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ぽかぽか春庭「読めない訓読み」

2020-05-05 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200505
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>漢字脳トレ(4)読めても読めなくても

 春庭の過去ログから、漢字の話を再録しています。
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2008/12/21
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>感じる漢字(8)読めない訓読み

 中国の康煕字典や、諸橋轍次編纂『大漢和辞典』には、親字が5万字もあります。漢字文化圏の人にとって、全部読み書きする必要はありません。日本では、常用漢字2000字のほかは、読めなくても生活にまったく支障はありません。中国でも、6000~8000字が読めれば、新聞も難しい専門書も読めます。
 
 全部知る必要はないけれど、5万字あるということは知っていてもよい。その漢字の世界の中に入ってはいかないとしても、自分に知らない知の世界があることを感じていたい。

 「役にたたない漢字が存在して何になる?いった誰のためになる?」と感じた方もいらっしゃる。受け止め方はそれぞれでよい。私は私の感じ方で、自分の知らない世界があることが楽しいし、その知の山に登ろうと挑戦している人がいる人がいることがうれしい。

 昔のギリシアでは、軍伝令として役立っていた長距離走者。今では伝令としては何の役にもたたない。しかし、現代でも42kmを2時間何分かで走れる人、人間の能力への挑戦者として皆に賞賛されます。
 砲丸を20mも投げられたら超人と思う。棒をつかって6mも高く飛べる人、鳥人だと思います。身体能力にすぐれていると、オリンピックに出られてスポンサーもついて得することがある。

 でも、100mを10秒で走る人には感心する人も、日本の漢字を6000字知っている人に対して「それがどうした、日常生活で役にも立たないつまらんことを知って何になる」と言う。
 読めたからといって、何か得するということもない。でも、役に立たない字だとて、読み書きできる人は「すごい!」と、私は思います。

 役に立ちそうもない記録ほど、私は好き!オリンピック種目にはないけれど、23段の跳び箱とべる人もすごいし、剣玉の「もしかめ」という技(上下の皿の上に、交互に玉を受ける)を、30分の間に5000回続けたってのもすごい。

 今年ギネスブックに搭載された新記録のひとつに、四足走行世界最速記録、というのがあります。両手両足を地面につけて、四つん這いの状態で走る。2008年11月13日、いとうけんいちさん(26歳)が樹立した記録では、四つんばいのまま、100メートルを18秒58で駆け抜けた。いいなあ、こういうことに挑戦する人。ほんとに何の役にも立たない記録なんですけど。

 あえて言えば、ギネスに記録されることで一目おかれる人の仲間入りできたってことくらいか。お笑い芸人をめざしているそうですが、ロザン宇治原の「IQ高い芸人」のように「四足走行芸人」がウリになるのやら。いとうさんの「やった!」のブログは下記URLに。
http://ameblo.jp/itokenichi/entry-10164506954.html

 スポーツのオリンピックのほか、数学オリンピックや科学オリンピックもある。
 漢字オリンピックが開催されて金メダルのひとつも獲得すれば、漢字オタクが賞賛される日もあるかもしれないけれど、世界漢字オリンピックは当分ないでしょう。というのも、、、、
 中国(簡体字)と台湾(繁体字)と日本(日本式新字)とで、別々の漢字を使っている字があるから。たとえば、芸術の「芸」という字、日本は「草冠の下に云」中国では「草冠の下に乙」台湾では本字の「藝」を使う。

 以下、私には、まったく読めませんでした。
 脳トレーニング用に掲載。
<ア行>
藜(あかざ)慊りない(あきた・りない)誑く(あざむ・く)晨(あした)攢め(あつ・め) 洽し(あまね・し)愆ち(あやま・ち)恤れみ(あわ・れみ)吩咐かった(いつ・かった) 鎔(いがた)師(いくさ)屑し(いさぎよ・し)鄙しむ(いや・しむ)苟も(いやしくも)售れず(う・れず)菲い(うす・い)偸からず(うす・からず)愬えん(うった・えん)萼(うてな)簒う(うば・う) 惆む(うら・む)恤える(うれ・える)簡ぶ (えら・ぶ)干す(おか・す) 筬(おさ) 扼える(おさ・える)韞める(おさ・める)誨えん(おし・えん)駭く(おどろ・く)
<カ行>
騫けず(か・けず)贏ちえる(か・ちえる)芟る(か・る)馥る(かお・る)撥げる(かか・げる)鑒(かがみ)疆りなし(かぎ・りなし)喞つ(かこ・つ)文る(かざ・る)傅き(かしず・き)昃きて(かたむ・きて)諧う(かな・う)苟に(かりそめ・に)稽うる(かんが・うる)檋(かんじき)轢る(きし・る)蛬(きりぎりす)蹙まり(きわ・まり)啖う(く・う)絮い(くど・い)軛(くびき) 晦まし(くら・まし)窘しむ(くる・しむ)緇まず(くろ・まず)刪る(けず・る)距(けずめ)罩める(こ・める)爰に(ここ・に)嘗みに(こころ・みに)咸く(ことごと・く)

