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桂文枝語る「今のテレビ局は芸人に対して情がない」【桂文枝】

2014年03月19日 09時26分56秒 | TV番組
『六代目桂文枝』襲名から1年。落語への飽くなき追求を続ける彼の目に、今の「テレビの笑い」は、あまりに空虚で殺伐としているように映るという。“笑いの大御所”は、あえて言う。「そんな番組は見るな」とーー。

「昨年の7月16日、69歳の誕生日に『六代目桂文枝』を襲名して間もなく1年になります。襲名披露は来年の春まで続きますけれど、この1年間で、北は北海道、南は沖縄、さらに、昨年の12月にはパリでも2日間襲名披露公演を行いました。フランスの方たちから『落語は単なるお笑いではなくアートだ』と評価していただき大変うれしかったですね」(桂文枝・以下同)

 今月16日には、大阪の『なんばグランド花月』で襲名1周年記念公演が行われる。そこで新作の創作落語二席が披露されるという。ひとつは『嵐を呼ぶ男~石原裕次郎物語』。裕次郎のヒット曲を通し、彼の人となりを検証していくという噺だ。

「一例を挙げると、裕次郎さんは大スターであったにもかかわらず大変謙虚で、礼儀正しい方で、♪夜霧よ今夜もありがとうーーと、夜霧にまでお礼を言う(笑)。もう一席は『友よ』。こちらは、75歳になった男の友達同士が『いつまでも友達でいような』と言いながら、人生を振り返り、これからを語り合う。高齢化社会に向けて、いかに友達が大切か、ということを落語にしました」

 これからの日本は、少子高齢社会で活気がなくなっていくような気がする。だからこそ若い世代に頑張ってほしいが、彼から見ると、頑張っているのだろうが、どうも物足りない気がするという。

「昔の人に比べると志が低いというか、自分でラインを引いて『できなかったらしゃあないな』みたいなところがあるように見受けられる。そうではなく、大所高所に立って、自分のためではなく『人のため、お国のために頑張ろう』という気概を持ってもらいたいと思うんですね」

 昨今の日本人には、「日本人の美徳」とされてきた“情”が希薄になっていると感じるという。人間関係のみならず、すべてにおいて一番大切なのは“情”であると彼は思う。落語でも笑わすことはいくらでもできる。しかし、そこに“情”があれば笑いに深みが出るが、情の部分を全部切り捨ててしまえば、空虚なものしか残らないという。

「昨今のテレビ局とお笑い芸人の関係にも、情の希薄さを感じますね。テレビ局は、芸人に対して“情のないこと”をしていると思うんです。どの局も、次から次へおもしろい人間を探してきて、バーッと使って、ひと通り使ったら『もうええな』という感じですから……。だから、使われるほうも注目されようと刹那的というか、“一発芸”的なギャグを一生懸命考える。“笑い”とはそうではなく、積み重ねでないと、本当にいいものはできないんですよ」

 彼がやっている創作落語にしても、最初からいいものはできない。何度も何度もネタを振り、稽古をし、舞台にかけてようやくいいものができる。しかし、今の世の中は、それまで待ってはくれない。だから、ついつい刹那的な芸に走ってしまう。今の若い芸人には、そういう気の毒な面もあるという。

「最近の“笑い”を見ていると、芸人が“切り売り”をしているような傾向があるように思います。わかりやすく言うと、芸人同士が相手の失敗や欠点を暴露し合い、他人をバカにすることで笑いを取っている。しかも、バカにされたほうも、バカにされることが人気の証しと思って喜んだり、得意になっている。それによって一時的には人気を得ることができるかもしれませんが、“切り売り”には限りがありますから。同じ話が続けば飽きられて『もうええな』となってしまう」

 こういう状況を打開するひとつの方法は、視聴者の方がもっとレベルアップすることだと、彼は言う。

「暴露し合って他人をバカにするような番組は『おもろないから見ない』言うて見なければ視聴率が取れなくなる。そうすれば、テレビ局は考えるし、芸人も、芸人として生きていくにはどうしたらいいか考えることになりますから。今の芸人は『何をしてもいいから売れたい』と。なかには『バラエティ番組の“ひな壇”にできるだけ長く座っていたい』みたいな芸人も見受けられる。時間はかかるかもしれないけれど、一生懸命芸を磨いて認めてもらう。これが、芸人本来の姿ではないかと、私は思いますけれど……」

