本年は巳年、という事でお参りすべき『ヘビ』を祀った神社に行ってきた。そもそも蛇という字が入った地名は少なく、東京には蛇が入った駅名は皆無、これでは期待薄かなあと思っていたら、東急大井町線(かつての目黒蒲田電鉄)に『蛇窪』という駅があった。しかし、1936年に当時の町会議員が蛇は縁起が悪いから地名を変え、字名で『下蛇窪』『上蛇窪』だったものを『下神明』『上神明』に変えてしまった。これに伴い、駅名も『戸越公園』になったのである。しかし、蛇窪神社(上神明天祖神社)の名前は現代にも残されている。
蛇窪神社を地図で調べると戸越公園駅より中延駅の方が近いことが判明、都営地下鉄中延駅で降り、神社を目指す。すぐ前に国道1号線が通っているが、右に曲がり、東急バス営業所がある二葉四丁目信号を左。
三間通りを少し歩き、2つ目の信号を左に入ると鳥居がある。神社までは信号待ちを含めて10分程度。鳥居には『蛇窪神社』と書かれていて荏原七福神、蛇窪大明神などの幟がはためいている。
正面が本殿となっていて比較的新しい(?)と思ったら火災に遭い1961年に新築されたとのこと。御創建は1323年(鎌倉時代末期)で主神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)。由緒は旱魃の際に雨乞いを龍神社で行い、大雨が降ったことからこれに感激した北条重時の家臣たちが蛇窪に神社を勧請。
元は神明社だったが、村社に昇格、天祖神社となったが、令和元年の御大典を記念し、通称であった蛇窪神社を正式な社名にした。本殿両側には蛇窪と書かれた提灯が置かれ、中には干支の龍の図が奉納されていた。
脇道を行くと正面に白蛇弁天社。由緒は鎌倉時代にはこの辺りに清水が湧き出る洗い場があり、白蛇が住んでいた。しかし、その後洗い場が無くなり、土地の旧家森谷友吉氏の夢枕に白蛇が現れ、元に戻して欲しいと懇願した。
これを契機に地元融資で白蛇弁天社を造ったもの。神社の両側には狛犬ならぬ『狛蛇』が2匹、さらに池の周りにも白蛇がいる。
右奥には蛇窪龍神社、ここには7匹の白蛇と全長8mの白龍が配されている。隣にはメスとオスの撫で蛇、身体の悪いところを撫でるとご利益がある。
白蛇種銭つなぎという金運を願う祈り方があり、200円志納して臼の上に種銭を置き、3回回して種銭を財布等に入れておくとお金が増えるというご利益がある。
私も種銭をいただき、石臼に乗せて回し、種銭をゲットした。
入口近くには法密稲荷があり、鎌倉時代に京都伏見稲荷に勧請、分霊をお祀りしたもの。ご鎮座700年を記念して令和4年11月に今の名前に改名した。
ここには『運玉』があり、100円を納めて玉を3つ取る。線を引いたところから満願岩の窪みに投げ入れば願いが叶うというもの。もちろんやってみたが、コントロールが悪く、外してしまった。
とにかく、狭い境内に4つの神社があり、色々とアミューズメントとも言えるチャレンジができる楽しい神社である。2025年は蛇が干支(但し、私は12月に参拝した)、12年に1度でもあり、お正月にお参りしても面白いだろう。
巳年が良い年となりますように。