大倉崇裕って落語を題材にした作品でデビューしてたのか!知らなかったー。落語とミステリがとても相性がいいのは、北村薫の円紫さんとわたしの長大なシリーズでもおなじみ。こちらのヒロイン緑さんは、「わたし」ほど内省的ではなく、そこがいいです(笑)。モチーフとなる落語ときちんと連関していて、きちんとオチをつけている。もっとこのシリーズを読もう。
トップバッターの特権とは、カウントもランナーも気にせず、頭の中で第一打席をひたすらシミュレーションできること……仁志は野球がほんとうに好きなんだなあ。
常総学院=早稲田大学=日本生命=巨人=DeNAと、陽のあたる場所を歩いてきた彼は確かに野球エリートだ。でもその陰でひたすら努力してきたことがうっすらとうかがえ、感服。常総の木内監督が、実はその采配に反抗する選手を待っていた話など、うなる。