10月23日(月)
箕面市船場での小中一貫校建設と小中一貫教育について 質問その⑤
施設一体型の小中一貫校の実態とデメリットにもしっかり目を向けるべき!
10月10日、箕面市議会本会議で「小中一貫校建設と小中一貫教育について」一般質問を行いました。質問と市教育委員会の答弁をご報告します。その⑤
⑤小中一貫校と小中一貫教育への問題点について 質問します。
「中一ギャップの克服」「9年を一貫した教育」など小中一貫校と小中一貫教育のメリットが述べられてきましたが、「一貫校と一貫教育で不登校やいじめが減った」という明確なデータはあるのでしょうか?
これまでの施設一体型の小中一貫校では、「小学校、中学校での授業時間や学習スタイルの違いからチヤイムの音をはじめ教育活動でもお互いに配慮や遠慮をしあわなくなる場面が多くあり、小学生も中学生ものびのびとした学校生活や教育活動ができない」との指摘があります。
千人以上の規模の大規模な一貫校をつくれば、船場小中一貫校も千人を超える計画になっていますが、「小学校と中学校のそれぞれに応じたこれまでの子どもたちの教育活動を十分保証することができない。」との指摘があります。
箕面市での施設一体型の小中一貫校では、中学校のテスト中心の学習のやり方を小学校に持ち込む定期テストや教科担任制などすすめられ「本当に小学校教育の子どもたちの発達の段階を踏まえてものか?」疑問の声が上がっています。「学力競争の一層の低年齢化につながる。」「小学校5,6年生の成長や発達が果たせず、結局、中学生への飛躍も果たせない」との教育的な観点からも指摘されています。
しかも、「一貫校で一度、人間関係が崩れれば9年間の教育全体にも影響し、取り返すに多大の年月と労力がかかる」との指摘があります。こうしたこれまで指摘されているデメリットがないと言えるのでしょうか?
市教育委員会の答弁;
まず、「不登校やいじめが減ったという明確なデータ」に ついてですが、先ほど中西議員にご答弁したとおり、文部科学省が小中一貫教育の成果として不登校といじめが減 少したデータを示しています。次に、「チャイム」についてですが、先ほど中西議員のご質問に対してご答弁したとおりです。(チャイム) チャイムの運用については、1時間目、3時間目、5時間目などに鳴らし、その他の時 間はチャイムを鳴らさなくても児童生徒が自主的に行動できるようにしています。
次に、「小学校高学年への定期試験や教科担任制の導入」 についてですが、国の実態調査において、小学校高学年で の専門的な指導を充実させる点が小中一貫教育の成果と して示されているとともに、国は令和4年度から4年かけ て小学校高学年の教科担任制を推進するため、教科担任教 員を増員していくことを計画していることから、デメリッ トとの認識はありません。なお、今年度、小学校高学年の 定期試験は、実施しておりませんが、中学校への円滑な移 行が目的で、実施しているもので、学力競争の低年齢化に つながるとは考えていません。
次に、「人間関係の固定化」についてですが、先に桃山議員のご質問に対してご答弁したとおりです。(人間関係の固定化) 一方、課題としては、9年の間に人間関係が固定化しやすいのではという点が挙げ られますが、施設一体型の特徴を生かして、児童生徒の情報の引継ぎを密に行うこ とで、丁寧な見守りと指導を行って対応しています。また、施設一体型の大規模校で はクラス替えがしやすく、豊かな人間形成を図りやすいというメリットがあります。
(名手)地域説明会でも「一般校とくらべて不登校やいじめが減少したという明確なデータはない」と答えていました。またR4年度、「不登校担当者連絡会資料」では「箕面の場合、すでに小学生5年から6年生にかけて不登校が増えている」結果が出ています。小中一貫教育教員アンケート結果分析 (2).pdf P16
チャイムも「小学生は時計で自主的に動くことは難しい」と言われ、施設一体では小学生、中学生がお互いが遠慮しながら学校生活を過ごすことになります。
人間関係もクラス替えだけで済む話ではありません。また、小学生にとって「毎日目にする、中学生が憧れでなく、中学生になったらもっと勉強やテストで大変な実態も早くから小学生の時から見せられ、中学生になるのが嫌になった」という例や声もあります。施設一体型の小中一貫校の実態とデメリットにもしっかり目を向けるべきです。