秩父で一泊した後、翌日は三峯神社を目指す。以前に訪れた時はロープウェイに乗って行ったのだが、老朽化に伴い2007年に廃止されてしまった。
秩父湖までは国道140号線を利用、二瀬ダムの淵を通り、左に山を登って行く。山登りの道は途中から2車線となるが、三峯山観光道路という有料道路だった。今は無料開放されている。突き当たりには有料駐車場があるが、ここまで登ると標高1050m。この日は気温が高くなかったが、駐車場は20℃とひんやりする。
三峯神社の三峯とは雲取山、白岩山、妙法ヶ岳の3つの峯の山岳信仰から興ったもので狼を守護神としている。(そのため狛犬の代わりに狼の像が鎮座している。)
駐車場の奥に神社に続く参道があり、しばらく行くと3連の鳥居。これをくぐり、両側に高い杉の木、左側には昔からの講の満願の供養碑が並ぶ中を歩く。今から何年前に作られたのかわからないくらい古い交番もある。
すると右の小高い所に日本武尊像がある。
この像の由来はそもそも神社の創建は日本武尊が行ったという伝承による。
今から1900年前に東征の際、甲斐酒折宮から雁坂峠を越えて碓氷峠に向かう途中、東国の平安のため、伊弉冊尊・伊弉諾尊(イザナミ、イザナギ)を祈ったのが由来と言われている。凛々しい像の周りを歩き、階段を降りる。
参道は左に向い、隋神門をくぐる。元は仁王門であったが、神仏分離の影響で仁王が外されたという経緯がある。横には神社の守護神である狼の像もある。この辺りから再び下る道、そして青銅鳥居が出てくると本殿に向かう石段がある。
手前に拝殿、奥に本殿があるが、いずれも化粧直しが行われたばかりでもあり、見事な色彩に彩られている。
また、手前右側にあるのが八棟木灯台、左側にはあるのは手水舎。赤と白の対照的な塗色となっている。
拝殿の前には神木が4本、少し列ができている。コロナ禍もあり、一度に1組ずつしか参拝できないからやむを得ない。
参拝を終えて左側にある社務所に『気』のお守りを頂きに行く。かつては白の『気』のお守りが1日に限り得ることができたのだが、あまりの人気に渋滞を招くなど弊害もあり、今は中止されている。今は四色、赤・青・ピンク・緑から選べる。
次に御神木に手を合わせて今後の無病息災などを願うこともできる。本当は3回お辞儀をし、手を合わせるのだが、『気』というだけでカメハメハと間違えて波動を送ろうとする人が次々と、見ているだけで可笑しい。
その後、横にある祖霊舎などをお参りする。その先には伊勢神宮、稲荷神社、富士神社、浅間神社など末社が並ぶがあまりに多いためお賽銭が尽きてしまうほどである。
なぜか、この辺りには蜘蛛の巣が多く、前日の雨で水玉がキラキラと光り美しいが、その数の多さには驚く。
駐車場に向かう途中にある眺めのよい茶屋で蕎麦を頂き、駐車場に戻った。前日の教訓を受けて食べられるうちに食べないとと頂いたが、山菜そばは手打ちで思いの外美味かった。ご馳走さま。