高校生の頃(はや半世紀も前にもなるとは驚きを禁じ得ず)、都市の公害問題、あちらこちらの森林伐採などで自然保護活動が盛んでした。高校があったのは、京浜工業地帯の工場が林立する千葉市の丘の上でした。「光化学注意報」が発令され、それこそ不要不急の外出はしないようにと広報車が街宣する横を通って通学したものでした。東京湾では背中が曲がった魚が釣り上げられ、水俣病や窒素公害も最中でした。
私は高校入学して山岳部に所属したのですが、当時、尾瀬ヶ原へ大規模林道建設が持ち上がり、大きな自然保護活動が始まりました。私もいてもたってもいられず、千葉県高校生自然保護の会という任意団体を立ち上げて初代代表となり、2年生の夏合宿後に休部して反対運動をはじめ、ご当地、群馬県や東京の仲間を見つけ、関東高校生自然保護連合会なるものも作りました。 運動は大きなうねりとなり、厚生省から環境庁(どちらも当時名)が分離され、初代長官の大石武一さんが、林道建設中止の英断を下しました。
そんなころに出版された有吉佐和子さん著の「複合汚染」という名著があります。どのような内容だったのか、正直覚えてはいませんが、貪るように読みました。
昨今、身の回りで、放射性廃棄物の最終処分場問題や新幹線トンネル残土から有害物質が出たこと、河川の治水拡張工事など、再び「公害(性)」問題が噴出しています。
廊下の書棚のどこかに単行本があるかもしれないですが、初心に戻るつもりで、再度手に入れました。
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