<サ行>
昌ゆ(さか・ゆ)忤うる(さから・うる)曩に(さき・に)摸り(さぐ・り)号び(さけ・び)麾く(さしまね・く)折む(さだ・む)偖(さて)誣いがたし(し・いがたし)()兪り(しか・り) 閾(しきい) 錣(しころ)娜やか(しな・やか)霎し( しば・し) 亟(しばしば)蠹(しみ) 精げる(しら・げる)黜ぞけ(しり・ぞけ)拯い(すく・い)龕(ずし)菘(すずな)瘋(ずつう)輒ち(すなわ・ち)陋い(せま・い) 偬しい(せわ・しい)賊ない(そこ・ない)誚り(そし・り)乖く(そむ・く)
<タ行>
闌けて(た・けて) 贍らざる(た・らざる)夷らなり(たい・らなり)蹶れず(たお・れず) 鏨(たがね) 彙い(たぐ・い) 原ねる(たず・ねる) 鬛(たてがみ)賚(たまもの) 椽(たるき) 謔れる(たわむ・れる) 嵌める(ちりば・める)殄くす(つ・くす)竟に(つい・に)瘁る(つか・る) 尸る(つかさど・る)矜まずんば(つつし・まずんば) 虔む(つつし・む)恪む(つつし・む)闔じる(と・じる)俘る(と・る)遐きに(とお・きに)尤めず(とが・めず)
<ナ行>
脩し(なが・し)轅(ながえ 慷く(なげ・く)薺(なずな)蔑する(なみ・する)渾す(にご・す)猝かに(にわ・かに)暴に(にわか・に)攘み(ぬす・み)練(ねりぎぬ)貽す(のこ・す)莅んで(のぞ・んで)
<ハ行>
騁する(は・する) 籌(はかりごと) 厲ます(はげ・ます)趨る(はし・る)荷(はす)機で(はずみ・で)将(はた)桴(ばち)絶だ(はなは・だ)滔って(はびこ・って)夐かに(はる・かに)掣く(ひ・く)齣(ひとこま)闡く(ひら・く)濬し(ふか・し)銜み(ふく・み)諂わず(へつら・わず) 謙る(へりくだ・る)頌める(ほ・める)鐫る(ほ・る)
<マ行>
候つ(ま・つ)須つ(ま・つ)俟つ(ま・つ) 孚(まこと) 寔に(まこと・に) 允に(まこと・に)諒をなす(まこと・をなす) 眥(まなじり)萁(まめがら)戍る(まも・る)罕に(まれ・に)蹼(みずかき)撓す(みだ・す)紊れ(みだ・れ)叨に(みだり・に)咸(みな)邏る(みまわ・る)邀う(むか・う)牟る(むさぼ・る)噎んだ(むせ・んだ)聘らしむ(めと・らしむ)艾(もぐさ)醇ら(もっぱ・ら)徼む(もと・む)需めに(もと・めに)覓める(もと・める)悖りて(もと・りて)懶く(ものう・く)慵し(ものう・し)醪(もろみ)
<ヤ行>
烙く(や・く) 頤わるる(やしな・わるる)恬らか(やす・らか)忰れる(やつ・れる)諧らぎ(やわ・らぎ)饒かな(ゆた・かな)羸き(よわ・き)
<ワ行>
孼い(わざわ・い)纔かに(わず・かに)
~~~~~~~~~~~~~
 いかがですか。私にはとても読めない訓読みが多かったです。
 日常生活で使うことはないでしょうが、少しずつでも復習を続けて脳トレの一環にしていこうかと思います。纔かずつでも続けていけば饒かな脳になれるかと。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「再録・漢字訓読みクイズ」

2020-05-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200503
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>春庭漢字脳トレ(3)再録・漢字訓読みクイズ

 何度も同じ記事を再録しています。2019年夏にも、以下の「訓読みクイズ」は再録していますので、もう飽きた、という方はとばしてください。
 学生には、読めなかったところは、何度でも復習していれば、できるようになる、と話していますので、できた方もできなかった方も、何度目かの訓読みクイズをどうぞ。
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2012/05/12
ぽかぽか春庭にっぽにあにっぽん語教師日誌>にほんごクイズに挑戦(4)漢検1級訓読みクイズ

