『鉄道シリーズ』その196。1968年10月の時刻表と2022年10月の時刻表を比べて見るとおもしろいことが沢山ある。その中でも興味を持ったのは路線の栄枯盛衰である。今回は『関西本線』を取り上げてみたい。
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まずは2022年10月の時刻表から見る。そもそも関西本線は名古屋〜JR難波174.9kmの路線であり、うち名古屋〜亀山はJR東海、亀山〜JR難波はJR西日本に属する。時刻表では名古屋〜亀山の関西本線と亀山〜多気の紀勢本線、多気〜鳥羽の参宮線が同じページに掲載されている。
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その中で特急南紀が名古屋〜亀山〜多気〜紀伊勝浦に定期列車で4本、快速みえが名古屋〜鳥羽(一部伊勢市)に15本、もちろん各駅停車も多数設定、また電化されている。
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亀山〜加茂は非電化区間でディーゼル車が1時間に1本、それも各駅停車のみ。また、名古屋方面、JR難波方面へ直接つながる列車の設定もない。
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加茂〜奈良〜JR難波はというともちろん電化されていて大和路線という愛称がつけられていて直通の快速『大和路快速』が通勤時間帯には1時間に6本、他にも各駅停車も運行される通勤路線となっている。日中の時間帯は新今宮から環状線に入り、大阪駅まで直通運転されている。
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つまり、1本の路線のうち、名古屋〜亀山は一般路線として優等列車も走り、亀山〜加茂は非電化のままローカル線に格下げされ、加茂〜JR難波は通勤路線として栄えているという三者三様となってしまった。
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しかし、1968年10月当時は関西本線として1頁に収められ、直通は各駅停車3往復のみだったが、急行かすがは名古屋〜亀山〜奈良、併設の急行平安は名古屋〜亀山〜柘植〜草津線〜京都が運行されていた。(名古屋から紀勢本線方面の優等列車が亀山経由で運行されていたのは現在と同じ。)もちろん、当時は全て非電化であったのだが。
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国鉄に買収される前の関西鉄道は国鉄と名古屋〜大阪のスピード競争をした時期もあったのだが。戦後は東海道線は新幹線が開業し、一方、関西本線はローカル線に成り下がってしまった。
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その後、一本だった路線が3つに分かれ、使われ方にこれほど差が付いてしまうとはあまり考えられたことはなかったであろう。