動向に着目し、古典主義・エキゾティシズム・キュビスム的要素を取り入れて展開していった様について、絵画や彫刻、工芸、版画、写真、文献資料等、約120点の作品から紹介する。本展を通して、当館建築の装飾や空間自体についてのより一層の理解を深めてほしい。
久しぶりに3階のウインターガーデンに入室できました。雨の金曜日ですから、待ち時間も人数制限もなく、ひとりでゆったりと「邸内に作られた庭園」で過ごしました。冬の寒い日、庭に出られなくても、この3階の「室内庭園」で自然を感じながらお茶でも飲む、って優雅な暮らし。むろん、私のご先祖がこの時代に生きていたら、食うや食わずでお茶の一杯も飲めない暮らしだったに違いないけれど。

最初にウィンターガーデンを見た時、この赤いパイプチェアは今風だなあと思ったんですが、竣工当時の室内写真の展示を見ると、なんと最初からこの椅子だったことがわかりました。現在部屋に置いてあるのは新しく購入したものでしょうけれど、前からこの椅子だったということがわかりました。モダンです。
朝香宮夫妻が、パリの「アールデコ博覧会」観覧したことから朝香宮邸宅建設につながったことは、邸宅の説明にさまざまな形で語られています。
1階の客室、大広間、大食堂、2階の殿下書斎とか妃殿下室、姫宮室なんて部屋をめぐりながら、ラパンやラリックの作品、セーブルの陶器などが飾られているのを観覧。20世紀前半のインテリア雑誌、庭園の設計図や完成予想図などを見てまわりました。
いつもは締め切られていて庭は見通せない「香水塔の間」背景のカーテンが開け放たれていて、初めて香水塔ごしに庭を見ることができました。

アンリ・ラパン「サントヴィクトワール山麗ふたりの子供のいるプロヴァンス風景」
ルネ・ラリック玄関パネル(一部割れたので、取り替えた古いもの、展示は寝た状態でしたが、玄関と同じように立ててUP)


ルネ・ラリック「電灯式燭台三つ枝のロワトレ1931
ラリック「電動式置時計野ばら」1926


置時計のデザインまでラリックかい、と、どんだけアールデコデザインが気に入ったんだか、と思いながら観覧。
1階食堂 椅子はレイモン‐シュブ鍛鉄布張り1920-1930(修復)


新館展示 ラリック「噴水の泉」1924頃 デコルシュモン「杯」1925頃


ポール・ポワレ「デイドレス」1910頃
漆のライティングビューローとテーブル1930年代

マックス・アングラン「四季」1920-1930

ドゥメトル・シバリュス「永遠の友達」ブロンズと、鏡の中の私

アールデコ装飾の全盛期を堪能しました。
<おわり>