2012.2.28(火)曇 積雪5cm
B,C(里山、山)地域を獣達に明け渡すということは、A’(農地)地域に獣達が入ってこないということでは無くて、人間がA,A’(居住地、農地)地域からB,C地域に出て行かないということである。
一区では昨年まで向山の折山峠道の整備がなされた。かつては忠と念道を結ぶ生活の道であった古道、誰も歩くことの無くなった峠道を倒木を切り、ブッシュを切り開いて整備された。やがて桜の苗木が植えられたり、立派なゲートが立てられたりで一応の完成を見た。この山はかつては生活道が通っており、お宮さんもあり、里山として人の出入りも頻繁であったろう。冬は子供達の竹スキー場であったとも聞く。
折山道の入口。
わたしの言うB地域の里山で、獣など居なかったことだろう。ところが今やこの山に入るものも無く、地域の獣供給源となっている。
折山峠の整備がどのような目的で行われたか判らないのだけど、獣達に奪われた里山の奪還のせめてきっかけにでもという目的があったのならとても素晴らしいことと思う。
折山はかつて典型的な里山だったのだろう。
峠道の完成後幾人かの人に紹介し、また自分自身も数回訪れたりしたのだが、普段に人の出入りが在るわけで無く、獣達に「人の営みの圧力」をかけるような状態では無かった。そして決定的に人が入らなくなったのが、例のネットでは無いだろうか。
もちろん道の入口部分は開閉できるようになっているのだが、あれを開けて山に入ろうという人は出てこないだろう。あのネットは物理的というより精神的に人と里山を隔離してしまった。
つまりあのネットは人間の最後の砦であった里山を獣達の手に渡し、もう攻撃はしませんよと言う降参の印、敗北宣言の印なのである。
隣接する里山が完全に獣達の生息地になったら、あの数ミリのネットで農地が守れると思うのはよほど脳天気な者だろう。例えば動物園の檻があのワイヤメッシュだとしたら誰が見物に行くだろうか、人間は精神的にあのネットから出られず、獣達は物理的にあのネットから侵入してくるだろう。
これが獣害を助長する防獣ネットの理由である。つづく
もう鹿入ってるぞ(1.16)
【作業日誌 2/28】
バイクハンガー作製
郵便受け箱作製
今日のじょん:積雪もいずれ無くなりそうなので、機会がある毎に鹿の足跡を追っている。今朝は上林川から上がってきている足跡を追う。最初に見つけた足跡を指さすとそれを嗅いで追いかけて行く。警察犬の要領だ。
最初は農業用水から続く溝、農道を渡って高橋さんの作業小屋へ、作業小屋から森井さんの畑へ、そして水嶋さんの下の溝に続いている。ここで不鮮明であった足跡がはっきりしている。鹿では無い、小動物である。道理で溝なんか歩いているわけだ。