 アンチエイジング脳力アップのための日本語クイズ。脳トレーニングに役立っていますか。今回は、日本語教授法受講の日本人大学生には、歯が立たない上級問題です。

 今回は、教育漢字のレベルから漢検1級レベルの漢字まで、訓読みに挑戦してください。音読みの熟語なら、なんとなく前後の文脈から推測ができる漢字も、訓読みとなると日頃使わないので、なかなか読めないものです。
 教育漢字の訓読みレベル1から、漢検1級問題レベル4に挑戦。

 「漢字は得意」とおっしゃる人にとっても、1級レベル漢字の訓読みは、なかなか手強い。ぜひ、挑戦してみて下さい。大学生、1級漢字訓読みは、ほとんど読めません。常用漢字ではないので高校までに習っていないからです。
 もし、ひとつでも1級レベルが読めたら、「亀の甲より年の功」と、お孫さんに自慢できます。

・レベル1 教育漢字の訓読み。小学校6年生までに学習した漢字だけれど、訓読みは習っていないものもあります。以下の漢字、音読みですから、全部読めるでしょう。
1専門 2革命 3銅像 4昭和 5論争 6与件 7勉強 8慰(い)労会 9委任状 10号令
 でも、訓読みだとどうでしょう。全部読めますか。

1専ら 2革める 3銅のお鍋 4昭か 5論う 6着手金を与えられ、事件を与る 7強ち 8労る 9委ねる 10号ぶ

レベル1答え
1専(もっぱ)ら 2革(あらた)める 3銅(あかがね) 4昭(あきら)か 5論(あげつら)う 6与(あずか)る 7強(あなが)ち 8労(いたわ)る 9委(ゆだね)る 10 号(さけ)ぶ

・レベル2 常用漢字(中学高校で習い、日常社会で用いる。新聞雑誌はこのレベル)音読みでは皆が知っている漢字。音読みは読めるはず。 
1余剰 2荘厳 3徒労 4邪悪 5肯定 6状況 7転々 8統帥権干犯 9徐々に 10 象形文字
答え
1ヨジョウ 2ソウゴン 3トロウ 4ジャアク 5コウテイ 6ジョウキョウ 7テンテン 8トウスイケンカンパン 9ジョジョに 10ショウケイモジ

 ところが、訓読みだと、やはりなじみがないものもある。
1剰え 2厳めしい 3徒に 4邪な 5肯て 6何をか況んや 7転た 8統帥権を干す(「ほす」ではありません) 9徐に 10象る

レベル2答え
1剰(あまつさ)え 2厳(いか)めしい 3徒(いたずら)に 4邪(よこしま)な 5肯(あえ)て 6況(いわ)んや 7転(うた)た 8干(おか)す 9徐(おもむろ)に 10象(かたど)る

・訓読みクイズ・レベル3 
 レベル3は常用漢字のほか、常用漢字外の字もあります。音読みの熟語では知っているけれど、訓読みは「どこかで一度は目にしたかも」というレベルです。音読みでは、以下の熟語、語彙に使われています。
音読み
1晨星 2轢死 3頑固者 4軽蔑する 5需要 6閾値 7頻出 8謙遜 9王位簒奪 10都鄙問答
答え
1(シンセイあかつきの星) 2レキシ(車などにひかれて死ぬこと)3ガンコモノ 4ケイベツ 5ジュヨウ 6(イキチ=その値を境にして、動作や意味などが変わる値)7ヒンシュツ 8ケンソン 9オウイサンダツ 10トヒモンドウ(江戸時代中期に成立した心学運動の最も重要な書物の題名)
 さて、音読みでも難しい熟語になってきました。では、訓読み。
訓読み
1晨に立つ 2轢る 3頑なに 4蔑する 5需める 6閾をこえる 7頻りに 8謙る 9簒う  10鄙しむ

レベル3答え
1晨(あした)に立つ 2轢(きし)る 3頑(かたく)なに 4蔑(なみ)する 5需める(もと)める 6閾(しきい)をこえる 7頻(しきり)りに 8謙(へりくだ)る 9簒(うば)う 10鄙(いや)しむ

・訓読みクイズ・レベル4 
 レベル4は「こんな漢字あったかしら」というレベル。読めなくても、一生困ることはありません。

1畢竟 2撥音 3傅育者 4諧謔 5鬣 6蛬 7顰蹙 8仏龕 9軛殺 10錣
音読みの答え、その他のヒント
