晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 続・根深さんのこと 2/8

2011-02-09 | 雨読

2011.2.8(火)曇、雨

 生活も不可解なら風貌も怪しげで、少なくとも登山家というものに凛として筋骨たくましく精悍なイメージを持っていた私の憧憬は早々に壊されてしまった。
 そんな根深さんが山と自然を愛し続け、海外の山でも活躍し、そして素晴らしい文章を書かれるとは思いも寄らなかった。東北の山に対する二冊の本「白神の四季」「ブナの山々」は私の宝物だし、先日大津の古書店で見つけた「チベットから来た男」はまだ読んでいないのだが、根深さんの学生時代のことなども書かれているようで楽しみにしている。Img_2323
 
私の持ってる根深さんの本。


 夢枕獏の「神々の山嶺(いただき)」という長編のフィクションがある。友人に勧められて読んだのだがとても面白くて一気に読んでしまった。井上靖の「氷壁」の現代版というか、スケールを大きくしたような作品である。
 その冒頭で意外な文章を見て驚愕する。内蔵助平から剣岳に登ったときの根深さんともう一人のOB、長谷川良典氏が実名で出てくるのだ。この小説には幾人かの登山家が実名で出ているので不思議ではないのだが、内容が問題だ。1924年の第三次エベレスト登山隊で遭難死したマロリーとアーヴィンのどちらかと思われる遺体を8,100m地点で見かけたという情報を中国隊員の王洪宝から得たというものである。この二人はエベレスト最大の謎となっており、つまり彼らが遭難前に目撃されたのは登頂前なのか、後なのかと言うことである。その29年後にエベレストは初登頂されるのだが、もしマロリーたちが登頂後に遭難していたとしたら、歴史は塗り替えられるわけだ。このマロリーの遺体やマロリーの持っていたコダックのカメラを中心に小説は展開していくのだが、なぜ長谷川さんが実名でこの小説に出てくるのか不思議であった。ここの部分は実話だったのである。現実にこの情報発現以来捜索がなされ、1999年にマロリーの遺体が発見されたそうである。Img_2332   
 
神々の山嶺上下巻

 実はこの小説のフィクションの登場人物の多くが、学生時代の山仲間の名前と一致するのである。もちろん単なる偶然なのだろうが、主人公羽生丈二だけは憶えがないが、最も近い深町誠はこれは根深誠氏ではないかと勘ぐっている。なんとなく面白いでしょ。

【作業日誌 2/8

ガーデンシェッド、ドア作製、ドア枠と下部ドア板完成、丁番取り付け準備

今日のじょん:今冬初めて上林川河原に下りる。やっと雪が少なくなって下りられるようになったのだ。ところがそこはイノシシと鹿の独壇場で、臭ぎ廻って散歩にならない。Img_2318Img_2319_2

 念道橋から下りられるようになったが、獣の臭いが大変。

コメント (1)
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