 7月16日に70歳を迎える文枝師匠に、改めて「これから」を聞いてみたーー。

「60代はチャレンジの時代と考え、70代はゆっくりしようと思っていたんですけれど、先日、史上最高齢の80歳でエベレストの登頂に成功した冒険家・三浦雄一郎さんを見て考えを改めました。私はエベレストには登れないけれど、“高座”にはあがることができる。高座の高さは35~40センチぐらいですけど、そこで落語家としての最高峰を目指したい。そのためには、できる限り高座にあがり続けて、落語を広めていきたいし、落語界の次なるリーダーを育てていきたい。これが私の使命でもあると思っています」

作業員が汚染水浴びる事故も…福島の過酷な労働状況を米紙が告発 東電は「回答する立場にない」

2014年03月19日 09時06分51秒 | ニュース
「フクシマでマンパワーの危機」-。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、16日付で福島第一原子力発電所の現場作業の実態を伝えるルポを掲載した。記事は、下請け、孫請けと何層にも複雑化している雇用形態や、素人同然ともいうべき作業員の質などを問題視し、東京電力や国の「無責任体質」を暴いている。


【フクシマで働くのは未経験の失業者やホームレス】

 東日本大震災から3年が過ぎた今、福島第一原発には、経験豊富な作業員はほとんど残っていないという。過酷な労働環境に耐えかねて辞めたり、年間被曝線量が上限に達したためだ。


 労働環境の悪化、賃金の低下から人が集まらなくなり、現場を取り仕切る請負業者は人員確保に四苦八苦しているという。募集要項には「社会常識と会話能力が必要です」程度のことしか書かれておらず、元作業員の証言でも経歴は不問だったという。


 そのため、作業員の多くは失業者やホームレスなどで、二次災害の発生が懸念されると同紙は報じる。実際、汚染水の貯水タンクのオーバーフロー事故など、「人災」とみられる実例が挙げられている。東電はこれら事故について、作業員の経験など問題の核心に迫る質問にはことごとく回答を拒否したという。


【作業員募集には暴力団も関与】

 同紙は、こうした問題の根幹は、複雑な雇用形態にあるとみる。作業員の募集を含む現場の仕事は、東電の委託を受けた請負業者が、さらに下請けや孫請けの業者に分配する形で行われている。そのため、東電は誰が実際に現場の仕事を仕切っているのか、具体的に何がどのように行われているのか、まったく把握していないというのだ。元作業員の一人は「現場でほとんど東電の社員を見たことはない」と、記事中で証言している。


 ロイターが昨年報じたように、ヤクザが作業員の調達に関わっていることも問題視されている。英メール・オンラインは昨年12月、50におよぶヤクザが1050人の労働者を抱えているという警察の見積もりを紹介している。


【東電「回答する立場にない」】

 ノルマ達成のために仕事が雑になっているという例も報告されている。4人の子を持つ沖縄出身の作業員は、一日1万5000円で汚染水の貯蔵タンクを作る仕事に従事。本来は晴天下で行うべきタンクの継ぎ目をパッキンで埋める作業を、雨や雪の日にも急がされた。


「案の定、後にパッキンが剥がれて漏水の原因になった」と、この作業員は証言する。「何度も上司に作業の欠陥を指摘したが、聞き入れられなかった」。


 東電は、こうしたリスクが高い作業に見合うよう、賃金を上げる約束をしたという。しかし、現場の作業員たちの反応はあきらめムードだ。「間にいくつもある業者がピンハネするに決まっている。自分たちの分はほとんど残らない」。


 東電は、作業員が直面するこれらの過酷な現実について、NYTの質問に対し、「回答する立場にない」と文書でそっけなく伝えてきたという。


 こうした実態を告発するNYTの報道を、中国人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙や、シンガポールのトゥデイオンライン、ニュースサイト『Salon』などが報じている。