1畢竟(ヒッキョウ)2撥音(ハツオン平仮名でいうと「ん」のこと)3傅育者(フイクシャ) 4諧謔(カイギャク) 5音読みは(リョウ)ライオンのこれが有名 6蟋蟀とも書きます 7顰蹙(ヒンシュク)8仏龕(ブツガン仏像をしまっておく入れ物)9軛殺(ヤクサツ首をつって殺すこと。扼殺は手で首を絞め殺す。日本の死刑は軛殺)訓読みは頸木とも書きます 10音読みは「テツ」現役力士時代の寺尾、親方名、○○○山 

訓読み
1竟に 2撥げる 3傅き育てる 4諧う 5鬛をなびかせる 6寒夜の蛬 7非礼、蹙まりなし 8龕に仏をおさめる 9軛を放つ 10錣山

レベル4答え
1竟(つい)に 2撥(かか)げる 3傅(かしず)き育てる 4諧(かな)う 5鬣(たてがみ) 6蛬(きりぎりす) 7蹙(きわ)まりなし 8龕(ずし) 9軛(くびき)10錣山(しころやま)

 いかがでしたか。訓読み、意外とむずかしいでしょう。
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ぽかぽか春庭「漢字で脳トレ」

2020-05-02 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200421
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>春庭漢字話漢字で脳トレ(1)訓読みで脳トレ

 ひきこもりを続けていて、退屈している方がいたら、せめて脳トレでもしてみませんか。
 過去ログの再録ですが、何度でも漢字練習繰り返せば、脳には刺激になります。

 春庭は仕事では漢字に触れますが、仕事から離れると、とたんにあの漢字も忘れた、これ、なんて読むんだっけ、と、あやふやなことも多いです。漢字変換機能であやふやな記憶の漢字でも変換できてしまうこともあり、どんどん漢字が書けなくなっています。とりあえず、読んで意味が分かれば日常生活では書けなくて不自由という場面は多くはないですが。

 10年以上前の記事の再録のつづきです。
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2008/12/19
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>春庭の漢字検定(5)訓読み1級で脳トレ

 日本語教師、漢字検定1級までできなくてもいいから、2級・準1級は合格してほしい、と日本語教師志望者の学生に言っています。

 春庭自身は、漢字に弱い。読むのはなんとかなっても、書く方はまったく苦手。
 黒板に書く文字、間違えてばかりでイヤだったけど、パワーポイントを黒板代わりに使うようになって助かっています。だいたいの漢字は変換できますから。
 薔薇も憂鬱も無知蒙昧も曖昧模糊も、魑魅魍魎も、ちゃっちゃっと変換できる。耄碌しても強い味方。漢字変換。一太郎使用時には、思うとおりに漢字変換できますが、ワードだとときどきおかしな誤変換もしてしまいます。
 
 書くことができなくても、読み方と意味・使い方がわかれば、これからの世の中なんとかなる。一字一字書くことができなくても、大丈夫。同音異義語の使い分けができることのほうが、必要になる。
 漢検1級の書き問題で書けない字あったら、「脳トレ」がわりに書き取り練習するって程度で、よろしいと思います。

 1級のなかでも、音読みは熟語なので見たことある字も多いけれど、訓読み問題、一生のうちで、はたしてこんな字を訓読みで使うことがあるのやら、と思う漢字ばかり。
 文脈があれば推測で読めるのもあるでしょうが、文脈なしで私に読めた1級問題漢字は200字の問題のなかで20字ちょっと。正解率一割。

 あとはほとんど読めませんでした。すみませんね、こんなんでも日本語教師つとまっているんです。でもね。言い訳するけれど、1級の訓読み漢字、常用漢字の使用範囲外だから、おそらく、日常生活で使うことはほとんどない。
 「乖く」「闌ける」など、文脈無しに読むことはできませんでした。

 「干す」に「ほす」「ひる」と、ふたつの読み方があることは知っていましたが、「おかす」「あずかる」「もとめる」という読み方があることなど、まったく知らずに生きてきました。
