2013.3.25(月)曇、雨
こうして中国山地を旅しているとたたらの跡や資料はいたるところに現れ、否応なく興味を持つようになるのだが、旅が終わって数年後これほどまでたたらや古代の製鉄に関心を持つようになるとは思ってもみなかった。そういう意味でも今、菅谷を通らなかったこと、自身の目でみることができなかったことが悔やまれる。
たたら炉や地下構造、たたら製鉄の技術的な事柄や言葉、用具や職人の役割など様々な事柄を書物の上では何度も読んで知っているつもりでいたが、本書の中で今更聞けない重要なことを知ることとなった。
それは砂鉄、真砂(まさ)と赤目(あこめ)のことである。
わたしが考えていた砂鉄に関する分類は、真砂とは出雲等で産出される山砂鉄でチタン分の少ない良質の砂鉄で鋼作りに使用される砂鉄、赤目とは日本中どこでもとれるチタン分やリン分の多い低質な砂鉄ぐらいの中途半端な稚拙な考えである。
ところが現実の製鉄をなしえた本書による砂鉄の分類はこのようなものではなかった。
操業一日目には赤目、あるいはコモリ小鉄(こがね)という山砂鉄を入れる。一日目の目的は炉内の温度を上げることだから、炉壁や木炭と反応しやすい砂鉄を使うということだ。赤目は粒子が小さく還元しやすいという理由である。赤目は銑(ずく)になりやすいという。この日使った赤目は大正年間に菅谷たたら周辺の山で採ったものということである。
また2日目移行に使われる鋼になる真砂小鉄(まさこがね)は皆生海岸で採取した浜砂鉄だということだ。
また出雲の中でも真砂系、赤目系どちらも産地が存在する。
わたしの認識では出雲の主要たたらで鉧押しする場合、近隣でとれた真砂系の山砂鉄で製鉄を行っていたというものだが、実は山陰の浜砂鉄を使い、近隣の赤目系山砂鉄も使われていたというわけだ。認識とは逆の事態で驚いている。
この際真砂、赤目についてはっきりしておこうと手持ちの鉄に関する文献を繰るが、実に様々な分類がしてあって中には正反対のことを言っているものもある。しかしながら、本書の場合現実の村下達が現実にたたら製鉄を成し遂げたのだから、ここに書かれてあることが正しいと思う。おわり
【晴徨雨読】181日目(2007.3.25)熊本滞在、金峰山登山
自転車が元どおりになって喜び勇んで金峯山なる熊本市民に愛着のある山に登る。といっても頂上まで自転車で行ける665mの山だ。西に霞んだ島原半島を見て、明日行ってみることにする。
この向こうに島原、雲仙岳が見えるはずなんだが、、、。
【作業日誌 3/25】
薪運び、シデ山
みとの案内看板が完成、周囲の山名もすぐに解るようになった。
【今日のじょん】:期待じょん桜。2才の誕生日に記念に植えたじょん桜、大きくなったが花は少なく、昨秋には鹿に囓られどうなることかと思ったが随分蕾が着いている。今春は期待できそうだが、この寒さでは今少しかかりそうだ。