この映画の感想を書くには、まだ自分の中で消化(昇華)が進んでいない気がしていますが・・・、
地球市民村の会場で、「純愛」という日中合作の映画のプロモートをしている奥山さんという方にお会いしました。その方は元資生堂の企画広報のお仕事をされていたそうで、この映画の製作者であり主演女優でもある小林佳子さんにお会いし賛同し、構想から製作アップまで8年かかり、そのプロデューサーとしても関わったお方でした。 さすが女性相手のお仕事をされて来たので?物腰柔らかな素敵なオッサンです。
映画のストーリーは、日中戦争後に中国に残り、そこで出会った日本人と一緒になる時にある村の中国人のおばあさんに助けられるのですが、彼と事故で別れてしまい(死んだと思われた)、その後、そのおばあさんの息子の中国人の男性と一緒になるのだが・・・(あまりストーリーは書きませんが)、と悲喜交々なのですが、そのおばあさんとの出会いから日本人を排斥していた村の人々とも徐々に絆が深まる。 死んだと思われた彼氏がまた現れて・・・、彼女はどのような生き方を選択してゆくかが・・、クライマックスとなります。
ウォーアイニー「私はあなたを愛しています。」For the future of children,may be peace on earth「子どもたちの未来のために、世界が平和でありますように」がメインコンセプトで、この映画には、人が生きてゆくための多くのテーマが織り込まれています。 フィクションではありますが、日中戦争後の実話を数多く取材してほんとうにあった話も数多く埋め込まれているとのことですが、戦争映画ではありません。(事実戦闘映像はほとんどありませんが、日本人の残虐行為も語られています)。物語が次にどのように展開してゆくのだろうか、観ていて想像できないこともあり、ストーリーとしてもハラハラドキドキがありました。
そして、この奥山さんのプロモーションに話を戻しますが、この映画上映の手法がすこぶる面白い。映画の鑑賞権利を「恩送り」するのです。どういうことかと言うと、映画を見ている人は直接、お金を払わないのが原則。誰かが鑑賞権利をプレゼントするのです。今回の地球市民村での上映会の経費も、あるお医者さんが負担してくださったとのことです。 観た人には赤いカードと白いカードがプレゼントされます。赤いカードは、どこかで上映会があったら何度でも無料で鑑賞できるパスポート券。白いカードは誰かに差し上げて、もらった人が観れる入場券となります。 つまり、寄付で成り立っているファンドレイジングみたいなものです。 こういう繋ぎ役は女性が優れているそうで、そういった人たちを Bond Girlと呼んでいました。
昔、ガイアシンフォニー(地球交響曲)という環境系映画の自主上映を2回、私もやったことがありました。この映画は国内あちらこちらで自主上映されて、環境・自然活動の大きなネットワークが形成されてゆく過程で大きな役割がありました。しかしながら、主に入場料に頼る興業的な側面もありました。人が集まることで次第に営利的興業じみてきた様相もあり、3度目に他の人から一緒に自主上映会をしようと誘われた折にはお断りしたことがありました。
この「純愛」の上映手法は、繋がることを大切にしているわけです。近日、東京で500人規模の大きな上映会の企画があるそうです。この上映には中国側の俳優も招待する目標を持っていて、一席なんと8000円で寄付を募っているのですが、上々の集金状況のようです。つまり、お薦めできる映画なわけであります。
公式ホームページはこちらです。http://jun-ai.biz/index_j.html