 「統帥権干犯」ということばを読み書きして、かんぱん=「他に干渉してその権利を侵すこという意味も知っていたけれど、「干す」に「おかす」という読み方があることに思い至りませんでした。
 「ほす、ひる」という訓読みから「干犯」という熟語の意味が成立するのはおかしいとも考えなかった。

 「撥音はつおん」は、日本語学では「ん」のことですが、訓読みは、撥げる(かか・げる)と読むのだとまったく知りませんでした。
 軋轢(あつれき)は読めるが、轢る(きし・る)は読めませんでした。
 顰蹙(ひんしゅく)は読めるが、蹙まる(きわ・まる)は読めませんでした。

 簒奪(さんだつ)は読めるが、簒う(うばう)はダメ。
 健啖(けんたん)は読めるが、啖う(く・う)はダメ。「くらう」だと思っていました。
 陋屋(ろうおく)は読めるが、陋い(せま・い)はダメ。
 乖離(かいり)は読めるが、乖く(そむ・く)はダメ。
 闌干(らんかん)闌入(らんにゅう)は読めるが、闌ける(た・ける)はダメ。

 そんな訓読みがあったのか、と思う字ばかり。

<つづく>

2008/12/20
ぽかぽか春庭ニッポニアニッポン語教師日誌>春庭の漢字検定(6)読めない漢字で脳内清掃

 錣(しころ)は、単独では読めない。「錣山しころやま」という漢字、大相撲ではじめてみました。元関脇寺尾の親方名が錣山。
 縹色(はなだ・いろ)が読めるようになったのは、ポケモンの中の街、縹シティのおかげ。

 藩(まがき)が読めるようになったのは、「藩ハン」という居酒屋の店名説明に、「まがき」という読み方もあることが書かれていたから。私はそれまで江戸時代の薩摩藩や川越藩などの「藩」の意味しか使ったことがなく、「藩」のもともとの意味が「かきね」であることを居酒屋の案内広告で知りました。日本語教師の知恵袋、居酒屋にもあるのだから、せっせと通わなければ、、、、ということにはならないか。

 「腥さい=なまぐさい」が読めたのは、腥を「つき&ほし」と思いこんだ親が、子に名付けようとした、というエピソードを新聞で読んだから。
 偏として使われる「月」には、「月ヘン」のほか、「肉」の省略形としての「月=にくづき」もあるので、腕、腹、胸、などは「にくづき」です。腥は、「生の肉」の意味。

 「青春の蹉跌さてつ」は知っていたけれど、蹉く(つまず・く)は読めない。簒奪(さんだつ)は読めたが、簒う(うば・う)は読めなかった春庭。ほかにも見知らぬ訓読みがごろごろ。
 春庭にも読めた1級の漢字訓読み。200字のうち、20字だけでした。
 文脈がない出題だったので、わかりにくかった。と、言い訳。文脈なしにドンと「藜」だけ出題されても、読めません。アカザだった。野草のアカザのおひたし、好きだったのに。
 
 自分が読めた字、数少ない。貴重な「読めた字」の中からテスト問題出題してみます。ヒントとして文脈をつけます。文脈があれば読みを推測できます。

1)肉を[燻す] 
2)自分を[箴める] 
3)孔子の[諱]は丘、字は仲尼(ちゅうじ)  
4)鴨(かも)と[鳬] 
5)ついつい情に[絆されて]しまった  
6)[逬って]あふれる 
7)豚を[屠る] 
8).[頑]に否定していた
9)[黙り]を決め込む
10)刀の[鍔]
11)この刀いくらで[贖った]のか
12)[鷽]がえ神事
13)[嗄れた]声
14)[樒]を神棚に
15)議案を[詢る]

(正解)    
1 燻す(いぶ・す)2)箴める(いまし・める)3) 諱(いみな)4) 鳬(けり)5)絆される( ほだ・される)6)逬って(ほとばし・って)7)屠る(ほふ・る)8).頑(かたくな・に)9)黙り(だんま・り)10).鍔(つば)11)贖う(あがな・う)12)鷽(うそ)13) 嗄れた(しわが・れた)14)樒(しきみ)15)詢る(はか・る)

 次回は、「まったく読めない訓読み」をご紹介。


<つづく>
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