人形町のほぼ中央、甘酒横丁からまっすぐ歩いた先、来福亭や喫茶去快生軒の並びに『谷崎』はある。この地は文豪谷崎潤一郎が明治19年に生まれた場所にあたる。阪本小学校に通ったが、父の事業の失敗から幼いときにここからは離れたらしい。

その生誕の地の石碑があるビルの2階にあるレストランで結構広い。眺めもよく、豚肉を使った料理が得意で夜はしゃぶしゃぶが名物である。


最近、昼時のランチは出勤する人が増え、ランチをやめたり、閉店する店が増えたため、列を成すところが多いが、この店はキャパシティがあり、ゆっくりとランチが楽しめる。


今日のメニューは魚がヒラメの漬け丼、肉料理は定番の照り焼きハンバーグ、トンテキ、房州豚のしゃぶしゃぶ、デミカツ定食などだが、今日はデミカツ(1200円)を選択した。


中央のカウンターには3人、広々と使うことができる。デミカツは常に揚げたてのため、少し待たされる。

7.8分で登場、メイン、味噌汁、漬物、ライスとシンプルなラインナップ。デミカツにはたっぷりの生野菜がついていてドレッシングがかかっている。

真ん中の肉を一口、カリッとした衣とデミソースの味、ご飯が進む。ソースで頂くのもいいが、洋食屋のデミソースで頂くのも捨てがたい。

味噌汁はもやし、白菜、えのきだけ、豚肉などが入って具沢山。大きめのお椀にたっぷりと入っているのが嬉しい。


カツはどうしても真ん中から食べて最後に端を食べる習慣がついている。野菜を食べ終え、一口で食べる一切れがたまらない。毎日は食べないが、やはりカツは美味いと実感した。生誕の地で美食家谷崎潤一郎を偲んでいただきました。ご馳走さまでした。

にんぎょう町 谷崎
中央区日本橋人形町1ー7ー10
0336390482