
東京駅に11時半に着いたのでもう幻(?)となりかけている立喰そばを食べに行く。東京出身の方ならご存知かもしれないが、『梅もと』である。少し前までは神保町、溝の口、虎ノ門、東京都庁、中野駅、新宿小田急エースなどにパラパラと支店があったが、まずは稲荷寿司など持ち帰り寿司部門を売却、22年には『ちよだ鮨』に身売りしてしまった。

(小田急エース店)

(溝の口店)

(神保町店)
私は以前にこのブログにも書いたが、初めて立喰そばを食べたのが、梅もとの茗荷谷店。今は影も形もないけれど、窪町小学校の並び、女子アパートと同じビルにあった。ただ、これも50年以上前のことだが。

唯一の店が『ヤエチカ店』、八重洲地下街に残っている。券売機で食券を買い、おばさんに渡すとそばを作る方式。


メニューを見て驚くのが、朝そばは390円、普段でもかけそば・もりそばは330円と六文そば(人形町店)に次いで安い。セットも充実していてマグロたたき・かき揚げのミニ丼と蕎麦で550円と破格の安さである。私は普段は『かき揚げそば』(430円)なのだが、季節メニューの『桜エビかき揚げそば』(490円)と贅沢にした。

カウンターに食券を出すと『そばですが。温かいのでいいですか』と聞かれて『そばで温かいの』と返すと『お席でお待ち下さい』と言われた。


数分で桜エビかき揚げそばができたので取りに行く。真ん中に乗っているかき揚げには桜エビ、他にチンゲンサイとネギが乗っている。七味をかけて頂くが、蕎麦は茹でたての細麺、茹でそばでないため、喉越しがいい。上に乗っているかき揚げを幾つかに割って頂くが、揚げたてサクサクである。ここで油断するとかき揚げがツユを吸い込んでぶよぶよになってしまうから気をつける必要がある。

ツユもやや甘めでツユも好み、ついつい全て呑んでしまいそうになる。食べ進めるとかき揚げの油でコクが出てさらに美味くなる。

お客さんは安いこともあり、ひっきりなし。やはりボリュームのあるセットメニューが人気がある。ある程度纏めてそばを茹でるため、少し待たされることもあるが、もりそばも美味いのである。今はこの店だけとなったが、再び出店してくれることを祈りつつ、完食、丼をかえした。
ご馳走さまと声を掛けると、また、ぜひよろしくお願いしますと返された。こうしたやり取りはいいものである。ご馳走さまでした。
梅もと ヤエチカ店
八重洲地下街北1号外堀地下2番通り
0332751893