第四十四回「築城」はこちら。
前回の視聴率は15.3%と例によって予想よりも下回った。というかイッテQ!がびっくりするような数字を叩きだしていることが影響したか。イモトがまたなんかやりましたか。
後ろからはこの秋の好調ドラマがひたひたと。「逃げるは恥だが役に立つ」(なんて魅力的なタイトルだろう)では秀忠が踊っている(らしい)し、「校閲ガール」では舞城王太郎みたいな役で菅田将輝が光り輝いている(らしい)。さすがに見ていないのでなんも言えませんが。
さて「完封」。おそらくは三谷幸喜がいちばん描きたくなかった回。合戦は始まるまでが面白いという主張は幸村がはっきり
「策とはそういうものだ」
と言っちゃってますもんね。敵方に通じているのは誰かをいぶり出すあたりの展開は喜々として書いているのがわかります。でもやはり真田幸村の戦功を一度はっきりとぶち上げておかないと、多くの大河ファンが怒る(笑)。実質的なデビュー戦だということも、幸村は最後に(言わなきゃいいのに)ポロッと述懐。いい人です。
これがなかったらしかし今回は虐殺に近いから後味は悪くなったかも。その大勝利を呼び寄せたのが父親の遺訓
「兵を塊だと思うな」
だったのはうまい。幸村はこの勝利によって息子と本当の意味でわかりあえたし、その合わせ鏡のように家康は無能な秀忠にいらついている。
やっぱり、こんな回があってくれないとわたしもしんどいな。主人公が歴史の前面に出て来たのはなぜなのか、たまにはくっきりと縁取りしてほしいっす。
きりちゃんも再登場したし、淀君のトリックスターぶりもうれしい。勝利の回なので視聴率は今度こそ16%台復帰と読みました。だってこれからはまたしても腹黒い話の連続でしょう?いちばん喜んでいるのは三谷幸喜でしょうけれども(笑)。
第四十六回「砲弾」につづく。