MI5
ビル・ナイが主演する「MI5」のシリーズをご存じですか。Military Intelligence Section 5といえば英国諜報部。優秀な分析官だったジョニー・ウォリッカーを主人公にした三部作。
(1)MI5: 消された機密ファイル
Page Eight
(2)MI5: 灼熱のコンスパイラシー
Turks & Caicos
(3)MI5: 世界を敵にしたスパイ
Salting the Battlefield
あ、まずはビル・ナイを知る人の方が少ないかも。えーと、えーと、みんなが見た映画で彼が出ていたのは……「パイレーツ・オブ・カリビアン」のデイヴィ・ジョーンズかな。顔の両側から触手が出ていたので顔がわかりませんよね(笑)。
このおじいちゃん俳優は他にも「ラブ・アクチュアリー」や「ナイロビの蜂」などの渋い脇役が似合っていて、わたしは好きな役者なの。いかにもイギリス人、という紳士的な風貌(触手がないときに限る)は味わいが深い。
にしても、この三部作のことをわたしはまったく知らなかった。いつ公開されたんだ?ゲオの棚で一作目をたまたま見つけたからよかったものの。
あ、そうなんだ。BBCが制作したTVムービーだったのか。にしても豪華なキャストをそろえている。マイケル・ガンボン、レイチェル・ワイズ(「スターリングラード」の美尻は健在でしたっ)、レイフ・ファインズ(首相役)、ウィノナ・ライダー、クリストファー・ウォーケン、ヘレナ・ボナム・カーター(ずいぶんと立派な身体になってます)、フェリシティ・ジョーンズ……
カーチェイスなし、暗号なし、拷問なし、濡れ場なし。この、およそ007やミッション・インポッシブルの対極にあるような地味ぃな作品が、めちゃめちゃに面白かったのである。だってウォリッカーは、かつて愛したことのある女性たちの活躍によって……そこんとこは徹底的に007でした。レジ袋をぶら下げて(中身は剣呑なものだろうが)静かに歩くシーンがひたすらつづく。こういう作品、もっと見たいなあ。