乗鞍高原にて夏の天の川を撮ってきた。乗鞍高原では何度か星空を撮影しており、夏の天の川も撮ってはいるものの、天の川のいて座からたて座の辺りの濃い部分、いわゆるグレートスタークラウドとスモールスタークラウドと呼ばれるところが沈んでしまってからであった。季節は10月になり、この週末が夏の天の川を撮るラストチャンスであるため、星がとても美しく見える乗鞍高原で締めたいと計画した。
緊急事態宣言が9月30日の期限をもって解除され、10月1日からは日本全国で緊急事態宣言もまん延防止等重点措置もない日々が始まった最初の週末。しかも1日は、大型で非常に強い台風16号が千葉県や茨城県の一部を暴風域に巻き込みながら進み、翌日の土曜日は将に台風一過の秋晴れ。高速道路の下りは、どこも朝から渋滞とのニュース。今回の目的は、あくまでも「夏の天の川」。午前11時半の最新の天気予報、GPV気象予報を確認してから自宅を出発した。
中央道は、小仏トンネル手前から上野原ICまでの期間で断続的な渋滞があったが、談合坂SA辺りから先はガラガラ状態であった。上信越道の「みどり湖PA」で休憩をとり、乗鞍高原の「どじょう池」近くの駐車場に16時半に到着した。
紅葉は、まだ半分という感じだが、傾きかけた西日の逆光で輝く赤やオレンジの葉、風に揺れるススキの穂がとても美しい。もし、あと1時間早く到着していればあちこち撮影をしただろう。ちなみに真っ赤に色づく大カエデは9割が緑色の葉で、おそらく2週間後くらいが見頃であろう。「美しいものを一番美しい時に美しく写す」ことがモットーであるから、紅葉の撮影は2週間後に計画したいと思う。
さた、日の入り時刻は5時半。それまでの間に撮影場所を決めるためにロケハンを行う。高原は見晴らしが良く満天の星なのだが、星や天の川だけを撮ってもつまらない。「まいめの池」でも撮ったことがあるため、今回は、開田高原のように木々を入れる構図にした。
18時からセッティング開始。おそらくこの方向に夏の天の川が真直ぐに立つだろうとの予測でカメラをセットした。金星が沈みかけた薄暮の頃に一枚撮ってみると、運よく流れ星が写っていた。しかしその後、乗鞍岳方面から黒い雲が高原に次々に流れ込んできた。多くは上空で消えてしまうが、どうしてもカメラを向けた南方向だけは雲が居座り、いつまでたっても消えない。その雲で天の川が見えないのである。
気温12度。冬用のジャンバーを着ながら待つこと1時間40分。ようやく雲が無くなり、夏の天の川を捉えることができた。残念ながら、グレートスタークラウドは沈みかけてハッキリと写すことができず、乗鞍高原にて夏の天の川を撮るという目的は半分の達成で終わった。
今回の遠征は乗鞍高原にて夏の天の川を撮る以外に、もう1つの目的があった。それは、「黄道光」の撮影である。20時に天の川の撮影を切り上げ、駐車場で車中泊し、午前3時半より「黄道光」の撮影を開始した。これについては、次の記事で紹介したいと思う。
最新記事参照:乗鞍高原まいめの池より天の川
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。
乗鞍高原の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 20秒 ISO 1600(撮影地:長野県 2021.10.02 18:30)
夏の天の川(乗鞍高原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 25秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.10.02 19:47)
夏の天の川(乗鞍高原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 25秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.10.02 19:49)
夏の天の川(乗鞍高原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 25秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.10.02 19:53)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます